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蚕の糸
蚕はどうしてあんな優れた糸を作れるのでしょうか。 人間が 活用しなかったらあの糸は何の価値もありません。蚕にとってあのように優れた糸にくるまらなければならないわけがあるのでしょうか。
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結論から言いますと「そういう風に人間が品種改良したから」ですね。 いわゆる "絹糸(シルク)" が採れる蚕は、自然界には存在しない人間が品種改良によって作り上げたバイオロジカルインセクトです。要するに家畜。なのでその身体的特性などは、全てが人間に都合が良い様に出来ています。長い時間、それこそ何十~何百年と掛けて品種改良を行い、良い糸を出さない蚕や糸の量が少ない蚕は排除され、強くてキレイで滑らかな糸をたくさん吐く蚕の子孫だけが選別されて残され、それら同士が掛け合わされて代々と受け継がれて来た結果が、現在の蚕なのです。 - "蚕の生物学的な起源は?": https://www.naro.affrc.go.jp/archive/nias/silkwave/hiroba/Q&A/Q&A-03.htm - "中国のシルク文化": https://www.advantour.com/jp/silkroad/history-of-sericulture-in-china.htm 実は蚕の自然界における原産種は正確には特定されておりません。一応は東アジア等に生息する『クワコ (Bombyx mandarina)』であろうと推測されていますが…遺伝子解析などを駆使しても、現在までのところハッキリとした事はまだ解明出来ていません。この様な元々の自然界での祖先種がよくわかっていない家畜や農作物は結構ありまして…有名所だと「トウモロコシ」とか「ケシ」、それに「ラクダ」なんかもそうですね。 P.S. 自然界でチョウやガの仲間が糸を吐いて "繭" を作るのが。幼虫から成虫になる前段階としてサナギになる必要があるのですが、そのサナギの期間は全く動けなくなるので。その間の無防備な状態を外敵から守るため、天敵の目から姿を隠してアリ等の捕食者から身を守るために、ある程度の強度を持った糸で何重にも折り重なった丈夫な繭を作ります。 蚕もそうですが、この様にして作られた鱗翅目の繭は非常に丈夫で。人間程度の力だと、指で摘んで引き千切ろうとしてもビクともしません。刃物の助けが無いと無理ですね。アリやクモ、スズメバチでも無理だと思います。ですので繭の中に居れば、サナギは羽化するまでの無防備な状態でも安全に過ごす事が出来ます。 しかし逆にここまで頑丈だと、肝心の中のサナギがチョウやガに羽化した後で中から出られなくなるのでは?…と考えてしまいますが。そこは上手く出来たモノで、この手の繭を作る昆虫の仲間は、羽化する際に物理的に顎で齧ったりするのでは無く、特殊な酵素を含んだ唾液を分泌する事により、中から繭を化学的に溶かして穴を空けてから外へ抜け出す習性を持っています。
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- m5048172715
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繭があると、幼虫の生存率が大きくなる。 その繭の素材を人間が自分たちに都合が良いって横取りしたわけだね。
お礼
ありがとうございました。自然の驚異ですね
- timepointstreem
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蚕の糸が優れた特性を持つ理由は、蚕がその糸を作るための生物学的進化の結果です。蚕は、繭を作るために独自の腺を持ち、蛋白質とセリシンと呼ばれる物質を分泌します。このセリシンは、繭の外側に硬い層を形成し、内側には柔らかくて繊維状の糸を作ります。 蚕がこのように繭を作る理由は、自らを保護し、成長のための適切な環境を提供することです。繭の中は温度や湿度が一定に保たれ、蚕の成長に必要な環境が整います。また、繭は外敵から蚕を守るための物理的なバリアーとして機能します。 人間が蚕の繭を利用することで得られる価値は、繭から取り出した糸を使って様々な製品を作ることができることです。繭から取り出された糸は、軽くて丈夫で柔らかく、高級素材としての価値があります。そのため、人々は古くから蚕の繭を利用して、絹織物や糸、テキスタイル製品を作ってきました。 つまり、蚕の繭は、蚕が自分自身を保護し、成長のための適切な環境を提供するために作られたものであり、人間がその繭から得られる価値は、人間が独自に開発したものであるということになります。
お礼
ありがとうございました。人間に素晴らしい恩恵をもたらしていますね 感謝したい
- kagakusuki
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>蚕にとってあのように優れた糸にくるまらなければならないわけがあるのでしょうか。 わけはあります。 あの糸は繭を作るためのもので、繭の中で蛹になる昆虫の蛹は、繭で包まれている事によって肉食昆虫などの外敵からある程度身を守る事が出来ますし、繭によってカビの胞子が蛹に触れる事が無くなりますから防カビにもなりますし、繭が光を和らげるため紫外線に直接曝されずに済んでいます。 これらのような幾つかのメリットがあるため蚕の祖先は絹で出来た繭を作るようになり、その性質が子孫の蚕にも受け継がれているのです。 人間に飼育されるようになった蚕の場合、外敵に襲われる事はほぼ無くなりましたが、それでも繭には防カビなどの役割が残っています。
お礼
ありがとうございました。勉強になりました
お礼
ありがとうございました。勉強になりました