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研修期間中の賃金返還を請求されています
お世話になります。 妻が、以前勤めていた会社から一年分の賃金を返すようにいわれて困っています。 妻は退職前の一年間、社外で研修を受けていました。この期間は有給で、公的な研修機関であったため研修費用は無料、自治体から補助金が会社に支払われています。研修中に私と結婚、妊娠したため、「研修終了後数ヶ月働いた後に産休・育児休暇を取り復職したい」旨申し出たところ、それは困るといわれ、妻としては働き続けたかったようなのですが、結局会社をやめることにしました。 退職の手続きの中で、「研修中の一年間は働いていないのだからそのときの給料を返還してほしい」といわれたのですが、一年分の給料相当の金額は払えないといって払いませんでした。 退職後、一年分の給与は不当に得た利益であるので、返還せよと賃金返還を求める訴えを起こされました。 いろいろと調べてみたのですが、研修にかかった実費相当は返還しなければならないことがあるのはわかったのですが、賃金の返還についてはわかりませんでした。 賃金返還が認められると我が家の家計では到底払うことはできないのですが、弁護士費用もかなりの打撃になっています。 個人的にはこのような訴えは嫌がらせのように思えるのですが、弁護士さんいわく民事は何でもありとのこと。 そこで質問ですが、以下2点です。 1:このような研修中の賃金の返還について、払わなければいけないのでしょうか。判例等あれば教えてください。 2:このような嫌がらせ(と私が思っている)に対して、弁護士費用相当を会社に損害賠償請求して認められることはあるでしょうか 以上、よろしくお願いします。
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私見として述べますが、お付き合いください。 まず、今回、会社側が賃金分を請求した背景について、直感的に感じたのは、(1)支給根拠のない賃金を支払った総務の役員、管理職が責められた (2)自治体からの助成金につき返還命令が出たが、支払科目がないか、使ってしまったから返せない・・・あたりではないかと。つまり、約1年に渡り賃金を支払っていたなら、会社側の重大な過失です。しかも自治体から「会社に」助成金が出ている以上、業務に密接に関連しています。スキルアップのための助成なら、原則的に本人に出ます。理由は本人の賃金保障がないから。つまり、この点でその研修が会社の指示によるものか、本人の希望によるものかで違うと考える余地はほとんどありません。 しかし会社側は何らかの理由で賃金返還を訴えて訴訟にした。根拠は民法703(不当利得)と、民法704(悪意の受益者の返還義務)を軸に論戦をしていると思います。しかし、賃金は賃金。不当利得と言いたくなる払い方を1年に渡ってしたのは会社側の過失なんです。 確かに、退職勧奨の経緯にある、通勤が不便となり就業に耐えられない、満足な労務の提供ができないとする会社側の言い分にも一理ありますが、逆に慰留していないのも事実と思う以上、会社側の論拠の薄さを感じます。ただ、出産後に復職している例があるとのことから、この筋で追い込むのは難しいと考えます。 なお判例ですが、前回指摘したように、賠償予定禁止(労基16)の事案ばかり。業務との関連性が強く、留学・研修について労働者側の裁量が少ないものは業務の一環であり、法16に抵触するが、逆のものは賠償予定の契約があっても、留学・研修費用を貸付金とみなして、その返還命令をしているものもあります。 最近の費用返還請求事件としては、長谷工コーポレーション事件(東京地裁 平成9.5.26判決)、富士重工業事件(東京地裁 平10.3.17)、新日本証券事件(東京地裁 平10.9.25)、野村証券事件(東京地裁 平14.4.16)あたりでしょうか。 なお、視点を変えて。 会社側が既払の賃金返還請求をしてくる訳ですから、順当に賃金減額の遡及適用の是非を検討すべきと思います。多少、前提条件が違いますが、北海道国際航空賃金等請求事件(最高裁第一小法廷 平15.12.8 平成15年(オ)996号事件 // 原審 札幌高裁 平15.3.27判決 平成14年(ネ)516号事件)の内容が参考になるかも知れません。 個人的には会社が賃金として、つまり業務に関連していることを認めながら払い続けたものを返せという論理が知りたいと思います。普通は請求できるモノではない。 参考となるドンピシャの判例があればよかったのですが…賃金返還は訴訟自体になりにくいように思います。 後は、弁護士さんとじっくり煮詰めてください。 思う結果が出ることを願っています。 以上、ご参考になれば幸いです。
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- mach_me
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私自身は法を刑事からとらえる立場ですので、民事訴訟について断定的なことを言えないのですが。 本件訴訟が嫌がらせである、とのことは心情的に理解できます。そして実際もそうである可能性が高い。しかし同時に述べられているように立証が困難でもあります。これは世の中の紛争にも共通することですよね。そして、素人が訴訟を闘うために代理人弁護士を立てることも、やはり個人の任意なんです。パソコンが壊れた時に自力で直すか、修理に出すかの選択と同じ。弁護士費用云々に縛られず、逆に提訴できるネタがあるなら、受任された弁護士さんに相談、お願いするのが妥当と思います。 退職金の支払や離職票のことなど、会社側に悪意があるのか、単に抜けているのか、資力が弱いのかはわかりませんが、今回の訴訟の件も含め、根深い確執があるか、よほど偏執的な姿勢の者が相手側にいるような気もします。 サイトで相談するのもセカンドオピニオンを得る機会ではありますが、受任された弁護士さんに忌憚のない意見を述べて進まれることの方が大切。具体的な個別事案の理解度がぜんぜん違いますから。弁護士なりの戦略や方針をもっと突っ込んで尋ねる必要性を感じます。頑張ってください。
