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なぜ狭軌は標準軌にできない(しない)のでしょう?
これまでに、狭軌を標準軌に直すには、トンネル工事が必要だと聞きました。 でも新幹線を除いて、標準軌だから車両が大きい訳ではありません。逆に、尼崎線(狭軌)の脱線車両(19500x2950x4140mm)の方が、例えば京浜急行(標準軌)(18000x2830x3645mm)より大きいようです。 素人目には、例えば狭軌の両側に2本線路を追加して電車中心はこれまでと同じにすれば、狭軌と標準軌を混在させられそうに見えます。この方法なら、線路外にノリがある場合はこれをきつくしたり補強工事して線路両側に新たに土地を取得する必要もなく、トンネルを大きくする必要もなく、またフリーゲートトレインの実用化を待つまでもなく、順次、狭軌と標準軌を混在させながら変更できそうな気がするのです。 2950mm幅の車両を狭軌1067mmの上に乗せて運行するより、標準軌1435mmの上の方が走行上安全なのは当然です。なぜ車体の大きさはそのままで、狭軌を標準軌にしないのでしょうか?
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改軌するにせよ、外側に標準軌のレールを引くにせよ、短期間の運休では工事ができないのが一番の問題だと思いますね。 通勤路線でそれが可能とは思えないし、逆に改軌可能な路線があるとすれば、速度、輸送量ともに改軌の必要のないローカル線ばかりということになります。 通勤路線で、原則運行(片側だけ運休などを併用)しながら改軌を達成したのは、近年では京成/新京成くらいだと思いますが、これにしても、今よりは相当余裕のあった時代の話です。 また、技術的なことを言うと、現在の狭軌の両側に標準軌を敷設したのでは、おそらくポイントが設置できません(ガントレットは可能)。低速の物は作れるでしょうが高速対応の物を作るのは無理だと思います。 では、片側だけに引く三線軌条ではどうかというと、この場合は、レール中心が偏倚するため、車体の大きさが同じでも片側だけ建築限界を拡大する必要がありますから、容易ではありません。まあ、トンネル内にはポイントがないので4線で逃げるというのも考えられますが、その場合、トンネル手前にガントレットが必要になり、高速化の足を引っ張ります。 お金の話ですが、これは、最終的には利用者が負担するものだし、税金を投入するにしても国民の金です。自分の懐が痛むというコンセンサスが多数の利用者や納税者に得られるでしょうか。 とすれば、より少ない費用で達成できる方法を考え、無理のない運転をしたほうがいいと思います。
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- apple-man
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カーブを曲がるとき、片方のレールに かかる荷重の問題もあります。 テコの原理を考えると分かると思うのですが、 支点から離れていると、それだけ荷重が大きく なる。同じ傾斜のカーブでも2つのレールの 幅が広くなると、2つのレールへの加重の 分散の割合が変わってくるんです。 低い方のレールへかかる力がより大きく なります。 ですか線路の幅を変えるときは、カーブでの 線路の強度を検討し直す必要があって、 単純に広げればいいというこにはならない はずです。 因みに新幹線の場合は、既存のレールのカーブを 検討する必要がなく、高速運転のため、急なカーブは 作らないというのが基本的な考えだったので、 直進での走行が安定しやすい標準軌が 採用されました。
お礼
こういう課題もあったのかとびっくりしました。 高速になればなるほど、この問題は大きく影響しますから、重大ですね。 いろいろな課題があるということが、本当に良くわかりました。ありがとうございます。
- travelKENKEN
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すでに皆様から出てますとおり、問題点は大きくて2つあります。 ・工事費の問題 標準軌に改軌する事での増収効果は期待できません。ミニ新幹線のように、新幹線直通が可能となることにより利用増が期待できる線区は限られてます。例えば山手線が標準軌になっても、利用が増えるとは限りません。そうなると、税金を投入するか、運賃を値上げするかで、資金を捻出しないとなりません。 ・工期の問題 ミニ新幹線の例でわかるとおり、一般的には相当期間の運休が必要になります。その昔、京成電鉄で行った時は、運休を無くすために数駅づつ改軌を行い、境目の駅で乗り換えるという方法を取りましたが、素人考えにも非効率的だと思います。都営新宿線が計画された時に、京王電鉄をこの方式で改軌することが検討されましたが、利用実績を考えると、途中駅での強制乗り換えは不可能(折り返し時間を考えると運転本数の確保は無理で、さらに全員を乗り換えさせるような広い駅を路線の中間で確保するのは不可能)という結論に達し、法律に違反(正しくは特例を認めさせた)してまで1372mmで都営新宿線を建設した実例があります。 