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原子吸光はICPより頑丈な装置・・・?
ICPを研究で使用している者です。 研究室には原子吸光もあるのですが、ICPと比較して ・測定には各元素毎にランプが必要 ・一度に一つの元素しか測定できない 等、ICPと比較してあまり利点は無いと思っていたのですが、ある先生から「装置としてICPよりも頑丈で壊れにくいという利点がある」という話を伺いました。 そこで教えていただきたいのですが、原子吸光は何故ICPよりも頑丈なのでしょうか。(単にICPが繊細すぎて扱いづらいという事なのでしょうか。) よろしくお願い致します。
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先生が具体的に何を指して「頑丈」とか「壊れにくい」とか(失礼ながら"思いこみ"も含めて)おっしゃっているのかは、その先生に聞いてみないことには正確な意図は分からないと思います。 ただ、両方の装置を扱った経験から推測すると、以下のようなことはあり得ると思います。 「ICP発光分析装置」で最も壊れやすい部品は、「プラズマトーチ」でしょう。特に「セラミックトーチ」でない「ガラストーチ」の場合には。かなり「消耗品」に近いと思った方が良いかも知れません。しかも「寿命時間」という概念もありません。ある日、突然異常放電等で熔けてしまったりします。 もう一つ故障しやすいのは「ネブライザ」でしょう。ICPプラズマへの試料溶液の噴霧は非常に微細な霧にしなくてはいけないため、一般にICP用のネブライザの吹き出し口は非常に小さく、詰まりやすいです。ネブライザのタイプによっては(ある程度霧の大きさを犠牲にしても)詰まりにくくしてあるものもありますが。 また、失礼ながら先生が指しておられる「ICP発光分析装置」がかなり古い装置をイメージしておられる場合は、RF電源部の出力段に真空管が使われている可能性が大なので、「真空管」は「寿命が短く、価格は高い」ということもあります。 それに比べて「原子吸光光度計」では、グラファイト炉のタイプでは「グラファイトキュベット」は確かに消耗品ですが、そんなにいきなり壊れて使えなくなる、ってことは少ないはずですし、「プラズマトーチ」よりも安価でしょう。 「分光器が壊れる」(調整が崩れる?)ということは否定はしませんが、それはその装置メーカの「技術力不足」が原因であって、一般論ではないように思います。
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分光器が比較的単純な構造の為に.ICPにくらべて壊れにくいです。
お礼
なるほど。分光器の構造の差については考えておりませんでした。ありがとうございました。
お礼
詳しいご回答ありがとうございます。プラズマトーチが壊れやすいのは、やはり熱によるものなのでしょうか。また、ICPのネブライザの方が口径が小さいのですね、なるほど。うちのICPですが、とても新しい物ですので真空管は使われていないと思います。