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「血がうずく」という表現は誤用ではないのでしょうか
「血がうずく」という表現は誤用ではないのでしょうか。 中上健次さんなども、「~したくてたまらない気持ちになる」という意味で用いていますが、「うずく」とはズキズキと痛むことをいい、「傷がうずく」とはもちろん言うでしょうが、神経の通っていない血液がうずくというのはおかしいと思います。 これは「血が騒ぐ」と「心がうずく」がいつしか混ざってしまった一種の誤用ではないかと思うのですが。 お詳しい方ご教授くだされば幸いです。
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誤用とは言い切れないと考えます。 日本国語大辞典によれば、もともと「うずく」には、1.ずきずき痛む。2.ある感情に刺激されて心が落ち着かない。うずうずする。という二つの意味があります。 1.は1254年の古今著聞集や1565年の多聞院日記の用例が載せられ、2.はこれよりは新しいものの1700年の「浮世草紙御前義経記」の用例(「此程はけしからぬくるわのさびしさ、女郎様立(たち)がうづいてござる内」)が載せられていますから300年以上昔から使われていたことがわかります。また1789年の歌舞伎「唐人殺し」の用例(「わしらも一生の内、上方へ行て大坂の殿達に付合うて見たふござんす」「さてはこいつもうづくなうづくな」)も同様です。 両者はもちろん「血がうずく」の用例ではありませんが、「うずく」という言葉が「ある感情に刺激されて心が落ち着かない」(≒~したくてたまらない気持ちになる)という意味で、江戸時代から使われているとすれば、これに感情という意味での「血」(「血が通った政策」などと言う場合の「血」)を加えた「血がうずく」も誤用とまでは言えないでしょう。 「神経の通っていない血液がうずくというのはおかしい」というのは、1.の意味では科学的にはまったくその通りですが、2.の意味ではそうした理屈では必ずしも割り切れないのではないでしょうか。
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- OK1723TRD
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>>例えば「鳩が鷹を産む」「豚も歩けば棒に当たる」は誤用ですよね。それと同じ、混同による誤用ではないかと言うこと ご指摘の誤用は慣用表現に対する誤用で、「血がうずく」は「血」を神経が通った生身の主体として捉えた比喩表現で、混同でも誤用でもありません。■
- OK1723TRD
- ベストアンサー率38% (18/47)
ビビッドな比喩表現で誤用ではありません。 鳶が鷹を産む、臍が茶を沸かす、猫の手を借りる、などと同じです。■
補足
もちろん、比喩として様々な言い回しがあるのは存じています。 私が申し上げたいのは、例えば「鳩が鷹を産む」「豚も歩けば棒に当たる」は誤用ですよね。それと同じ、混同による誤用ではないかと言うことで、比喩表現を用いた慣用句全部を否定する気はありません。
- g27anato
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「疼く」 …実際には苦痛を伴わない場合でも、「(我慢するのが辛い程に)脈打つ高揚感」を指して、 「血の騒ぎ」や「心の疼き」よりも実感を伴う表現として時々使われることがあるようです。 勿論、「血」や「心」に「疼」という漢字を充てること自体、本来は誤用であると言うこともできるのですが、 時代の流れの中で本来とは違う使い方が繰り返されることにより、通常の表現としての地位が得られる場合もあります。 多くの人によって繰り返し多用されるなら、 将来的に認知される可能性は否定できません。
- NOMED
- ベストアンサー率30% (522/1725)
実は・・・誤用ではありません 簡単に説明します ○ 血湧き肉躍る(ちわきにくおどる) ↓ これを英語(英語圏で使われている同じ意味の言葉)にすると ○ My blood tingles at the thought. ↓ またこれを、日本語訳すると ○ 血が疼くような思い に、なります 中上健次さんを調べてみると、彼の著書の多くがフランス語や英語に翻訳されています また、彼は、高校に入学してから日本の作品よりも、マルキ・ド・サド、ルイ=フェルディナン・セリーヌ、ジャン・ジュネなどを愛読し、処女作『赤い儀式』を執筆しています つまり、彼が必然的に、外国語の小説に多く影響され、自分の作家としてのスキルを形成したと考えると、「血がうずく」という表現は間違いではないことが分かります 日本語として?は、もちろん重要ですが、作家の言葉表現として?と考えれば、ごくごく自然な言葉であると言えます また、彼らのような文化人や作家たちが日本語を紡いできたのは事実ですから、「血がうずく」という表現は誤用である!と簡単に断言するのは、違うのでは?と、私的に感じます 最後に彼が残した言葉のひとつを・・・ ---- 日本語をまったく理解できない外国人に出あった時、あなたはいったい日本語のどの単語から教えるのだろうか?(「日本語について」) 中上 健次 ----
- kaitara1
- ベストアンサー率12% (1153/9140)
どんな言葉も最初は誤用であるという説があります。血が「騒ぐ」だって、最初に言った人がいたはずですが、その人は、血が騒ぐはずがないだろう、何とバカなことを言う人かと非難されたかもしれません。しかし言われてみればそういう言い方もあるかと思った人もいて定着したのではないでしょうか。誤用が困るのは、すでに確立されている言葉の意味を捻じ曲げることのほうが問題ではないかと思います。「こだわる」や「めちゃめちゃ」などはよい意味で通用するようになりました。今は悪い意味で使いにくくなっています。
- Dr_Hyper
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誤用ですね。もちろんあなたもそうなようにそういった言葉で意味が通じてしまうので,普段の友達同士のなどの会話で「誤用」と言う事に意味があるかどうかは別にして,正式な文面や”大人”が読む文章で書いたり,言ったりするのは程度が知られてしまうので恥ずかしい言葉だとは思います。 ちなみに,うずくってのは身体の内部が激しく痛むことはその通りですが,実は近畿・中国・四国・九州地方の方言と考えられているそうです。
補足
あなた様が「鳶が鷹を生む」って言ったりするでしょ?とおっしゃるので上の例を持ち出したまでです。どうも噛み合いませんね