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波の回折についての質問

 回折についてわからない事があります。  波の進行方向に障害物が存在すると、波は障害物の裏側に波は存在しなくなりますが、回折により進行方向より角度θ(障害物側に)だけ波が存在するはずですよね。  そこで質問、波の波長が長ければ、その角度θは大きくなると、書かれていました。それはどうしてですか、お願いします。

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noname#11476
noname#11476
回答No.1

素朴な疑問というやつですね。なかなか教科書にも何故かというのは書いてないことが多くて、いいご質問だと思います。 で実はこういう素朴な疑問ほど説明するのもひじょ~に難しいです。 説明のしかたとして2通りで試みてみましょう。 1.簡単な説明 まず回折という現象は「波」だから起きます。これはよろしいですね。 たとえばこれが粒子(石ころでも良いですが)であればそういうことは起きませんね。 では波長がどんどん短くなるとどうなるでしょう。極限を考えると波長0というのが考えられますね。 でも波長が0の波なんてあるの?そうありません。つまり波長が短くなり最後に0になると波では無くなるからもはや波の性質はありません。 つまり、波長が短くなる=波としての性質が段々と失われてくる という図式が成立するのです。 狐につままれたような説明で申し訳ありませんが。 2.回折現象からの考察 では今度はまともに回折という現象を把握して、その中身から導いてみましょう。 まず必要なのはホイヘンスの原理というものです。これは既にご存知でしょうか? 平たく言うと、幅のある光が進む場合、それは沢山の点光源の集まりとみなすということです。そしてその点光源同士の干渉の結果、直進方向以外の光は打ち消しあい、結局直進していた光はそのまま直進します。 丁度よいサイトがあるので、わからなければ下記をみて下さい。 http://viper.uopmu.ees.osakafu-u.ac.jp/~yabu/soft/java/ さて、ここで壁にさえぎられた場合どうなるかを考えます。 簡単に、いま画面下から上に光が進むとして、壁(Aの部分が壁、Bの部分が壁のないところ)に当たったとします。    壁部分       光が通るところ AAAAAAAAAAABBBBBBBBBB          ↑光の進行方向 ここでもし壁が無い場合は、一番端のBの点(これをB0としましょう)から出て、↑ではなく斜め左方向角度θで進む光は、壁部分の各Aからの光と、他のB点で打ち消されてしまい、B0から斜めに光が進むことはありません。 ところが壁によりAの部分がさえぎられているので打ち消しあいが中途半端になります。つまり他のB点からの打ち消しは出来るのですが、不完全なために斜め方向に進む光が生まれるのです。 これが回折という現象です。 さてそれと波長がどう関係するかを考えて見ましょう。 いまB0から斜めθの角度で距離zだけ進んだところの点Pを考えて見ます。 そして、仮にB0から距離dだけ離れたほかのB点(仮にB1とします)との干渉を考えます。 そして、B0-P点の距離L0と、B1-P点の距離L1を比較してみましょう。 この2つの距離の差dL=L1-L0が丁度波長λの1/2になったときに打ち消しあいがおきます。 そこで式を立ててみると、 dL=L1-L0=√(z^2+2dzsinθ) - z となります。ここでこの斜めの光が打ち消されないためには、 λ/2>dL=√(z^2+2dzsinθ) - z であれば良いわけです。そこでこの式を変形すると、 sinθ<λ^2/8dz + λ/2d という条件式が導かれます。つまりこの式を満足するθの角度方向であれば光が回折して進むわけです。 B点というのは沢山あるので、dという値も沢山あります。 更に言うと、zの値も斜めに進む回折光の進行方向ですから色んな値で上記の式が成立しなければなりません。 いま仮に波長λ=0としてみましょう。すると、sinθ<0となりますが、これはもはやθが正の方向、つまり回りこむ方向には進めないことを意味します。 逆にλの値が非常に大きいと、多少sinθの値が大きくても、色んなdやzの値が来ても上記の式を満足します。 故に波長が長い方が回折角は大きくなるのです。

tommorow
質問者

お礼

 回答をありがとうございました。大変参考になりました。先週の週末に回答をよく読み、理解することが出来ました。参考書では説明が無く、結果だけ書かれていましたので、理論から理解しておかないと、うわべだけ知識となり、何も身に付かないと考えています。今回の回答は大変役に立ちました、ありがとうございました。

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