日本での最古のスポーツは、弓術と狩りであろうと考えられています。蹴鞠は飛鳥時代に行われていたことが知られていて、相撲も飛鳥時代かそれ以前から行われていたと考えられている[。また、鷹狩りもモンゴルの風習に強く影響を受けていて、飛鳥時代から始まったとされています。
相撲はスポーツというだけではなく、宗教的な儀式である。これは、伝統的な日本のスポーツの持つ特徴のひとつである。相撲のしきたりの多くは、神道と密接に関連していて、古代相撲の中には純粋な宗教儀式もあり、取組の勝敗を通じて神への意思伝達を行う場であるとされていた。なお、占いのひとつとして行われる取組もあり、例えば、漁師と農民の取組にて漁師が勝つとその年は豊漁となると考えられていた。
格闘技の多くは、鎌倉時代が出発点となっている。弓道は文字通り弓矢の技術を競うスポーツであり、弓術として一般に広まって侍の娯楽となっていた。流鏑馬も鎌倉時代にスポーツとして始まったが、現在では宗教儀式となっている。狩りも一般的なスポーツとなり、犬が狩りの助けとして使われるようになった。狩りを模して放した犬に矢を当てるスポーツもあり、犬追物とも呼ばれた。
江戸時代には、余暇を楽しむ方法としてスポーツが一般に行われるようになった。弓道は将軍や大名が娯楽として奨励して、記録を競うだけではなく、大々的な競技会としても開催されるようになった。1686年4月26日には和佐大八郎という侍が、24時間で13,053本中8,133本を射当てるという比類なき記録を作った。これは、京都三十三間堂にて行われた通し矢であり、天井が2.2メートルしかない120メートルの廊下で的を射るというだけでも注目に値する。ちなみにオリンピックで行われるアーチェリーでは一般に70メートルの距離で競技が行われる。柔術のような格闘技は一般的であったが、他流派との試合は行われず、もっぱら同じ流派内での試合のみが行われていた。なお、幕末に欧米文化に触れるまで日本には「スポーツ」に当たる概念はなかった