以下のとおりお答えします。
>私は、最近、中年期の生き方というテーマに 興味を持ちました。 このテーマの小説、エッセイなどで みなさんのお勧めの本があったら教えて下さい。
⇒次の2作品(小説とエッセイ)をお勧めします。
・お勧めその1:武者小路実篤著『或る男』(大正12年、新潮社刊)
633ページ、229節に及ぶ大作ですが、全体にわたって明快な短文を連ねた親しみやすい文体で書かれています。主人公の「或る男」に自分自身を重ねて、いわば感情移入しながら読むことができます。ある意味、自分史の雛型に見立てることもできるかもしれません。
なお、作者武者小路実篤は志賀直哉らとともに「白樺派」の一員で、彼らの標榜したことに違わず、人生肯定や人間信頼の思想がそこはかとなく感じられます。読みながらすがすがしい気分になれるように思います。
・お勧めその2:芥川龍之介著『侏儒の言葉』(昭和2年、文芸春秋社刊)
諸々の話題が百数十項目にわたる金言・金言の類にまとめられている、異色のエッセイ集(伝聞・吟味考察・分析・批評・感想など)です。ある時は著者の観点から、ある時は引用元の発話者の観点から、またある時は自分自身の観点から、つまり、放埓な態度で拾い読みしながら、自由に想像を膨らませることができます。「侏儒」とは「こびと、見識のない人」の意ですが、著者が自分自身のことを謙遜してつけた表題であろうと推測されます。
なお、原著(復刻版)の後半には、この「侏儒の言葉」のほかに、「澄江堂雑記」、「病中雑記」、「追憶」、「文芸的な、余りに文芸的な」が含まれています。
お礼
ありがとうございます、チェックしてみます