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空海と最澄の関係について
だいぶ前の映画ですが「空海」というタイトルの映画を見ました。 その中では最澄が空海に弟子入りしたり、一緒に遣唐使になったり、いろんな会話があったりなどの場面がありましたが、実際の関係はどうだったのでしょうか。 どっちがどのくらい年上で、どういう上下関係だったのか実際のところを知りたいです。映画では空海のほうが偉そうで、最澄に説教をする場面が多いですが、僧の位としても空海の方が上だったのでしょうか。 詳しい方から教えていただきたいです。
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僧としては最澄のほうが断トツでエリートですね。そもそも空海とは書簡でのやり取りしかないはずです。歳も最澄のほうが7歳上ですね。 僧としての位は最澄ですが、僧としての実力は空海の方が上だったと思います。が、当時の知識人と言えばお坊さんだったので、最澄は僧というよりは学者に近い存在だったと思います。 実際、遣唐使時代に密教を勉強した期間は2ヶ月程度で、十分な時間を掛けて学んだとはいい難いですね。対して空海はそれ専門で勉強していましたから、最澄が教えを請うたのでしょう。 ちなみに当時のお坊さんは知識人だったと書きましたが、彼らはただ仏教だけを学んでいたわけではありません。その知識の範囲は非常に広く、土木工学、医学、文学、果ては軍事学も含まれています。戦国時代でもお坊さんが強いのもここに理由があります。 実はかなりマッチョなのですね。まあ、もともと侍も人偏に寺ですから、軍事とは最初から繋がりが深かったのでしょう。 というわけで、最澄はやはり学者としての色が強く、僧としては空海に軍配が上がる、と考えていいと思います。どちらが優れているかと言うよりも、どちらもそれぞれに大変に優れた僧だったと考えたほうがいいでしょう。 あなたが観た映画は、真言宗に好意的に描かれているようですが、作った側かスポンサーが真言宗の方だったのかも知れませんね。天台宗にすれば、あまり面白くない内容でしょう。
お礼
詳しい説明をありがとうございます。私が見た映画は多分昭和50年代くらいの映画で今から40~50年くらい前だと思います。最澄を加藤剛、空海を北大路欣也が演じてました。最澄も空海も仏教界の2大巨匠だと思いますが、映画の中では明らかに空海の方が格上に表現されていたので質問させていただきました。 なるほど最澄は学者寄りで空海は密教をメインとした僧だったんですね。私自身はミッション系の学校出身なので仏教には縁がないですが、ご説明で良く分かりました。 ありがとうございました。