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ガスクロで出てくる無機ガスの%って?
ガスクロを触り始めたばかりの者で、おかしな質問かもしれませんが(質問して大丈夫かなあ?)、よろしくおねがいします。無機ガスの組成はよく%で表示されていますが、何の%なのでしょうか?分圧、体積、質量、などなどあると思いますが、普通、どれなのでしょうか?検出器はTCDで、カラムは分流方式の充填カラムです。よろしくお願いします。
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こんにちわ。 >>無機ガスの組成はよく%で表示されていますが、何の%なのでしょうか?分圧、体積、質量、などなどあると思いますが、 済みません、以下のどちらの値でしょう。 1.どこかに載っている、とか誰かが発表した、とか誰かが分析した、とかの時に使っている値のことですか。 2.分析して積分器からチャートと一緒に書き出される、あるいはコンピュータ内に取り込まれた一時データからの積分値の百分率として画面に現れる値。 1.それらは通常分圧の%であり、同意味ですが圧力一定でそれぞれの占める体積比の%表示です。それは同時に各分子の占めるモル比でもあります。質量比である場合は、それぞれの値を各分子量で割ったものの比に直すとそれが成分のモル比になります。 2.TCD(Thermo Conductivity Detector)熱伝導率式検出器、は通常使用される流動相(キャリア(ガス)、carrier)であるヘリウムの熱伝導度が他の気体(その温度で気体であれば常温で固体でも液体でも良い)に比べ高い熱伝導率を持つことを利用しています。検出器には白金コイルが通電してあり発熱しています。ヘリウムが通過しているときは熱平衡になっています。ところがここに他のガスが混じるとその気体はヘリウムより熱伝導率が小さく、発熱量に対し発散する熱量が下がるためコイル自身の温度が上がり、コイルの抵抗が上がります。電子回路がこの平衡からのずれを検知し値を出します。これがピークの山の高さとなります。この高さを時間積分した物がピーク面積で、ヘリウム以外の気体の量に比例していると考えられています。 ここで問題なのが「熱伝導率」は「気体によって異なる」という事実で、例えば水素はヘリウムより伝導度が高いためマイナスの値になってしまいます。 ですのでガス量の測定の時には予め「検量線用」の「標準混合資料」を用意し、しかもその注入量を変えるか、ヘリウムとの混合比を変えた「検量線用ガス」を作り「常に同じ量注入する」ことで感度の検量線を作っておきます。この検量線を積分器あるいはコンピュータソフトに覚えさせておけば、得られる積分値の比率はモル比になります。 なお基準ピークがある方が良い場合内部に初期モル濃度の(あるいは初期モル比の)分かった不活性ガス(アルゴン、時には窒素)を含ませておき、このピークに対して他の成分の濃度がどの様に変わるか見る方法が非常に良く用いられます。内部標準は既知量(体積*圧力、室温)のサンプルガスに対し、これも既知量(同)添加する方法でも加えることができます。この場合の処理では、積分器あるいはソフトに内部標準ピークの位置と大きさを記憶させておき、それを除いたピークに上記検量線から求めた量相互の比率を計算させます。詳しくはマニュアルを見てください、ってガスクロメーカーのソフトのマニュアルは、少なくとも以前は、ひどく分かり難い代物だったけど、大丈夫かなー。(--; 最後に、水素やヘリウムの定量の時には流動相(キャリア)をアルゴンにするなどの工夫がされることがあります。 TCDの基本はあくまで「熱伝導率の差」なので水素炎検出器(FID)のような完全なゼロは無いのです。 <(_ _)>
お礼
とっても詳しい解説ありがとうございました!よく分かったので、ようやくちゃんとした実験に踏み出せそうです。ガスクロくんを可愛がっていきたいと思います。