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三位一体の改革での補助金削減案について
- 補助金削減案が問題になっています。地方案の具体的内容や削減対象について知りたいです。
- 自民党は3兆円削減を目指していますが、地方は反対しています。税源移譲による財源確保の方法も考えられます。
- 三位一体の改革や補助金削減について理解が足りないかもしれません。詳しい情報を教えてください。
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まず三位一体改革に関するサイトの方から紹介しておきましょう。 ○岡本全勝のページ http://homepage3.nifty.com/zenshow/ 総務省の現職の課長さんが個人的に開設されているサイトです。三位一体改革の裏情報や、新聞記者とのやりとり、新聞各紙の記事の解説など、盛りだくさんです。 それから、地方六団体の削減案はこちらのサイトにあります。(トップページにリンクしてますが、具体的な表はPDFファイルです。) http://www.bunken.nga.gr.jp/ 8月24日に総理に提出していますので、そのあたりの日付のところでご覧ください。 ところで、自民党などで議論されている案について、なぜ地方側が反論しているかなのですが、主な理由は2つあります。 まず、党側の案では、3兆円の削減を補助率のカットでしようとしていることです。国の補助率を、生活保護や児童扶養手当の負担金では3/4から3/5か1/2に、義務教育の負担金では1/2から1/3に削減しようという案が出ているようですが、これだといくら削減分を税源移譲で地方に回しても、地方自治体は今までと同じように国の細かな補助要項に従ってやらざるをえず、創意工夫が生かせないことになります。また、補助金の申請のための人、時間も今までどおりかかることになります。 三位一体改革は、単に地方に税収をよこせというのではなく、国は外交とか防衛といった国でしかできないことや、教育、福祉などでも制度の大枠や標準的なガイドラインを示すことに特化し、実際のやり方は地方にまかせてほしい、そうすれば自治体は地域の事情に合わせていろいろ工夫してやりますというのがその目的です。したがって、補助率のカットは、単にお金の帳尻を合わせるだけで、地方側には何のメリットもないですよね。 それから、もう一つは国民健康保険について、都道府県もお金を負担しろというような案が出ていることにも、地方自治体は反対しています。国保をはじめとして、医療保険全般については、厚生労働省で全体の制度をどう見直すのかという議論をしているところなのに、カネを払うところだけ先取りして地方に負担しろということなので、それは順序が逆でしょ、というのが地方側の言い分です。 もっというと、介護保険のように現物給付(自治体がいろいろ福祉施設を作ったり、サービスを提供するもの)の保険については、実際のサービス提供をする地方自治体が担うのがいいと思いますが、国保は医療費の一部を負担する話ですから、年金と同じように国が自らやってもいいようなものです。 (「保険」ですから、母体が大きい方がリスクのシェアがはかれますよね。現に、小さな町村では、手術をしたとか長期入院をしたとか医療費がかかるお年寄りが何人か増えただけで、すぐ国保会計の赤字にはね返るようなことがあるのです。) もともと、生活保護や児童扶養手当のような弱者のセーフティネットに関するもの、国保や老人医療のような医療保険に関するものは、地方の工夫のしようがありません。(税収が豊かな自治体が、国の制度に加えて独自に手当をすることはあるかもしれませんが) それよりも、教育とか、少子化対策とか、福祉サービスとか、公共事業とか、中小企業対策といったことは、ある程度の基準を国で決める必要があるにしても(例えば「義務教育の9年間で達成すべき教育水準とか」)その具体的なやり方はそれぞれの自治体で工夫して、いいやり方があれば周りに広がっていくというほうが、国全体のためにもいいことだと思います。 (残念ながら、霞ヶ関の各省庁のみなさんは、自分たちが考えたとおりにやったほうがうまくいくとお思いのようですが、そうじゃないことは今あちこちで起こっていることを見ればすぐわかりますよね。)