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トランジスタの最大コレクタ電流と周囲温度の関係

トランジスタのデータシートにて周囲温度における最大コレクタ電流の変化のデータが載っていなくて、設計しているコレクタ電流にあったトランジスタの選択に困っています。 周囲温度25℃の場合のデータは載っているのですが、周囲温度60℃の時などは最大コレクタ電流には変化はないのですか?

質問者が選んだベストアンサー

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回答No.6

 僕は電子系の学生です、去年ちょっとした改造で、高温でのトランジスタをやったんで、答えることができます。まず、許容最大ジャンクション温度Tjは、トランジスタのデーターシートに必ず書いてあります。シリコンでは最大150℃が多いんですが、古いエポキシ樹脂のパッケージでは最大125℃もあります。下図は2SK30Aです。http://ssro.ee.uec.ac.jp/lab_tomi/cct/onepoint/2sk30a/pd-ta.gif 去年僕が使ったのは最新のいいトランジスタで、確か最大240℃でした。選定する前は仮に150℃で計算して、決まったあとデーターシートで確認しましょう。僕もそう教えられました。  計算は、上図のような直線なので超簡単です。許容値がゼロの温度が、最大許容ジャンクション温度です。これをTjとし、25℃をToとし、Toにおける許容値をPoとします。 温度Tに於ける許容値 P は、P=Po(1-(T-To)/(Tj-To))より、  P/Po = (Tj-T)/(Tj-To) となります。Tj=150℃,To=25℃とすれば、25℃での値を100%として  30℃ 96%  60℃ 72%  90℃ 48%  120℃ 24% となります。60℃の72%から、25℃では 1/0.72=1.4倍です。電力=電圧×電流なので電流も同じ比率です。  ジャンクションが一定の高温150℃になっていて、それと周囲温度の差で熱流が生じるという説明では、周囲温度によって熱抵抗が変化することになり、事実に反します。ジャンクション温度は人間の体温のようなものでは無いんです。  正しくは、ジャンクション温度はパッケージ表面温度の変化に平行して上下します。例として25℃に於いてTj=50℃であるとすれば、パッケージ表面温度が10℃上昇すれば、Tjも10℃上昇して60℃になるだけです。  パッケージ表面温度と周囲(外気)温度との関係は、空気の流れや放熱板で決まります。良好な放熱が行われれば、パッケージ表面温度≒周囲温度です。  ジャンクションの温度について僕が習った例え話では、家の中に電気ストーブがあるのです。家の外の温度が上下すれば、室温も平行移動するだけです。ジャンクションの電圧(約0.6V)と流す電流の積が電気ストーブの消費電力です。

gonbut
質問者

お礼

丁寧な説明ありがとうございます。 数点選定しているものがあるので、その中から上記のようなことを気にしながら選んでいきたいと思います。 また、たくさんの回答ありがとうございました。

その他の回答 (5)

  • tocoche
  • ベストアンサー率36% (65/180)
回答No.5

半導体の接合部温度(Tj)と周囲温度の差で放熱量が変わりますから、単純な計算ならTj=150℃でコレクタ電流が同じ場合、周囲25℃なら150-25=125℃分の熱量が放熱されますが、周囲60℃だと150-60=90℃分に減ってしまうので、コレクタ電流も25℃のときの90/125=0.72倍以下にしないと、トランジスタが焼けてしまうことがあります。 他にも強制空冷(風)があるか、密閉か開放か、放熱板の特性やトランジスタと放熱板の接合部によって影響があります。 実際に周囲60℃でパッケージ温度を測って、規格内におさまっているかどうか確認することをおすすめします。

  • b962a
  • ベストアンサー率0% (0/1)
回答No.4

半導体は温度特性を持ちます。 で、質問の回答を率直にしますと最大コレクタ電流 は温度により変化します。

gonbut
質問者

補足

ご回答ありがとうございます。 下にて補足させていただきましたが、周囲温度の60℃と高い時に、最大定格コレクタ電流が下がってしまうのならば、周囲温度25℃の最大定格コレクタ電流の1/2で駆動するのでは安全性が保てないのでは?ということを思い質問させていただきました。 やはり変化するのですね。 やはり最大定格が下がるのでしょうか? もし下がるのであるならば、一般的なNPNトランジスタでは、周囲温度60℃ではあどのくらい下がるのか解かりますでしょうか? 何度もの質問で申し訳ありませんが、ご回答よろしくお願いいたします。

回答No.3

 現在大学4回生で卒業研究でトランジスタのhパラメータ測定と温度特性を行いました。小信号用npnトランジスタを用い、トランジスタの周囲温度を常温(25℃),50℃、80℃の3点に設定したとき、ベース電圧を調節しベース電流、コレクタ電流の変化を調べました。若干温度が上がると電流も増加していましたが、内部の回路が壊れるほどでもなく、60℃の場合でもあまり変化が見られないと思われます。  また常温、60℃で同じ電圧値のとき電流の増加を抑える機構に電圧帰還バイアス回路というのがあります。エミッタ接地でエミッタ側にコイルとコンデンサを接続すると電流の増加が抑えられます。

gonbut
質問者

お礼

ご解答ありがとうございます。 申し訳ありませんが、求めていた質問内容とはちょっと違うようです。 周囲温度の60度と高い時に、最大定格コレクタ電流が下がってしまうのならば、周囲温度25度の最大定格コレクタ電流の1/2で駆動するのでは安全性が保てないのでは?と思い、質問させていただいたのですが、私の説明が足らなかったせいですね。 申し訳ありませんでした。

回答No.2

 現在大学4回生で卒業研究でトランジスタのhパラメータ測定と温度特性を行いました。小信号用npnトランジスタを用い、トランジスタの周囲温度を常温(25℃),50℃、80℃の3点に設定したとき、ベース電圧を調節しベース電流、コレクタ電流の変化を調べました。若干温度が上がると電流も増加していましたが、内部の回路が壊れるほどでもなく、60℃の場合でもあまり変化が見られないと思われます。  また常温、60℃で同じ電圧値のとき電流の増加を抑える機構に電圧帰還バイアス回路というのがあります。エミッタ接地でエミッタ側にコイルとコンデンサを接続すると電流の増加が抑えられます。

回答No.1

 現在大学4回生で卒業研究でトランジスタのhパラメータ測定と温度特性を行いました。小信号用npnトランジスタを用い、トランジスタの周囲温度を常温(25℃),50℃、80℃の3点に設定したとき、ベース電圧を調節しベース電流、コレクタ電流の変化を調べました。若干温度が上がると電流も増加していましたが、内部の回路が壊れるほどでもなく、60℃の場合でもあまり変化が見られないと思われます。  また常温、60℃で同じ電圧値のとき電流の増加を抑える機構に電圧帰還バイアス回路というのがあります。エミッタ接地でエミッタ側にコイルとコンデンサを接続すると電流の増加が抑えられます。

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