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生物の知覚について
花がとても鮮やかに目にうつります。 植物が鮮明な色へ変化してきたのか。 我々の視覚などが鮮明な色に見えるように変化してきたのか? 考え出すとよくわからなくなります。 科学的視点によるお答えをお願いします。
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こんにちは。 植物などが身に付ける様々な色を「色彩」と言うのに対して、動物がそれを知覚する能力を「色覚」と言います。生物界に於ける、「植物の色彩」と「動物の色覚」、このふたつは互いに影響を及ぼしながら進化してきたと考えられています。 植物が鮮やかな色の花や実を持つようになったのは現在から7千万年前のことで、これは、被子植物が動物との共生という生命戦略を選択した進化上の大イベントだと言われていますよね。それまでの植物は棘を付けたり毒を持ったりして、専ら自分の身を守るために進化を続けてきたのですが、それからは、逆に動物に食べられることによって種子を運んでもらったり受精したりするという全く逆の方針に切り替わりました。 植物はそのために花や実に色を付け、より動物の目を引きつけるようになったんですね。それに伴い、動物の色覚も進化を加速したと考えられています。動物は、どの実が美味しいのか、どの花にたくさん蜜があるのかといった生き残りに有利な情報を獲得するために自分の色覚を研ぎ澄ませる必要が出てきたわけです。 このように、色彩と色覚は共に相乗的に進化しました。ただ、これはたいへん不思議なことなんですが、被子植物の進化が動物の持っている色覚というものを積極的に利用しようとしたものであることは間違いと思うのですが、それまでの動物(ジュラ紀・白亜紀頃でしょうか)は、余り色彩に敏感ではなく、色盲の動物も多かったという話を聞いたことがあります。 どちらが先かということになりますと、私もちょっと自信はないのですが、このような色によるコミュニケーションという生物界の変化は、植物の進化の方にその切っ掛けがあったということは言えるのではないでしょうか。 これは余計な話ですが、我々人類の先祖はかつて夜行性でしたので、現在でも構造上ヒトの視覚はカラーよりもコントラストに敏感だと言われています。ですが、現代人はカラー・テレビなどの普及によって色彩感覚が豊かになり、今ではカラーの夢を見るひとがどんどん増えているそうです。但し、これは人間の大脳が色覚に関する新しい領域を開拓したということですので、こちらはちょっと進化と呼ぶわけにはゆきません、念のため。 最後にもうひとつだけ。 人間が色や音に触れて、それを美しいと感じるには、遺伝的な本能だけでなく大脳の働きが大きく関わっています。個人の好みというのは生後の環境によって作られるもので、遺伝子にプログラムされているものではありません。これを説明するとまた長くなってしまいますので、今回はこのくらいでカンベンして下さい。
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- ysk888
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おっしゃるとおり、進化の相互作用でしょう。 植物は、花を受粉させたい時と、果実を動物に食べてもらう時に目立ちます。動物の手助けが必要な時ですね。 実を食べたい方は、おいしい果実を選んで食べるため、熟した実を強調して識別する仕組みを作り出して行ったそうです。 人間の例では、目には主に、赤、緑、青に反応する錐体がありますが、このうち赤と緑は非常に類似した仕組みになっていて、比較的新しい時期に進化したと言われています。波長としては赤と緑は比較的近いのに、わざわざ2種類ある訳です。(色弱の人の多くは赤と緑が区別しにくいため、果実が熟しているか、見ただけではわかりにくい) さらに、人間の視覚には反対色(黄青、赤緑)があって、緑の葉の中にある赤い実が絶対に混ざって見えない仕組みが発達しています。これは完全に脳の中での作用です。これが”鮮やか”と感じる元だと思います。 必要に応じて、紫外線、偏光などが区別できる動物もいますね。区別した方が有利な情報を区別できる仕組みが、進化と共に発達して来たということだと思います。
お礼
ありがとうございます。「進化」という言葉を説明なしで使用することに抵抗があるので、みなさんのお答えがとても勉強になります。
- パんだ パンだ(@Josquin)
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動物が受粉にかかわる花(虫媒花など)の場合、鮮やかな色の花の方が動物が集まりやすいため、子孫を残しやすいです。 動物の視覚も一定なく、花を見つけやすい→花の蜜を得やすいなので、花を鮮やかだと感じる方が生存率が上がり、子孫を残しやすいかもしれません。 というわけで、両方が歩み寄っている(?)のだとは思いますが、どちらかというと植物の方が子孫を残しやすい方向に変化していると考えるのがより自然だと思います。
お礼
ありがとうございます。やっぱりそうなんですかね~。しかし植物ってすごいなと再認識しました!
- kawakawakawa13
- ベストアンサー率25% (514/2010)
科学的視点からでは無理です。 生物学的に言えば、光すら認知できなかった初期の生物から、だんだん進化して、人間は、色彩を認知できる視力と、花がとても鮮やかに目にうつる、そんな感情を得ることが出来るようになったと思います。 花がとても鮮やかに目にうつる、この言葉は、次の点から成り立っています。 一、色彩を認識する能力 二、鮮やかと認識する感情 見えるだけでは、「鮮やかに」とは感じません。 進化の過程で、より正確に対象を認識する能力が向上し、色彩を認識できるようになったのと、脳の発達が相まって、「花がとても鮮やかに目に映る」用になったのだと思います。
お礼
ありがとうございます。自分の中で一歩前進しました!
お礼
ありがとうございます。ご丁寧な説明でとてもわかりやすかったです。大学でも視覚についてかじったのですが、こういう素朴な疑問は残っていたのでとてもよかったです!