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放物面鏡のコマ収差
物理・光学には弱い天文マニュアです。ニュートン反射望遠鏡のような放物面鏡の焦点で天体撮影をする場合中心軸が完全な星像であっても軸からずれるにしたがってコマ収差が発生し像が乱れるというのは昔からの知識で知っていました。 さて、CMOSチップで天体を撮像する時代になりましたが、この場合チップが小さければ小さいほどコマ収差の影響は受けないといえますか。それとも小さいチップはコマ収差も拡大されるので同じだといえますか? 具体的例 15cmF4ニュートン反射 大 フルサイズ 36mmx24mm 小 1/1.9 7.3mmx4.1mm
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下の拙作は口径15cmF4 の放物面鏡ではなく、焦点距離85mmF2の写真レンズを使い、昔の35ミリ判フィルム1眼レフカメラで20年ほど前に撮影したものですが、「周辺の収差が大きい光学系」の一例です。 フルサイズでは写野の周辺部では星像が収差(コマ収差だけではない複雑な形ですが)で歪んでいます。そこで写野の中心付近だけを使えば(比率は正確ではありませんが黄色の枠内がご質問の小サイズのつもりです)収差が少ないところだけになります。 実際にこのレンズをAPSサイズの撮像素子を使うデジタル1眼レフに装着すれば、(黄色の枠よりは広い範囲になりますが)、35ミリフルサイズの最周辺部の最も収差が大きな部分はカットされるでしょう。 ただし、その部分はもともとのフルサイズの画像でも同じく収差が少ない部分であって、「撮像素子が小さいから(コマ)収差の影響を受けない」わけではありません。フルサイズのデジタル一眼レフで撮影した場合でも、その同じ部分だけを切り出せば、(収差に限れば)同じことになるからです。 もちろん小さいサイズの撮像素子を使用してモザイク状に多数撮影した画像を合成すれば、同じレンズでも「広い範囲で収差の影響が少ない」映像が得られるでしょうけれど、それはまた別の話でしょう。(なお、レンズはJupiter-9、カメラはアサヒペンタックスSVです)
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- nananotanu
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小さいチップだと撮像される範囲がそれだけ狭いだけですよ。
お礼
すぐに回答いただきありがとうございました。
補足
>小さいチップだと撮像される範囲がそれだけ狭いだけですよ。 その理由はコマ収差量が中心から端に向かって正比例で大きくなるからでよろしいでしょうか 小さいチップは「狭いだけ」で収差に関しては有利な点はないという事ですね
お礼
わかりやすい丁寧な説明ありがとうとうございます。pentaxSV懐かしいです。高校生の時、兄がPentaxSPを買ってそれを借りて天文雑誌に写真が入選したことがあります。
補足
百聞は一見とはこのことですね。素晴らしい写真をありがとうございました つまりフルサイズのトリミングをすれば収差量が同じ画面を切り取れるという事ですね。 ただ銀塩時代のカメラの場合は対象によってフィルムの感度や粒状性を簡単に選択できましたがデジタルカメラは簡単にはできないわけで、その点では同じ光学系で同等の星像を求めるなら小さいチップは経済的には有利とはいえないでしょか。一般一眼レフやミラーレスに比べて天体用CMOSカメラのではまだフルサイズはダントツに高価だからです。 (もちろん感度やノイズに関する性能のスペックも重要だと思いますが、まだ不勉強で分かりません) 先日中国製の4万円台のCMOSカメラ+ヨーロッパ製のソフトウエアでたった口径15cmの反射で都会の空で系外銀河の渦巻きや15等星ががライブでPCに映し出されて気絶しそうになりました。(笑)