なお、近鉄の標準軌の改軌は、伊勢湾台風の復旧に合わせて行なわれたわけではありません。実は、伊勢湾台風の前から改軌は決まっており、資材などの手配もすでに終わっていたのです。で、伊勢湾台風の復旧と同時にやってしまえというトップからの指令があり、改軌を繰り上げる事になったのですが、復旧を優先しましたので、一部の区間では狭軌のまま復旧し、すぐに改軌した区間もあります。 なお、運休期間を無くすために3線を併用するというお考えですが、ポイントのなどの複雑化による保守の問題や、ポイントの形式によっては3線化できないものもあるほか、鉄橋やトンネルなどで支障が出る可能性もあります。標準軌と狭軌による車両の大きさの差は、新幹線以外にはほとんどないわけですが、3線軌道化すると中心がずれます。したがって支障となるケースが十分に考えられます。
お礼
まとめて頂いた上に、事例を沢山教えて頂きありがとうございます。 色々な方法が試されて、でも実現は本当に難しいのだということがわかってきました。
- Kon1701
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JRは、狭軌を標準軌に変える機械を開発しました。かなり効率はよいのですが、それでも運休は長期間になります。また、車両の台車交換、一部の駅の設備も必要でしょう。日本全体では一体でどれだけの費用、経済的損失があるのか、そうぞうもつきません。 で、それによって得られるものはあるでしょうか? 安全を強調されていますが、狭軌だから起きた事故はあるのでしょうか? また、鉄道事故自体、非常に少ないことも考慮する必要があります。 標準軌への変更を考えるよりも、それ以外で安全を向上させるべきではないでしょうか。 狭軌から標準軌に、膨大な費用を掛けてもそれだけでは安全性は変らない、といっても良いでしょう。 その費用、自動車事故の削減に投資すれば、かなりの成果があげられそうに思います。
お礼
ありがとうございます。 「狭軌を標準軌に変える機械」まであるのですね。 でもおっしゃるとおり、全国で一斉に替えるのは非現実的ですね。 「狭軌だから起きた事故」について。 尼崎の事故原因は調査中とは思いますが、新聞記事でこれを懸念しているものはあります。(神戸新聞) http://www.kobe-np.co.jp/kobenews/sougou/00005212sg200506221000.shtml
- 1840joker
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下の方も書かれていましたが、 やはり分岐機の構造が複雑になりますし、 (コレは京浜急行金沢八景(だったっけ?)山形新幹線や秋田新幹線の線路をみればわかります。) それに保守をするにも増えますし、 また保守列車を新造しなければならず、コストがかかり、又、レールを敷く工事のための長期運休せざるおえなくなります。 (ちなみに秋田新幹線の工事では、田沢湖線が盛岡~大曲を全面運休などをし、秋田~盛岡間を遠回りする臨時も走らせました。) ちなみにフリーゲージトレインはおもに新幹線と在来線を直通させるのを目的とするもので、新幹線は高速で走行する為標準軌でなければなりません。 これらの問題があるので現実には無理なはなしでしょう。 ちなみにJR北海道では道路を走る車を列車の後ろにくっつけて走らせる研究をしてるらしいです。 まさにフリーロードトレインカー? 笑
お礼
なるほど、運休するとなると大変です。 保守のことも、気がついていませんでした。 金沢八景の分岐も、逗子線の確か上りに1本線路が加わっただけですが、これが全部だったら相当なものですね。 だいぶわかってきました。ありがとうございました。
- chimi_yamada
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やっぱり、大きいのは金の問題じゃないかと。 狭軌と標準軌を混在させるとポイント部分をどうするか等難しいなじゃないかな。 昔の近鉄なんかは、たくさんの鉄道会社を買収とかで軌間がバラバラだったのを、 伊勢湾台風の被害で復旧ついでに統一したって話は聞いた事があるが。
お礼
早速ありがとうございます。 なるほどポイント部分は複雑になって、揺れが大きくなりそうですね。 それに復旧時に統一というのは、誰でも納得できるし効率的ですね。知りませんでした。 (でも、お金だけの問題なら、今だからこそ安全のために投資して欲しいです。)
お礼
6の方の情報も加え、技術的な問題が良くわかりました。今後も、幅3m近い車体を1mちょっと幅のレールで支えてもらうしかない、と理解しました。 だから、おっしゃるとおり無理のない運転をするのが一番ということですね。 ”ガントレット”についても、少し調べてみました。 ありがとうございます。