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地下水の温度は深さで変わる?
先日、ボーリング業者と温泉の話をしていたら、 「大気は上昇すると温度が低くなるように、地下水は下降するごとに温度が高くなる。 だから、深く掘れば温泉でなくても温かい地下水が出る」 と言っていて、なるほどと思ったのですが… あとになって考えてみたら、ポンプで汲み上げることで上昇による温度低下があるのでは?という疑問が沸いてきました 真相はどうなのでしょう?
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それは地下増温率というものですね。 一般的には、3度/100mで上昇しますから、 地下1000mでは地表より、30度は高い温度になります。 そこに熱源と水があるとして、それを閉塞された管の中で地表まで引っ張ってくると、 おおよそ1度/100mの率で下がります。 閉塞されていない場合、 地下は高温でも、途中で温度の低い水の影響で地表まで上昇してくる温泉温度は低くなったり、 若い堆積岩などを厚く挟んでいたりすると、 地表からいくら掘っても温度は上昇しない、結果的に低い温度の水しか得られません。 また、大量にくみ上げると、地下水位が低下し、水源の枯渇と低い温度の水を引き込むことがあり、これも温度低下を招くことがあります。
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結論から言うと,これまでお答えの方のように温度低下はあります. ご指摘のように,「地温」は深くなると高くなるというのが一般的です.地面の近く,深さ10mくらいまでは気温の上下にともなって地温も変化する(ただし気温と「同時に」とは限らないけど)のですが,10mくらいになるとその変化も少なくなり,地温は地表の年平均気温と同じくらいでほぼ一定となります. 問題はそれより深いところの地温でして,これは「相場」でいうと100m深くなるとおおむね3度ずつ上がってゆきます.つまり,1000m掘ると,おおよそ平均気温プラス30度の地温となるわけです.そして,その深さ地温と同じ温度をもった水をくみ上げるなら(水があるのなら,ですが),その温度の水をくみ上げられるかも?と大いに期待できるのです.この熱のおおもとは,一般用語でいうと「地熱」でして,その原因は,これまでお答えの方の通りです. が, 実際掘ってくみ上げて得られる水の温度についてははなかなか計算どおりにはならず,くみ上げによる温度の「損失」というものが起こります.この起こり方は一筋縄ではいかないのですが,経験式として, 「(地表面平均気温に対する)実際の温度上昇量」イコール「期待される温度上昇量」×「0.7~0.9」 という式が作られてきます.この「0.7~0.9」は「損失係数」というものです. 下記のサイトでは,この損失係数をβで表記しています. http://geo.sc.niigata-u.ac.jp/~earthquake/rep/04/wat1124/wat1124.html http://www.media-yoshida.co.jp/tisui/e_and_w/no25/05.html そして上記サイトにもあるように,期待されるより高い温度の水が出てくることがあります(温泉営業の立場としてはうれしい限り?).これはその深さの地温というよりはもっと深いところの地温を反映している水である場合がありまして,だからこそ地下の地質構造を読み取る鍵にもなるわけです. なお,(大気の温度に関する)断熱減率というのは,まず乾燥断熱減率に関しては気圧の差により生じるものです. 分かりやすさを優先してぶっちゃけた言葉で説明しますと・・・:気圧が低い,つまり高度が高いところまで空気のカタマリ(空気塊)が移動したとすると,気圧が低くなるためその空気塊は膨張します.この膨張を生み出すエネルギーは外から与えられるのではなく「自前」で生み出さねばなりません.というわけでその空気塊は自分の温度を「消費」してその膨張を行なう結果,温度が下がるというわけです.それが,100mあたり何度であるか,というのが(乾燥)断熱減率です(対流圏では1度くらい). 一方,湿潤断熱減率のほうは,雲が生じるなどといった現象,つまり空気塊に含まれる水蒸気の凝結がもし起きたときのの話となります. 水蒸気の凝結にともなって熱が「生産」されるので,乾燥空気塊に比べれば温度の低下が少なくてすむ,という話になります.大気下層では0.4~0.5度といったところでしょうか. いずれにしても,深さに対応する地温や地下水温度の変化と,大気の(高度に対応する)温度の変化は,起こるメカニズムがまったく違っているというわけです.
お礼
ありがとうございます ボーリング業者がいい加減なことを言っていたということまで判り、助かりました
- jun1038
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こんばんは。 ○地下の温度上昇は、基本的に地下深部からの熱の供給(地殻熱流量)によるものです。地球内部は、地球生成時に発生した熱の残りとその後の放射性元素の崩壊熱により数千度の高温になっており、その熱が少しずつ流れ出してきているのです。 ○地下深部を掘れば、上述のようにどこでもたいてい高温ですが、どこでも温泉が出るわけではありません。水が出るためにはやはり地下水脈があることが必要で、ボーリングしても「はずれ」という場合もあります。 ○海水の熱の供給は、基本的に太陽からの放射熱です。ですから海水は(太陽に近い)表面のほうが温度が高い構造をしています。海洋底からの地殻熱流量による熱の供給もあるのでしょうが、太陽からの熱に比べて非常に小さく、また海洋水はどんどん循環するので、結果として上のほうが温度が高くなります。 ○水は、熱容量が大きな物質です。簡単に言えばさめにくいものです。ですから、地下から汲み上げてきてもほとんど温度は低下しません。空気塊の上昇によりその温度が低下するのは、基本的に気体の断熱膨張によりますが、水は液体なので断熱膨張による温度低下は無視して構わない程度と思われます。 それでは。
お礼
詳しい説明ありがとうございました
地下1000メートル程掘ると、水温は30度以上になります。温泉の定義は25度以上の水なら温泉ですから、必ず温泉が出ます。 10メートル程度だと、その地域の年平均気温の温度の水が年中出ます。 ポンプでくみ上げると少しは温度が下がりますが、大量にくみ上げればあまり温度は下がらないと考えてよいと思います。
補足
ご回答ありがとうございます 大気の高度よる温度差を(乾燥または湿潤)断熱減率というらしいのですが、 そのようなことが地下水にも起こるのかということが知りたいのですが、いかがでしょう? 地下水の温度上昇は高低差からくるものなのか、地殻の熱によるものなのかが知りたいわけです また、それが海水にも適用され、深度が深いほど水温が高くなるということがあるのか?なんてことまで知りたいわけです 地殻の影響ではなく高低差が原因だとすると、地下水と同じく海水も深度1000mで30℃になるのでは?なんて考察も成り立つわけですよね
- choijiwoo
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おっしゃるとおりです。 温泉は、源泉から隔たるほど、外気の影響で湯温は下がります。
補足
早々のご回答ありがとうございます 「(外気に触れない)地下水は、地下深くなるほど温度が高くなる」というボーリング業者の話はどうなのでしょう?
お礼
地下増温率d(^-') その言葉が知りたかったのです キーワード検索でいろいろ調べてみたいと思います ありがとうございました