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固体や気体には弾性があるみたいですが液体には弾性はあるんですか?私は気体には弾性はないと聞きました・・・。あと、弾性にはエネルギー弾性とエントロピー弾性の2種類があるっていうのは本当ですか?
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(1)液体には弾性はあるか 液体には弾性があります。弾性といっても、液体は変形(ひずみ)を蓄えることができないので、「圧力が高くなると、体積が縮む」という意味です。水の場合は、0℃、1気圧付近では、1気圧の圧力上昇につき2万分の1ぐらい体積が縮みます。 (2)上の現象とはメカニズムが全く異なりますが、高分子溶液・高分子融液などでは、液体が粘性と弾性を同時にもっていることがあります。粘弾性体といいます。急激な変形に対しては弾性体として振る舞い、ゆっくりした変形に対しては流動します。鶏卵の白身、納豆のねばねばなど、糸を引く液体は粘弾性体です。この弾性は、エントロピー弾性です。 (3)気体については、シリンダに入れた気体をピストンで圧縮するような場合を考えると弾性体と見なすことができます。 (4)粒子(原子、分子、イオン)は互いの位置関係でエネルギー(ポテンシャルエネルギー、位置エネルギー)が変わります。応力がかかっていないときは最もエネルギーの低い位置関係になっていますが、応力をかけると位置関係が変わり、よりエネルギーの高い状態になります。変形に伴うこのようなエネルギー変化によって生じる弾性をエネルギー弾性といいます。金属のバネの弾性はエネルギー弾性です。 (5)粒子は熱運動しています。熱運動が原因となる弾性をエントロピー弾性といいます。気体を圧縮すると圧力が高くなりますが、その原因は(4)のポテンシャルエネルギーではなく、気体分子の熱運動です。つまり、気体の弾性はエントロピー弾性です。ゴムの弾性もエントロピー弾性です。ゴムを作る分子は長い高分子で、熱運動によって《分子が丸まる》傾向を生じます。これが、引っ張ったときに張力を生じる原因です。 エントロピーは熱力学量の一つで、分子の運動の自由さに関係しています。気体を圧縮したり、ゴムを引き伸ばしたときは、熱運動が制約されるため、エントロピーが減少します。その結果、エントロピーを大きくする方向の力を生じます。これがエントロピー弾性と呼ばれる理由です。
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