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営業権の相続についての同意書とは?相続手続きをスムーズに進める方法
- 祖母が経営していた民宿の相続について、おじが営業を継続したいため同意書を作成してもらいたいと考えています。しかし、一部の土地を兄弟に相続することになっており、同意書にサインすることで兄弟が土地の相続を放棄することになってしまうのではないかと心配しています。
- 同意書の提出期限が死後60日以内であり、期限内に提出しなければ営業の申請をしなければなりません。そのため、おじは早めに同意書を作成しサインをしてもらいたいと望んでいます。
- この同意書は土地の相続に関わらず営業権の相続についての合意を示すものです。しかし、法的な拘束力があるかどうかについては確認が必要です。
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1.民宿の営業には、食品衛生法により知事(保健所)の許可が必要ですが、「相続があったときは、相続人(相続人が二人以上ある場合において、その全員の同意により当該営業を承継すべき相続人を選定したときは、その者)は、許可営業者の地位を承継する。許可営業者の地位を承継した者は、遅滞なく、その事実を証する書面を添えて、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。」(食品衛生法53条から抜粋)と規定されています。 2.この届け出には、「相続承継届出書」「食品営業許可に係る相続同意書」「戸籍謄本」「現許可証」が必要です。この「相続承継届出書」には、「相続開始の日付」を記入することになっていますから、届け出をすれば、この営業者の地位は弟さんが相続したことになります。 3.しかし、これをもって全ての遺産の相続が完了したわけではありません。弟さんは、営業者の地位だけを相続したと考えてよいでしょう。なぜなら、「相続承継届出書」に、全ての遺産に対する「遺産分割協議書」の添付は必要ないからです(不動産の相続登記の場合、この協議書が必要です)。 4.民宿の土地や建物については、営業許可とは別に、遺産分割を行うことになります。ですから、その他の遺産については、例えば、お兄さんが民宿の土地、建物を相続し、弟さんがお兄さんから賃借して民宿を続けることも可能です。もちろん、弟さんが土地、建物を相続する場合や、土地はお兄さんで、建物は弟さんが相続することも可能です(なお、共有は後々、権利関係が複雑になるのであまりお勧めできません)。 5.食品衛生法では「遅滞なく」届け出を義務づけていますから、弟さんが民宿を続けられ、それをお兄さんも認めているのなら、同意書に署名されたらいかがでしょうか。民宿の土地、建物の所有権の相続は、この同意書に拘束されないと思います。
お礼
大変詳しいご説明ありがとうございます。 同意書の期日が迫っていますので、早速この事を当人に 教えて、署名をお願いしようと思います。 本当にありがとうございました。