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接着細胞の継代法について
基本的な質問かも知れませんが、接着細胞の継代法はどのようなものですか?また、浮遊細胞の継代法とはどのように異なりますか?詳しく教えてもらえるとうれしいです。
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浮遊培養の場合と同じように、培地交換と細胞の密度を低下させるのは一緒ですが、付着の場合違うのは、トリプシン等のタンパク質分解酵素で処理することで細胞を培養皿からはがす必要が有ります。 簡単にステップを紹介すると (1)培養液はサクション等を使って吸い取り (2)PBSまたはEDTA入りPBSで一度洗います。これは血清中には非常に多くのタンパク分解酵素の阻害剤があるため、これを洗い流すのと、もう一つは接着にはマグネシウム、カルシウム依存的にはたらくタンパク質が重要ですので、マグネシウム、カルシウムを洗い流すこともこのステップの意味の一つです。EDTAの濃度は高すぎるとトリプシンの効きが悪くなりますので、ほどほどに。 (3)トリプシンをいれてしばらく待ちます。37℃しばらく置く場合もありますが、室温で多くの細胞ははがれてきます。ざっとトリプシンを培養皿全体に行き渡らせて、そのあと余分なトリプシンを吸い取ってしまえば、その後のステップで手を抜くこともできますが、トリプシンをいれて瞬時にはがれてくる細胞もありますので、慣れないうちは御勧めしません。 (4)細胞がはがれたらいつも使っている培養液をいれて細胞を懸濁し細胞をばらけさせます。血清入りの培養液で懸濁することによってトリプシンの活性を低下させます。 (5)細胞の数を数えてあたらしい培養皿にまき直します。細胞がトリプシンに弱いことがありますので、はじめは、この懸濁液を遠心して培養液を新しい物にしてから、数えてまくようにしてください。(3)で余分なトリプシンを吸い取ってしまったときで、且つ細胞が比較的トリプシンに強い細胞であれば、培養液で懸濁したあとは、そのまま数を数えてまくことも可能です。 トリプシンの他にも、コラーゲネース、ディスパーゼなどが使われることもありますが、トリプシンが一般的だと思います。
お礼
丁寧な解説どうもありがとうございました。大変参考になりました。