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毒の定義
毒って「少量で人体に悪影響を及ぼす物質」と書かれていますが、悪影響を及ぼすものが何でも毒というのはピンときません。 具体的に化学的作用を伴うものである必要があるような気がしますが、「少量で化学的作用によって人体に悪影響を及ぼす物質」とすると間違いになりますでしょうか? 言い換えれば化学的作用を伴わない毒ってあるのでしょうか?
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長々と冗長に書いています。 大変申し訳なく思うのですが、質問者さんなぜご覧になった定義では不服なのか、なぜ具体的に化学的作用を伴うものである必要があると考えるのか、そこからもうわかりません。 他の方へのお礼を拝見して、もしかすると、質問者さんが理解されている「化学的作用」も私が理解している内容とは違うかもしれないとも思います。 (なぜなら、悪影響には必ず化学的変化が伴うものだからです。つまり「悪影響」の中に化学的作用による変化が含まれた定義のはずです。) それと、ご覧になったのは毒の定義というよりも、毒物や毒薬の定義に近いですね。 毒として言う場合、科学的よりは、多少、もっとふんわり人間の感覚による意味がこもった定義に思われます。 なぜなら、実はこの世全てのものが毒なんですよ。 16世紀の医師パラケルススは毒性学の父と呼ばれます。彼の言葉として、「毒でない物質など存在しない。この世の全ての物質は毒であり、ただ、毒として作用するかはその用量によってのみ決まる」があります。この概念は物質の本質を言い当てており、現代の毒性学でも第一原則となっています。 たとえば私たち生き物は水なしには生きられませんよね。 しかし同時に、短時間に大量の水を飲むと水中毒で死ぬことはご存知でしょうか?たまにニュースになるので、お聞きになったことがあるかもしれません。 ※…中毒とは毒に中(あた)ると書き、「毒」が作用することを意味します。 自殺する方法に醤油を一升飲むと死ねる、という噂がありますが、人体のナトリウム許容量からすると、確かに一升分の塩分は致死量です。(ただし、人は一升の醤油を飲むことはできません、途中で全て吐き戻してしまいますから、試しても死ぬほど気持ち悪くなるだけです。) それに、厚労省だけでなくWHOまで世界中の政府や医学の機関は「塩分を摂りすぎないように!」というキャンペーンを張っていますよね。 ですが、ナトリウムは人体にとって必須のミネラル、なければ死ぬ物質でもあります。 必須のミネラルだからこそ、人は欲するようにできているので摂りすぎてしまうだけです。 毒かどうかを決めるのは、摂取量なのです。 ただ、そんなこと日常生活で言われても困りませんか? 毒っていわれたら、何か想像するものがありますよね。少量で人体に害になる何か。なんかこう、指輪とかに仕込んでターゲットに飲ませて暗殺するアレ、みたいな。 暗殺は置いておいても、「そんなにお酒を召し上がりすぎると身体に毒ですよ」などという時、人が想像しているのは、「少量で体に悪い作用を及ぼす」ことですよね。(この場合も用量が最も肝心な概念となりますが、そこはひとまずさておき) だからこそ、毒を定義するとき、ご覧になったような「少量で人体に悪影響を及ぼす物質」という説明になるのだと思います。 ただし、これは完全には科学的な説明ではありません。上に書いたとおり。 私の手元の広辞苑第二版には、毒の説明に >1生命または健康を害するもの。 >2毒薬 >3わざわい。害毒。 >4毒口(どくぐち)の略。悪口。 とあります。 そして毒薬の項目に、ご質問に書かれたような説明が載っています。 >少量で人体に烈しく作用し、中毒症状を呈し、生命の危険を誘発する毒物。劇薬より更に作用の激しいもの。 ご質問の定義と似ているでしょう? ちなみに毒物には毒性のある物質、と書かれています。毒性とは…と引くと、だいたい毒薬に近い説明に集約していきますので割愛します。 辞典にある毒の説明が書くように、毒とは生き物に害をもたらすものの総称です。悪口のように人の心を蝕むが、物質ではないものも含めていますよね。 そして科学的には全ての物質が毒。 ですが、それじゃ感覚的に困る。言葉の用法的に。 だから人はその生活や歴史の中で、感覚的、文学的な感覚を含んだ毒の定義もしています。 それが「少量で生命に悪影響を及ぼす物質」です。 ですからこのごく厳密な話から一歩一歩始めると、質問者さんがご覧になった定義は「毒」という広義だけではなく、厳密に科学的ではなく、「物質」と固定することでより狭義の毒物、毒薬の説明ですが、これはこれでわかります。 たとえばWikipediaの毒の項目も、最初は物質に限定した説明から始めています。 Wikipedia毒 >毒(どく)、毒物(どくぶつ)は、生物の生命活動にとって不都合を起こす物質の総称である https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AF%92 コトバンクも、辞典の説明には物質寄りの説明のほうが多いですね。 https://kotobank.jp/word/%E6%AF%92-582413 そして、量が多くないと毒性を発揮しないのであればそれは毒ではない、という感覚からすると、逆に少量で生命に害になるものは毒で良いのではないでしょうか。 たとえばお礼の中に書かれているようなPM2.5や、放射性物質なども毒に含めて良いのでは?と思います。 ここでもしもなんとなく感覚的に違うと感じるのであれば、やはり質問者さんは「毒とは少量で人体に悪影響を及ぼす物質」というふうに捉えている、逆説的にそういうことだと思うのですが…。
