こんにちは。
乳製品・肉類などの腐敗による食中毒は
ブドウ球菌によることが非常に多いといわれます。
原因はブドウ球菌が増殖する際に産生する耐熱性エンテロトキシンにあります。
エンテロトキシンの生物活性は、嘔吐中枢を刺激して吐き気を催すことですが、
ブドウ球菌はその他にも毒素ショック症候群を起こすエンテロトキシンFや
表皮剥脱を起こす表皮剥脱毒素(exfoliatin)などの毒素も産生するようです。
食中毒を起こす細菌毒素には、細菌の体外に出されるものを外毒素(exotoxin)と、
もともと細菌の体内に含まれていたが、菌が死ぬことによって外に出てくる内毒素
すなわちエンドトキシン(endotoxin)の2つがあります。
(質問者さまが疑問に思っていらっしゃるのは
つきつめるとこのあたりのことではないかな、と想像します)
しかし最近はこの区別は厳密なものではなくなってきているようなので、
腐敗菌が食中毒菌と完全に別物、とも言えないのではないかと思います。
(腐敗菌と食中毒菌の定義にもよると思いますが・・・)
つまり、いわゆる腐敗菌と思われている菌の中にも毒素を産生するものはいるわけで、
その腐敗した食品を食べた結果、食中毒になるということは良くあることと思います。
セレウス菌については詳しくわかりませんが、
いわゆる腐敗臭というのは、アミノ酸の脱炭酸したアミン、分解物であるインドール、
硫化水素、脂肪の分解したケトンなどが原因となるようで、
菌の増殖そのものの結果というよりは、菌の生活サイクルの過程で
産生・分解された物質のせい、というほうが近いのではないでしょうか。
参考になればうれしいです。
お礼
具体的なご回答ありがとうございました。