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金利の損金算入のメリット
金利の損金算入によって借入金の実質金利が下がるということですが、そのことがメリットにはなるのでしょうか? 確かに税額は低く抑えられますが、例えば借入金による資金調達ではなく、増資する場合と比べるとキャッシュアウトは多くなると思います。 このことから金利の損金算入のメリットとは、増資することにかかるコスト(株式の発行費等?)が、損金算入によって抑えられた借入金による金利コストを上回るということなのでしょうか? ちなみに自分は経済学部の学部生なので実務に関わっているわけではありません。解釈が無茶苦茶な部分もあるかもしれませんが、よろしくお願いします。
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質問者が選んだベストアンサー
理論と現実とに分けて考える必要があると思います。 理論的な話でいうなら、>増資する場合と比べるとキャッシュアウトは多くなる という点が問題になるでしょう。資金の出し手の立場で考えると、企業に対して融資するのと出資するのとでは、出資のほうがはるかにハイリスクです。償還期限もないし、万一の破綻時には残余財産の配分を受けられる可能性はほどんどなく株券など紙切れになってしまう。そんなハイリスクの資金を提供するのだから、投資家は当然ハイリターンを要求します。よって、配当は借入による金利よりも高くなるはずです。受取利息の方が多いのであれば、誰もハイリスクな出資などしないはずです。しかも配当は損金算入できない。利子は算入できる。よって、増資による調達のほうが、融資よりもキャッシュアウトが多くなるのが本来のはずです。利子は配当よりも少なくてすみ、税金も抑えられる。返済義務がある点が出資よりも難だが、コスト的にはメリットのある資金調達だ、ということになると思います。 現実的には、投資家のほとんどはこれまで配当になど目をむけず、市場での売買価格だけを気にしてきました。よって、配当は異常に低水準、場合によっては無配ですますこともできました。質問者さんが言うように増資のほうが借入よりも有利だったわけです。その結果、バブル期には、企業の多くは転換社債やワラントの濫発などエクイティファイナンスに注力しました。 しかし、これは異常な事態です。本来の経済の仕組みから考えると不適切です。最近では外資や村上ファンドなどの影響で株主が配当などにも目を向けるようになっています。また、財政的な裏づけもなく転換社債を発行してもディスカウントしないと買い手がつかないなど、エクイティによる調達の実質的な資金コストも上昇しています。現実が理論に一致しつつあるといえるでしょう。
お礼
わかりやすい例をありがとうございました。 理論と現実は別物ですね。