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- hiro_1116
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>例えばPM2.5みたいに化学変化はしなくても肺に詰まって血流が滞れば人体に悪影響だし、アスベスト繊維は化学変化はなくとも発がん性があります。あるいは放射線は物理的に発がん作用がありますから放射性物質の粉は毒というのか。それが知りたいです。 普通は毒とはいいませんね。まぁ、普段の会話で「身体に毒だ」とかいう時は毒の定義を意識せず使っていますが。 少なくとも放射線は「物質」ではありませんから、ご質問にある「少量で~~物質」にも該当しませんね。
お礼
ご回答ありがとうございます。そうなんですよね。だから化学変化を伴う、と理解すべきかと思ったんですが。 確かに放射能は物質ではありませんが、放射性物質という意味ではポロニウムなんかは「毒性を持つ」と言われているので毒という理解は間違いではないような。どうなんでしょうね。
- eroero4649
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薬だって大量に飲めば毒ですよ。大量に薬を飲んで自殺しようとする人は今も昔も多いです。 薬の原料は植物が多いですが、その化学物質は植物としては本来「食べられないような毒」として作ったものです。それが薬として使えることに気づいた人間が薬として用いているのです。 人間に害をなす菌が増えることを「腐敗」と呼び、人間に益をなす菌が増えることを「発酵」と呼んでいます。それみたいなものですよ。
お礼
ご回答ありがとうございます。だから「少量で」がついているのだと思いますよ。特に知りたいのはPM2.5って毒というのかどうかです。 単なる炭素の煤が化学変化を通して人体に悪影響を及ぼすとは思いませんがなんか悪い事はしそうです。
- kon555
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放射性物質は化学作用ではなく人体に害を及ぼしますね。 毒の定義を『少量で人体に悪影響を及ぼす物質』とすると、先の放射性物質もですが、針やナイフや銃弾など、物理作用でも適応されてしまいます。 多分貴方の違和感はここに起因するのだと思います。 一方で『化学的作用によって』とすると、幼児などに見られる電池の誤飲なども適応されますね。 要は単なる定義論ですから、自分が何に違和感を覚えているのか? を考えてみれば適切な定義に行き当たると思います。
お礼
ご回答ありがとうございます。おっしゃる通りです。一般的な感覚では化学変化を伴うものを毒と言っているようですが、少量で人体に悪影響を与えるだけなら化学変化を伴わない毒もあり得ます。 そういうものを毒というのかどうか知りたいです。
- hiro_1116
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>言い換えれば化学的作用を伴わない毒ってあるのでしょうか? それが無いなら、わざわざ「化学的作用」という条件を加える必要は無いですよね?
お礼
ご回答ありがとうございます。実は化学的ではなく物理的に害を与える場合もあるので、それも毒というのかどうか知りたくてこの質問をしています。 例えばPM2.5みたいに化学変化はしなくても肺に詰まって血流が滞れば人体に悪影響だし、アスベスト繊維は化学変化はなくとも発がん性があります。あるいは放射線は物理的に発がん作用がありますから放射性物質の粉は毒というのか。それが知りたいです。
- hiro_1116
- ベストアンサー率30% (2563/8280)
「毒物及び劇物取締法」では「毒物」をきっちり定義していますが、ご質問はそれではなく、一般に使われている「毒」ということばについてですね?
お礼
ご回答ありがとうございます。はい。一般に使われている毒という言葉についてです。 「毒物及び劇物取締法」の「毒物」とは「毒物であって取り締まるべきもの」を言っていると思います。取り締まるべきものでなくても毒物は毒物だと思いますので。
お礼
丁寧なご解説ありがとうございました。ありがとうx5くらいです。 私はわかってない側から質問文を書いていたわけですが、わかっている側からすると「そんな質問の仕方では困る」の類ですね。 毒という概念にはさっと思いつく限りでは日本語、法律、科学など様々な定義というかくくりがあって、私は日本語としての毒という言葉について質問をしていたと。 だって(私を含む)普通の人は日本語の毒という言葉でしか毒というものを知らないから「それって何なの?」「どこまでを言うの?」になります。もっとも仕事上それでは困るから法律(人文科学)でも科学(自然科学)でもきちんと定義がありますが、日本語の「毒」という言葉は素人が使うものであって厳密さなどあるわけがなく、そこに実務に耐えうる定義(例えば法令の毒物)を求めてもナンセンスだとよくわかりました。 日本語の毒という言葉の意味するものは、確かに「少量」「作用」が無いと違和感ありますが、その作用が必ずしも化学である必要はありませんね。おっしゃる通りともいます。よくわかりました。ありがとうございました。