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企業における剰余資金の扱いについて
- 企業の剰余資金の使途や意思決定について疑問を持っています。
- 剰余資金は信託に預けられるのか、自己資金運用されるのかについても知りたいです。
- 剰余資金の扱いには会社の規模や株主の反対の影響もあるのでしょうか。
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◆「企業の場合、剰余資金はどう使われて、その意思決定はどのようにされているのでしょうか。」 まず、意思決定については、「株主総会の承認」を得ることが必要です。 「利益処分計算書」は当期未処分利益をどのように処分するかを示す計算書ですが、利益処分の内容としては「配当、役員賞与、積立金繰入」などがあります。また、「利益準備金」は資本金の1/4に達するまで、社外流出額の1/10以上の利益準備金の繰入を行う必要があります。また、配当可能利益がないのに配当を行うと、違法配当になり商法違反になります。 また、経営上の財産をどう運用するかについては、株主から経営について委任を受けた役員がその方法を決定します。 ◆「繰越利益として内部留保することは、組織の規模が大きいほど、もったいない話だと思うのですが」 確かに日本の場合はアメリカ等に比較すると株主に還元される利益は少ないですね。内部留保については、それをすることにより資本を充実させ、財務基盤を安定させる側面もあるので一概には言えないと思います。 ◆「こうした剰余資金の扱いについて、株主の反対さえなければ、会社の思い通りに行えるものなのか」「また、株式会社、有限会社等の違いによって」 利益処分の承認については、総株主の議決権の「過半数」に当たる株式を有する株主が出席し、その議決権の「過半数」以上の賛成が必要です。 同族会社等の場合は、経営者=株主のケースがほとんどですので特に問題にはなりません。 日本の上場企業などは株式の持合等で安定株主がいますし、個人投資家等についてもほとんどは株主総会において白紙委任状を提出しますので、ある意味企業の意思に従っているような状態です。 ただ、最近ではアメリカのように積極的に経営に参加する意識が高まって、株主利益を主張して経営陣の議案に対して反対票を投じる株主も現れています。会社は株主あってのものですからこれが本来の姿だと思います。 また、有限会社の場合には「社員総会」で全議決権の「過半数」を持つ社員が出席し、出席社員の議決の「過半数」の同意で成立します。
補足
とても丁寧なご回答、ありがとうございました。おかげさまで、「利益処分計算書」の内訳や、株主と企業の関係など、とても勉強になりました。 私もまた、接待費や経費計算のあり方なども含めて、日本の企業運営はまだまだ改善の余地が多く、ディスクローズの推進や、株主の存在感の増大は、今後、不可避の事だと思います。(もちろん、それにも功罪があると思いますが。) 質問内容のうち、「(剰余資金を使った、)企業の財テクの内容(信託?投資?)と現状」について、どなたかからのご助言をもう少し待った後、後ほどこの項を締め切らせていただきたいと思います。今後とも、よろしくお願い致します。