いつもの如く、翻訳例を募集する質問です。
文脈としては、息子がどこの馬の骨ともしれない娼婦の妹(実際は違うけど、そのように誤解されていた)と結婚しようとしていると知り、「こりゃ大変だ!いいところの娘さんとキチンとした所帯をもたせんと!」と焦った父親がいい縁談を持ってくる。しかし、息子は父親の「ありがた迷惑」な縁談に困って自分の世話係に知恵を借りることにする (だってもう、赤ちゃんも生まれてしまっているので。)。息子の世話係と問題の女の世話係の二人で赤ちゃんを、父親の家の玄関先に持ってくるのだが、到着した途端に息子の世話係は、「誰だ、この子は~?」知らんふりする。焦った女の世話係は必死で「お宅の息子さんの子です。」と訴える。(お陰で、父親にもしっかりと伝わる。)後にワザと惚けていたのだと弁明するのだが、その理由がコレです。
Mys. Hem! But you
Should have forewarned me.
Dav. Ah, nay, not at all!
That which is done in nature, out of hand,
Is better than premeditated art.
https://en.wikisource.org/wiki/Comedies_of_Publius_Terentius_Afer_(1870)/Andria/Act_IV
試訳:
Mys(女の世話係): ふんっ!だったら、やらかす前に一言あっていいんじゃないの?
Dav(息子の世話係):お分かりでない、本当にお分かりでない。ごく自然に、なんの考えもなしに自然にでた行い。こちらの方が、下手に打ち合わせするよりずっと良いんですよ。
*意外にpremeditated art.の訳に困りました。「前もって計画した技」じゃ、なんともいかにも「翻訳しました。」ですし、、。
名文と言うよりも、孫氏が『兵法』で「敵を欺くにはまず味方から」と紀元前500年頃書いた時に、なんと同じような事をその300年後くらいの紀元前170年ごろの古代共和政ローマでテレンティウスが喜劇のセリフとして使っていたんだな~、という気持ちです。「人間って2千年以上前から、、、。」と感じました。
自分の翻訳文に満足がいかずに、『皆様の翻訳例を教えていただきたく思いました。』
よろしくお願い致します。
いつもながら、興味ある問題をありがとうございます。
>Mys. Hem! But you
>Should have forewarned me.
>Dav. Ah, nay, not at all!
>That which is done in nature, out of hand,
>Is better than premeditated art.
>試訳:
>Mys(女の世話係): ふんっ!だったら、やらかす前に一言あっていいんじゃないの?
>Dav(息子の世話係):お分かりでない、本当にお分かりでない。ごく自然に、なんの考えもなしに自然にでた行い。こちらの方が、下手に打ち合わせするよりずっと良いんですよ。
⇒なるほど、さすがのお訳ですね。
参考にさせていただいて、私もやってみます。
(私訳)
Mys:だけどねえ! そういうことは、
あらかじめ小耳に入れといてもらわないと。
Dav:いやいや、それはちょっと違うんですよ。
思いつくがままに、だしぬけにやるほうが、
前もって策をめぐらす小細工よりはましですからね。
質問者
お礼
ご回答ありがとうございます。
すいません、特別仕事が忙しくなったとかそういうわけではないんですが、最近コロナ禍3年目にして慣れないリモートワークの疲れが『突然』押し寄せてきました。例えば、会話だったら、5分で済むものが何でもメール連絡だとすごい時間がかかり、たまに1日中メールを打っている時があります。(会話だったら、すぐ済む内容なのに、、。お陰で仕事が遅れる、、。)ひーこら言いながら生きていますのでお礼が遅れてしまいました。(職種によってはリモートワークの方が簡単らしいのですが、、、。)
>>Mys:だけどねえ! そういうことは、
あらかじめ小耳に入れといてもらわないと。
そういえば、forewarnという単語は「fore+warn」なので初見でも意味はわかるものの、なんか「自然な日本語は?」と思っていました。でも、さすがナカイさんですね、「あらかじめ小耳に入れといて」とはピッタリの表現がですね!(私は、諦めて似た意味の言い回しを使用しました。)セリフもいかにも世話係の女性がいいそうな雰囲気です。
>>Dav:いやいや、それはちょっと違うんですよ。
「Ah, nay, not at all」が、私よりも原語に近い表現ですね。さすが!
>>思いつくがままに、だしぬけにやるほうが、
前もって策をめぐらす小細工よりはましですからね。
premeditated artは、意味の解釈こそ簡単なものの、自然な日本語で何というかと言われれば、正直難しさを感じていました。(翻訳調でもいいなら訳せますが、、、。)「前もって策をめぐらす小細工」とはこれは、流石言葉探しの天才のナカイさんですね。「この手がありましたか!」と思いました。それにしても、最近本当に『味がある文章』になりましたね。テレンティウスの翻訳はこういう『味がある文章』が合いますね。心が『美味しい』と言っております。
今回もありがとうございました。
また、よろしくお願い致します。
お礼
ご回答ありがとうございます。 すいません、特別仕事が忙しくなったとかそういうわけではないんですが、最近コロナ禍3年目にして慣れないリモートワークの疲れが『突然』押し寄せてきました。例えば、会話だったら、5分で済むものが何でもメール連絡だとすごい時間がかかり、たまに1日中メールを打っている時があります。(会話だったら、すぐ済む内容なのに、、。お陰で仕事が遅れる、、。)ひーこら言いながら生きていますのでお礼が遅れてしまいました。(職種によってはリモートワークの方が簡単らしいのですが、、、。) >>Mys:だけどねえ! そういうことは、 あらかじめ小耳に入れといてもらわないと。 そういえば、forewarnという単語は「fore+warn」なので初見でも意味はわかるものの、なんか「自然な日本語は?」と思っていました。でも、さすがナカイさんですね、「あらかじめ小耳に入れといて」とはピッタリの表現がですね!(私は、諦めて似た意味の言い回しを使用しました。)セリフもいかにも世話係の女性がいいそうな雰囲気です。 >>Dav:いやいや、それはちょっと違うんですよ。 「Ah, nay, not at all」が、私よりも原語に近い表現ですね。さすが! >>思いつくがままに、だしぬけにやるほうが、 前もって策をめぐらす小細工よりはましですからね。 premeditated artは、意味の解釈こそ簡単なものの、自然な日本語で何というかと言われれば、正直難しさを感じていました。(翻訳調でもいいなら訳せますが、、、。)「前もって策をめぐらす小細工」とはこれは、流石言葉探しの天才のナカイさんですね。「この手がありましたか!」と思いました。それにしても、最近本当に『味がある文章』になりましたね。テレンティウスの翻訳はこういう『味がある文章』が合いますね。心が『美味しい』と言っております。 今回もありがとうございました。 また、よろしくお願い致します。
補足
ご回答ありがとうございます。 すいませんが、コメントは週末に書きます。