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プルトニウム型の原爆はなぜ実験が必要なのか?
最近、北朝鮮の問題などで、よく取り上げられているのですが、ウラン型と比較してなぜプルトニウム型の原爆は、実用化のためには実験が必要だとされているのですか?
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ウランやプルトニウムなどの重元素のうち、特定の物は一定の量が集まると臨界状態に陥ります。これを急激に進めれば爆発が起き、原爆になるわけです。 で、ウランを使用する場合、ウランを2つに分けて爆発させる際にこれをくっつけます(くっつける際には裏っかわにある爆薬を発破する)。 これに対しプルトニウムを使用する場合、プルトニウムをサッカーボール状の細かいピースに分けて、一辺にくっつけます(32面にすることが多いようですが、12面にしたり、逆に96面にするアイデアもあるようです)。 これはウランに比してプルトニウムの方が急速に核分裂の連鎖反応を起こすためです(その分、出来がよければウラン型よりも小型化が可能)。 この原爆を爆発させる際には、小さく分けられたプルトニウムのそれぞれのピースの裏側に爆薬を取り付けて同時に発破してピースをくっつけるわけです。 しかし、効率よく核爆発を起こさせるためには、それぞれのピースがきっちりとはまり込むように爆薬を調節しなければなりません。そのために爆発の速度が速い爆薬と遅い爆薬を組合せ設計通りきっちり爆発できるかを検証しなければならないのです。 コンピュータでやれば良いじゃないかと思われるかもしれませんが、爆発の伝わり方やプルトニウムの出来などアナログな部分が非常に多いうえに、これらを複合させて創るのが原爆ですから、統合的なシュミレーションとして一回は爆発させた方が信頼性は大きく高まるといえます。
お礼
納得しました。ありがとうございます。