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腎機能(尿)について
・尿量とGFRの関係について ・尿中の内因性クレアチニン量を測定することにより、な ぜ、GFRを知ることができるのかについて どんなことでもいいので、是非意見を聞かせてください。お願いします。
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血圧上昇がGFRに及ぼす影響ですが、単純に考えると血圧上昇→血液の流量上昇→GFRも上昇となりそうですよね? たしかに一時的にはこうなるわけですが、GFR上昇状態が続くと困ったことが起こってしまいます。 それは、GFRが上昇すれば、原尿となって失われてしまう物質が増加してしまうことです。(ここでいう物質は人体にとって必要な物質のことです。例えばナトリウムイオンなどが代表的です。)人体にとって必要な物質まで尿中に排出してしまうことはきわめて無駄なことですよね?そこでGFRが血圧上昇に伴い、上昇したならば、これを下げてもとに戻す仕組みがあるわけです。 この仕組みはまず、GFR上昇により、原尿中の塩化ナトリウム(つまり食塩)の量が増加することに始まります。 この塩化ナトリウムが増えたことを遠位尿細管にある緻密斑という部分(位置は、参考URLの図を参照)が塩化物イオンの上昇という形でキャッチし、アデノシンという物質を分泌します。 するとこのアデノシンにより、輸入細動脈(位置は、参考URLの図を参照)が収縮し、GFRが下降してもとのGFRに戻るわけです。 結構、複雑な仕組みなので簡単にまとめると、 血圧上昇→GFR上昇→原尿のなかに含まれる物質の量が増える。→原尿中に増えた物質の中でも特に塩化ナトリウムの増加を、緻密斑が塩化物イオンの増加という形で認識する。→緻密斑がアデノシンを分泌する。→アデノシンにより、輸入細動脈が収縮。→GFR低下(元に戻る) つまり、血液が糸球体へと入ってくる入り口(=輸入細動脈)を狭めることで糸球体に流れ込む血液の量を抑え、血圧上昇によるGFRの上昇を是正するということです。
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- lion_tiger
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医学部生のものです。ご質問は、医学の内の生理学の範囲ですね。一応、一般の方向けの形でお答えします。(腎臓の構造は下記のサイトをご覧になってください。ちょっと簡略化されていますので、“腎臓”で検索されれば、もう少し詳しいページもあるかと思いますが。。) まず、GFR(糸球体濾過値)は腎小体(糸球体&ボーマン嚢)において血漿が1分間に濾過されてできる原尿の量を示しています。つまり、尿のもとになる原尿と呼ばれるものが1分間に血漿から生成される量を示します。 GFRと尿量の関係についてですが、GFRが多ければ、単純に考えると尿量も多くなります。(尿のもとになる原尿の量が増加するのですから当然ですね。)しかし、この原尿はそのまま尿になるわけではありません。腎臓の内部の尿細管、集合管を原尿が通っていく間に身体にとって必要な物質(水、ナトリウムイオン、塩化物イオン、カリウムイオンなど)が体内に再吸収されていくことで原尿の量は序々に減少していきます。このことを考えれば、単純にGFRの増減でのみ、尿量を語ることはできません。(例えば、水分の再吸収量の増減は、尿量に大きく影響します。GFRが同じでも、その後の水分再吸収の過程で、再吸収される水分が多いか少ないかでも尿量は全く違ったものとなってきます。) 次に尿中の内因性クレアチニンにより、なぜ、GFRを知ることができるかですが、これにはクレアチニンという物質の性質が大きく関係しています。クレアチニンは糸球体で濾過されたあと再吸収を全くされない物ですので、(厳密には少し再吸収されていますが、再吸収される量と原尿中に分泌される量がほぼ等しく、差し引き0と考えて再吸収されないと便宜的に言うことができます。)クレアチニンの尿中における濃度×1分間の尿量÷血漿中におけるクレアチニンの濃度でGFRが出せるというわけです。(クレアチニンは臨床においてGFRを計測する際に最も多用されている物質です。) 参考までに腎臓における尿生成の仕組みを簡略化して書いておきます。 1、血漿(血液)が腎臓の毛細血管から腎小体(糸球体&ボーマン嚢)へ流入。 2、流入した血漿が腎小体で濾過される。 3、濾過されたもの(=原尿)が尿細管(近位尿細管&遠尿細管)、集合管を通って、この間に必要な物質が体内へと再吸収される。 4、原尿は尿となって、尿管を通って、膀胱へと行く。 5、膀胱に溜まった尿はある程度の量になると、尿道を通り、体外へと排出される。 分かりにくかったらその箇所を指摘してください。補足します。
お礼
とても分かりやすく回答していただき、ありがとうございました。 もう1つ知りたいことがあるのですが、血圧上昇がGFRに及ぼす影響ついて教えていただけないでしょうか?
お礼
またまたありがとうございました。 結構複雑な仕組みなんですね...。自分の身体でこんなことが行われているのかと思うと(・_・;