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砲弾型プルトニウム原爆はどのような爆発をしますか?
原子爆弾の材料にはにはウラン235とプルトニウムがあり、ウラン235を使うタイプでは核分裂を起こさせることは砲弾がたが使えて簡単だが、全く同じ化学的性質のウラン235と238を原子量の違いで分離するという高度な技術が必要、またプルトニウムを使う場合は濃縮は必要ないが砲弾型では不完全な爆発しかおこらず、爆縮というこれも高度な技術が必要と聞いております。しかし、実際にプルトニウム原爆を砲弾型で作ったばあいの不完全な爆発とはどういうものでしょうか? 今回の北朝鮮の核実験が0.5キロトンという非常に小規模なものであり、一部の報道では不完全だったのでは、というのを見て、もしやと思ったのですが。
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No.4 です。 > プルの場合、水があると1キロ以下で臨界になったような これはどういう理屈で水により臨界質量が減るのでしょうか? 水により中性子の減速が起こると核分裂が起こりやすくなるのですか? --- 私の聞いた話ではそうです。 ついでにWikiで調べてみました(参考URL)。毒性に関しては鉛と同程度ということのようです。が、マスコミなんかはきっと大騒ぎをするでしょうね。 また、原子爆弾となるために必要な最低量は10Kg、直径10cmの球なので、周囲の爆縮火薬の量を考えれば、かなり小型化できるのではないでしょうか。 一方、http://ja.wikipedia.org/wiki/原子爆弾 にはプルによる爆弾型の問題についての記述がありました。プルは自発核分裂が激しいので、砲弾型(ガン・バレル方式)では核燃料の半分の固まりでの自発核分裂が問題になるそうです。爆縮方式では、点火前にもっと核燃料を疎に配置できるから(それと臨界に達するまでの間、圧縮力を保つことができる)、というのが理由のようです。
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- odessa7
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不完全な爆発の意味は、No.6のお答えにあるように「自発分裂」が原因となります。 たしかにプルトニウム(Pu)は濃縮の必要がないのがメリットです。しかしPuにはPu239と、少量ですがPu240が含まれており、このPu240が自発分裂と言う現象により分裂して中性子を放出してしまいます。 砲弾型の原料にPuを使うと、2つに分けたPuがぶつかって超臨界状態となる前に、自発分裂により放出された中性子によって連鎖反応が始まってしまい不完全な爆発を起こしてしまいます。これを早期爆発と言います。 早期爆発が起こるとそこで反応は終了してしまいますので、爆弾の威力は十分望めません。 爆縮型は、Puを未臨界状態にしておきますので、自発分裂による中性子が放出されても連鎖反応が起きません。そしてひとたび火薬を爆発させると砲弾型よりもずっと速いスピードで超臨界状態に達します。自発分裂による中性子が連鎖反応を邪魔する暇もないくらい短い時間で超臨界に達するため、完全な連鎖反応が起こって十分な威力が出るという仕組みです。 しかしながら、Puをきれいな球状を保ったまま圧縮すると言う高度な技術が必要であることは、ご質問者さんがご指摘の通りです。Puを原料に使う場合、砲弾型は採用できないと言うのが通説であるようです。 では、今回の小規模爆発の正体は? 連鎖反応が続かずに実験が失敗したためかもしれませんし、一部では核デバイス(起爆装置など)のみの実験であった可能性も指摘されています。
- nzw
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リチャード ローズ (著)原子爆弾の誕生(上下)(紀伊國屋書店)という本があります。本作品は、核分裂現象の発見から日本への投下にいたるまでの核兵器の開発の歴史を克明に記したドキュメンタリーです。その中で、米国の研究者たちがプルトニウムの場合、砲弾型では十分な爆発を起こせないことに気づき、そこから爆縮という技術を開発した経緯も触れられています。 残念ながら、現在手元に本がないため、砲弾型を利用した場合にどの程度の規模の爆発になると推定したか、具体的な値の記載があったかどうかは確認できません。ただ、この本はピュリッツァー賞受賞作であることからもわかるように、非常に内容の濃い作品です。技術的な内容も詳しいですし、各研究者の人間模様や、あまり知られていないドイツや日本での核開発についての記載もあり、かつ高度技術や先端科学関係のドキュメンタリーにありがちな、理論や技術を理解していないことによる不正確さも見当たりませんので、おすすめできる本です。 ちなみに、続編として、水素爆弾の開発と、ソ連による核開発を扱った「原爆から水爆へ(上下)」という本も同じ著者から出ています。 なお、あくまで適当な推量ですが、砲弾型であったなら、もっと小規模の爆発しか発生しなかったのではないかと思います。
