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日本語の造語力

 現在の日本語は固有の造語力を失ってしまったのではないかと思っています.カタカナ語の氾濫もこのことと関係がありませんか.教えてください.

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回答No.1

 日本語(和語)はきわめて造語力のよわい言葉です。たとえばペンシルを「なまりのふで」といっても長たらしくて意味がよくわからない。電車なんか「いかづちぐるま」になってしまってわけがわからない。一語のイメージがあいまいであること、音節数が多すぎることなどがその主な理由です。  これに反して漢語は豊かな造語力を持っているといえます。ペンシルなら鉛筆となる。みじかくて、すっきりしていて、もとが表意文字だからイメージの喚起力も比較的つよい。やや抽象的で観念的になる傾向はあるにしろ、非常に便利な言葉です。  所謂、明治期の「造語」はこうしたゆたかな漢語のちからを背景にしたものでした。その裏面には、当時の知識人が深く漢文の素養を身につけていたことがあるといえます。  大正期以降、こうした漢学の教養が失われ、それにかわって外来語が氾濫するようになりました。漢語を使いたくても使いうるだけの知識を失い、生活から漢文が遠ざかってしまったのが、カタカナ語氾濫の原因だと思います。日本語が造語力を失ったのではなく、ゆたかな造語力を持っていた日本語の一分野をわれわれが捨ててしまったことがその原因ではないでしょうか。  ちなみに……、郵便制度の生みの親であった前島密はひじょうに日本語(和語)の語感にすぐれた人であったために、郵便行政用語をできるだけ当時流行の漢語ではなく和語で造語しています。切手、為替、消印、振替、受取。いずれも漢語より生活に密着した具体的な感じがつよく、はっきりとイメージを抱くことのできる、しかし響きの簡潔ないい造語です。日本語の造語法としては前島密式がいちばん、二番目が漢語によるもの、ではないかと考えますが、しかし前島式のそれは決して万人にできるものではないのもまた事実。語感がよほど鋭い人でなければ不可能です。

kaitaradou
質問者

お礼

早速ありがとうございました.ゆっくり読ませていただきます。

kaitaradou
質問者

補足

具体的に良い新語を作る方法がありますか.