お礼
アドバイスありがとうございます。 当面は賃金相当分の返還が認められないよう、夫婦ともども弁護士さんと相談しながらがんばってみます。
- mach_me
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弁護士が既に受任している民事訴訟の当事者に、他所の団体、弁護士を紹介するなんて常識外、無茶苦茶だわ(笑) しかもご紹介の事案、賠償予定禁止(労基16)の事案。構成要件として、先に違法な賠償契約の締結が必要です。明らかに前提や退職の経緯なども違い、筋違いです。 まず、賃金が1年間払われた理由です。年次有給休暇の日数を超えていますから、会社として休職扱いにして、何らかの理由で払ったのか、または出勤扱いで賃金として支払ったのか、どうでしょうか。前者の場合、その支払名目や理由で、払われた金員が賃金(労働の対価)なのか、他の性質の金員なのかが変わると考えます。つまり本当に賃金として賃金らしく払われたのか、さらに前例がないかです。 次に、過去の民事の判例では、海外研修に出した社員の研修費について、労働者が帰国後に同業他社へ転職したものがありますが、これも研修費の返還請求のみだったと思います。賃金の返還請求事案が少ないのは、支払われた金員が、税法上、また社内的に賃金として鉄板の処理をされた場合、争いの利益が見込めないからではないかと。過去の事案では単にそうだったように思います。 また、同種事案で係争まで発展するのは、前段記載のとおり、労働者側の自己都合退職、転職による場合です。今回は、産休・育児休暇といった法的に問題のない請求に対して、会社側が退職勧奨して退職に至っていますから、会社側の言う不利益は、会社側の退職勧奨に起因するものと言えます。つまり、妻の退職が会社側の退職勧奨に拠るものであり、その退職勧奨の理由が出産と産休、育児休業の請求にあると立証できるかが争点に影響すると考えます。妻の場合に、また前例としてこの会社では妊娠すると退職勧奨されることが、立証できるでしょうか。 類似判例の選択肢が変わりますので、補足願います。
補足
ありがとうございます。補足します。 賃金が払われた理由について: 具体的に何がどうなっていたら「何らかの理由」で、どうなっていたら「賃金」かがわからないのですが、わかる範囲で説明させていただきます。少なくとも私(我々)は賃金だと思っているのですが、それまでどおり銀行に振り込まれていました(給与明細もそれまでどおりです)。税金は給与所得として源泉徴収、年末調整されています。また、先輩方は同様にその研修を受けているようなのですが、すぐに退職された方はいないようです。(的外れでしたら指摘してください) 退職推奨について: 私と生活を始めるにあたって、住居が勤務地と離れてしまうため、子供の保育環境を考えても確実に復職できる状態とは考えられないので認められないといわれたとのことです。産休・育休後に復職する方は多いようです。 以上、よろしくお願いします。
その研修が会社の指示によるものか、本人の希望によるものかで違ってくると思われます。 煮たような事例がありますから、下記のペー゛をご覧ください。 http://www.it-planning.jp/It110/faq120.htm なお、労働相談センター(参考urlをご覧ください)に、顧問弁護士がいてメールや電話による相談んが出来ますから、一度相談してみましょう。
お礼
回答ありがとうございます。
補足
研修にかかった実費についてはいろいろな条件を勘案して返還しなければならない場合もあるようですし、返還しなくてもよい場合があるようですが、賃金の返還まで求めているものはないようです。 また今回の研修については業務命令があったのかなかったのかもよくわからないということです(行ってらっしゃいと上司から言われただけで書面での指示はない)。この研修については入社前に数年間の勤務後には行ってよいという約束(これも口頭のみ)をとっていて、そのとおり数年勤務後に研修を受けています。研修の内容自体は会社の業務に直結した内容になっています。
お礼
詳細に論点を整理していただきありがとうございます。大変参考になりました。
補足
賃金返還が訴訟自体になりにくいということで、判例もないのかなと考えています。しかし、本案件が新規のカテゴリーの判例になるのかな?とも考えています。 もう一点、もし、賃金返還請求自体の理由が嫌がらせである場合は弁護士費用を損害として賠償請求できるものでしょうか?(どうやって嫌がらせかを証明するのは難しいのかもしれませんが)。弁護士をつけること自体が自由意志の範囲で損害にならないとの考えがあるようですが、法律に関しての素人が、会社(の弁護士)と対等に争うには弁護士さんに依頼するのは自然と思うのですが、このあたりはやはり無理なのでしょうか。 ちなみに退職金を払っていただくにも弁護士さんに仲介していただかなければ払っていただけない状況でした。(離職票上の勤続年数も危うく1年減らされるところでしたが、断固とした態度で臨むようアドバイスした結果、何とか実際の勤務どおりの勤続年数の離職票を得ることができましたが。) 以上、補足です。