- chirubou
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全くの素人ですが、私の知っている(思っている)範囲で。 「実際にプルトニウム原爆を砲弾型で作ったばあいの不完全な爆発とはどういうものでしょうか?」 それなりにエネルギーや放射線は出て、燃えていないプルトニウムが飛散するのではないでしょうか。これはこれで毒性が最も強いと言われるプルが飛散して長期的に放射線を出す訳ですから、別な意味で怖いですよね。 米国などで実用化されている戦術核は、爆縮型を小さく、ソフトボール大?、にした物と私は考えています。トム・クランシーの小説や映画等で見たという根拠だけですが。もし、これが本当であれば通常の爆弾等(映画ではスーツケースだった)に搭載できるでしょう。 もちろん臨海質量というものがありますので、小さい原爆ほど臨界を超えるのは難しくなるでしょう。プルの場合、水があると1キロ以下で臨界になったような(あいまいな)記憶があります。簡単にはプルの粉末に水を掛けるだけでも出来てしみます。 北朝鮮的には、不完全な核でも、目的を考えると十分なような気がします。プルの飛散という副作用もあることですし。また冷戦時代のように反撃を封じるための一発必殺の必要はない訳ですよね。世界を相手にするのですから、一発必殺なんてそもそも不可能ですから。ということで、これは一種の「テロ」あるいは「脅し」なので、威力はそれほど大事ではなく、不完全でも核が使える状態にある事を知らしめる、ことが北朝鮮的には大事なんだと思います。
補足
> プルの場合、水があると1キロ以下で臨界になったような これはどういう理屈で水により臨界質量が減るのでしょうか? 水により中性子の減速が起こると核分裂が起こりやすくなるのですか? > 北朝鮮的には、不完全な核でも、目的を考えると十分なような気がします。 北朝鮮の立場では、アメリカに地上軍の侵攻を思いとどまらせることが出来れば、目的は果たしたと考えられます。アメリカ議会が不完全でも核兵器を持っている国への侵攻を認めるとは思えませんから、そういう意味では北朝鮮の実験は大成功ですね。空からの爆撃だけではフセイン政権は安泰でしたし。
- K-1
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核反応が始まり、ある程度まで進む前に本体が破壊されてしまうと充分な破壊力が得られないということですな。 風船が膨らみきる前に穴を開けると破裂しても大したことない・・・みたいなイメージかと。 インプロージョンレンズが仕上がっておらず、エネルギーが集中できる形態になっていなかったのかもしれません。
補足
そのことは知っております。 質問のしかたがまずかったのかもしれませんが、私が聞きたかったのは、どの程度の大きさの爆発になるのか? ということです。 北朝鮮の核実験が、砲弾型プルトニウム原爆だった可能性はあるのでしょうか?
- 12m24
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まあ、原爆と言いますか、その手のものは瞬間的な超高圧が必要で、すべての炸薬のエネルギを一点に集中させるのがみそなわけでして。 これを球状にしたところでできるかと言えば、これまた難しいわけでして、はい。点火の時期が少しでも狂ったり、点火にミスしたりすると、それだけでもう爆縮ができなくなってしまうわけなんですよ。
お礼
ご回答ありがとうございました。 すいません、補足の補足にこの欄を使わせていただきます。 原爆に「瞬間的な超高圧」が必要なわけではありません。必要なのは核物質が速やかに臨界質量を超えることです。爆縮はそのための技術です。砲弾型では、臨界質量に達しない2つの核物質を火薬でぶつけるだけというもので複雑な仕掛けは必要ありませんが、爆縮型にくらべて臨界に達するまでの時間がかかるため、臨界質量の異なる同位体を持つプルトニウムでは不完全な爆発を起こすといわれています。
補足
そのことはもちろんわかっております。ですから、爆縮のような高度な技術が無くても作れる砲弾型プルトニウム原爆について質問しているわけです。
- FantomX8
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詳しくは説明できないけど、それ、スカパーのTBSニュースバードの昨日のニュースで1~2分ほど説明されてましたね~。
補足
お答えありがとうございます。で、砲弾型プルトニウムの可能性があるという話だったんでしょうか? もし、砲弾型プルトニウム原爆が簡単に作れるのなら、いくら不完全な核爆発でも0.5キロトンといえば最大クラスの通常爆弾とくらべてもケタが2つほど違いますよね。
お礼
ご回答ありがとうございます。こんど本屋に行ったらさがしてみます。