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貫は貫くから貫?

在来木軸工法のことで質問します。 よろしくお願いします。 壁の下地材である貫、これは通し柱や管柱を 貫通させるものなのですか? 貫=下地材が、通し柱、管柱=構造体に勝つなんて おかしいような気がするんですけど。 ちゃんとその分を考えて構造計算するのでしょうか?

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  • ayataichi
  • ベストアンサー率42% (66/156)
回答No.3

 柱を立てて梁で繋いだだけでは、横から力が掛かるとそのフレームは斜めになり菱形に変形してしまいますが、大雑把に言えば、そこに筋交を入れたり合板を打ち付けたりして変形をとめようとするのが現在の「在来工法」で、そのフレームを貫で繋いでいき、更に土壁を配したりして変形を止めようとするのが「伝統構法」です。  建築基準法が制定されてから、ごく最近まで、柱と梁、貫、土壁でもたせる構法は、基準法では認められていませんでした。  現在、一般的に言われている「在来工法」というのは、2×4工法などの比較的新しい工法に相対しての名称となっており、柱と梁、筋交、金物をメインとした工法のことを指す場合が殆どです。    最近になって、金物を使わず貫や土壁を配する構法でも、「限界耐力計算法」という方法で一部基準法でも認められるようになっていますが、そのための実験データがまだまだ少ない状態です。    貫は、字の通り柱を貫通させて繋ぎ合わせる部材で、楔をきちんと打たないとまるで用をなさないものですが、これを釘止めして終わらせてしまう大工も増えています。  貫を柱に通すのは、隅柱を貫通させることも、貫通させない事もあり、貫通させる場合はそこから通したり、貫通させない場合は中間の柱に貫を通しておいて、隅柱を僅かに広げて入れたり、と様々です。  通し柱、管柱もきちんと繋いでフレームを構成しないと、やはり意味がありません。     昔の大工は、それこそ経験で、地震の時に引っ張り力を受ける材と圧縮力を受ける材が解っていて、それに応じた継ぎ手や仕口を採用していました。  段々と施工が簡単な工法に追いやられて、日本古来の貫構造は、文化財かそれに近い建築物でしかお目にかかれなくなっています。  貫構造は、しっかりとした施工をすれば在来工法に劣るものではないのですが、それを知っている職人や設計士がいなくなっているのが現状なのでしょう。

tomobooo
質問者

お礼

お礼が遅くなって申し訳ありません。 「在来工法」は「伝統構法」ではないのですね。 力に対抗するのではなく、力を逃がすことを考えた工法だと 捕らえると、貫が通し柱を貫くのもなんとなくですが解るような 気がします。深いですね。 詳しい説明、どうもありがとうございました。

その他の回答 (1)

  • mak0chan
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回答No.2

貫の語源はそのとおりでしょう。 とはいえ、木造在来工法ではなく、建築基準法が制定される以前の建物に見られた、木舞壁を構成する手法です。「伝統的建造物」と言えばかっこいいのですが、昭和 30年代はじめぐらいまでは、民家でも普通に見られた工法です。 そんな時代ですから、構造計算などというものはしていないでしょう。ただ、経験的に柱と貫の太さの関係を見いだしてきたのだと思います。 阪神大震災では、これらの建築基準法制定以前の建物の被害が、やはり大きかったですね。 反面、太い心柱を持つ五重塔に、きわめて耐震性があることは、現代の建築工学でも証明されています。これなども構造計算うんぬんではなく、経験の積み重ねによるものでしょう。

tomobooo
質問者

お礼

回答ありがとうございます。 経験からくる計算には頭がさがります。 図面も無しで建てていたそうですね、今ではとても 考えられませんね。

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