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実験室で合成やるのと、工場などで合成(製造)するのでは考えることって違うの??
ちょっと先生と話をしていて、実験室ではこういう合成が簡単にできるけど、工場などでいざスケールをでかくすると同じようには合成(製造というのでしょうか?)できないんだよねー、だからこの反応だと金儲けはできないなーって言っていました。 反応論で考えると、合成する工程が同じなら反応も同じなので、別にスケールをでかくしても(例えば1リットルのフラスコから100リットルのフラスコみたいな感じです)、考え方は一緒だと思うのですが。。。 まったく同じ反応、工程でもスケールをでかくしただけで他に考えなければならないことや反応に作用するファクターが増えたりするのですか?
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>まったく同じ反応、工程でもスケールをでかくしただけで他に考えなければならないことや反応に作用するファクターが増えたりするのですか? まず第一に採算が取れなければ生産しません。単に原料と目的物の価格だけでなく、副生成物の後処理にかかる費用も考慮しなければなりません。装置の減価償却も考えに入れます。さらに、医薬品や医薬中間体の生産では、お役所が許可する方法でしか生産が出来なかったりします。 そして技術的には、No.1の方が挙げた温度コントロールについては、それがスケールアップを妨げる要因になることはよくあります。たとえば加熱を考えて見ましょう。実験室では数ミリリットルの溶液を温めるために1リットル近いシリコンオイルバスを用いたりしますが、化学工場(以下、現場といいます)ではそうゆうことは原則としてしません。化学工場での加熱冷却は、一般的には反応釜の周りにらせん状に配管をめぐらせ、その中に熱媒や冷媒を流して行います。釜の中の溶液に比べて熱媒や冷媒の量が少ないのです。時間をかけて加熱冷却をして良いのであればそれで問題は無いのですが、著しく反応熱の大きい反応などに対応するのはなかなか厄介なのです。 あとは実験室で気軽に行うカラム精製についても、現場ではなるべく避けたいものです。 現場では反応の暴走や爆発は絶対に避けなければなりません。そんなことになったら従業員や付近住民が死傷しかねませんし、会社も倒産するかもしれませんから。ですので、実験室で使うジアゾメタンなどは現場では使用しにくいのです。実験室ではドラフトの中で小スケール実験を行うので、微量の毒ガスが系外に出ても大して気にしませんが、現場でこれと同じことをやったら逮捕者が出ることでしょう。他にも、実験室では数ミリリットルのグリニア溶液が吹いてもびっくりしたり教官に叱られる程度で済みますが、現場では... しかし生産技術も日進月歩していますので、今は不可能なプロセスも将来可能になることも多いでしょう。 以下は余談ですが、まったく同じ反応を実験室と現場で実施した場合には、ほとんどすべての場合で現場のほうがうまく反応を進行させられます。まれに現場よりも実験室のほうがうまく合成が出来ると勘違いしている人がいますが、そうゆう人は現場の技術力の高さを知らないのです。
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- SCNK
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オウムがサリンを合成したのは実験室レベルでした。工場プラントを製造して大量生産しようとしていましたが、結局完成しませんでしたね。日本の防衛庁でも訓練用としてサリンを合成していたそうですが、実用は考えていなかったのでプラント化はやっていません。 これは化学生産だけではなく、たとえばバイオロジカルでも言えることです。731防疫給水部などで行っていたのはやはり実験室レベルだったようで、その当時、英米はすでに生物剤を大量に生産するプラントを製造していたそうです。
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なるほど、そうだったんですか。。。サリン、怖いですね、もし工業レベルで成功していたら都思うと・・・ ありがとうどざいます。
- daizen
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攪拌も問題になります。均一に混じりあわないと部分的な過反応が起きて、重合物や副生成物が生成する場合もあります。このため攪拌某装置や他に反応缶の内側に出っ張りに板をつけて乱流を起こさせるようにもします。
お礼
なるほど、今まではおこらなかった反応もおこることはありえそうですね。ありがとうございます。
- パんだ パンだ(@Josquin)
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一番の問題は温度コントロールではないでしょうか。加熱・冷却がうまくいくか、温度は均一に出来るかなど。
お礼
ありがとうございます。均一性ですか、なるほど。。。たしかに大きいと難しいですよね
お礼
ありがとうございます。 たしかにコスト面がまず考えられますね。当然のことを思いつきませんでした。勉強不足ですね。。。 環境面といえばいいのでしょうか?たしかにドラフト内で行うのと違ってでかいスケールになれば人体への影響なども考慮に入れなければならないですよね。。。