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京極夏彦「魍魎の匣」を読んだ方へ質問
最近読んだのですが、疑問なところがあります。 終盤、久保の両手足が町田(美馬坂近代医学研究所の近く?)で発見されますが、 これは何の為だったのでしょう。 他のバラバラ殺人の被害者については久保が匣に詰め、 ぴったりと合う場所に遺棄した…というのは 彼の特殊な性癖(?)によるものとして一応納得できるのですが、 久保については美馬坂(?)が犯人ですよね。 実験中の美馬坂が棄てに行ったとは考えにくいので 実行犯は技師の甲田くらいしか居ないと思うのですが、 後に甲田の口から、久保を実験体にする事に良心の呵責を感じているような 記述はあるものの、遺棄については一切触れられていません。 美馬坂にしてみれば久保を発見されるのは避けたかったはずなのに、 どうしてわざわざ研究所内に隠さずに棄てに行ったのかが疑問です。 甲田が犯罪の発覚を促すためにわざわざ棄てに行った…という解釈も できなくはないのですが、京極堂達が踏み込んだ事で終焉を感じ自殺をはかる… というくだりからは、かなり苦しい解釈だとも思います。 全編通してひっかかりを感じる事なくスラスラ読み進めていけたのに ここだけがどうしてもスッキリしません。 独自解釈でも結構ですので わかる方がおられましたら教えて頂けると幸いです。
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これはズバリ、ラスト近く久保の独白部分(文庫版だとP.1023・16行目とP.1024・14,15行目)に書かれています。 ご承知のとおり「武蔵野バラバラ事件」は全部久保の仕業ではなく、最初の手足は美馬坂の手術によって廃棄された加奈子のものです。 久保が捕まる事によってこれが明るみに出ると、美馬坂は研究を続行できなくなる。彼としてはそれが一番痛い。 つまり久保の願いを聞いてやったわけではなく、単に新しい材料の久保の「廃物」を利用して「新たな被害者」と「真犯人」をでっち上げ、煩わしい警察の目を遠ざけたかったのです。 また久保の手足が遺棄されたのは町田であり、確かに命令されたものの研究所を余り離れられない甲田が近場に捨てたと考えられます。 しかし久保による他の手足の遺棄場所も調布・登戸・多磨霊園・車返・芦花公園などである点を考えれば、特に久保の手足だけが「美馬坂研究所から出た」と絞り込まれる恐れはなかったと思われます。 なお「鬼一口」「絡新婦の理」「小袖の手」「狂骨の夢」も魍魎の事件に関わっています。(列記は事件に関わった時系列順) 御再読あれ。
- smoon
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No.1です。 今、該当部分だけ読み返しました。 668頁以降です。 これによると美馬坂は久保のために自分に不利なことをした訳ではなく、 生体実験の材料にするために久保をいいように言いくるめたような感じです。 本文の『美馬坂幸四郎は自らが望んだ永遠の命の実験材料に咬み殺されてしまった。』というあたりからも読み取れます。
- smoon
- ベストアンサー率33% (23/69)
的外れな回答だったら申し訳ありませんが投稿させていただきます。 あれは、久保自身がバラバラ殺人の被害者になることで容疑者から外れる、という目的で行われた作業だったと思います。 久保は自分が犯人であると認めたくない(知られたくない)ために自分もこれまでのバラバラ殺人の犯人にやられた、ということにして罪を逃れようとする、という感じの会話(?)があったように思います。 なので手足は発見されないと久保が被害者になれないので 隠してはいけなかったんではないでしょうか。 うろ覚えなので変な回答だったら忘れてください。
お礼
回答ありがとうございます。 割とよく話題に出る本なのに長いことノーリアクションだったので、 みなさんどういう解釈で読んでおられたのかなぁと気になっていました。 確かに認めたくないというようなくだりはあったのですが、 久保自身はバラバラにされる当人なので棄てに行くことはできないし 美馬坂が見ず知らずの、それまで何の交流もなかった久保の為に 自分の目的にとっては不利になる行為をするというのが解せません。 私はこの本以外の京極堂シリーズを読んでおらず、 ひょっとして他の巻でこれを解くエピソードが出てるのかなぁなどと ちょっぴり期待していたのですが…。
お礼
ご確認頂きありがとうございます。お手数かけます。 ええ、ですので、美馬坂は自分の実験の為に久保の手足を切ったのはわかるんですが、それをわざわざ棄てる必要はなかったと思うんです。久保を言いくるめたとしてもそれを実行する必要はなかったわけで…(久保は既に箱の中で動けませんし)。少なくとも手足が発見されなければ、あんなに早く研究所に踏み込まれる事もなかったでしょうし、そのリスクを犯してまで何でわざわざ棄てたのかな?と、そこがわからないところなのです。