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社会主義について

社会主義の長所と短所、共産主義との違いについて教えてください。 それと、「社会主義・共産主義=怖い、危険」というイメージが勝手に頭の中にあるのですが、それはあっていますか?

専門家の回答 ( 1 )

回答No.2

こんにちは。 読ませていただきました。 社会主義とは、革命によって社会変革を行うことの理論です。 これに対して、共産主義とは、社会変革が達成された社会の内容を示していると私は考えています。 社会主義の長所短所について、長所としては作為の契機によって、社会はいかようにも作り変えることが出来るということです。 封建社会においては、封建領主と言われる独裁的権力を持った人に唯一社会を変える力が独占されており、民衆そのものには社会を変える力はありません。 これを革命という行為によって民衆が権力をもつことで、社会を変えていこうということが出来るようになります。 しかし、短所としては、社会主義は共産主義という社会の理想形態に至るプロセスでしかないわけですから、常に継続的に革命的行為が行われるということになります。 これが弾圧ということであったり、強引な行為と見えることがあります。 それと、社会主義を推し進めることは、国家に置いてですし、社会主義国家建設のためには、社会主義政党もしくは共産党による指導ということが行われます。 これが問題を孕んでいて、権力は必ず腐敗します。 社会主義というカール・マルクスらによって構築された思想体系は、共産党という政党に権力を集中させ、一党独裁による社会主義~共産主義社会の建設に向かいますが、政治学の法則というものがあると仮定して最も最初に来るであろうものは、絶対権力は絶対に腐敗するというものです。 これにより、国民一人一人の作為の契機、つまり、社会変革にすべての人が参加することが出来るという機会が損なわれてしまいます。 しかし、これを内部から変革することはかなり難しいことです。 ソビエト建国の父であるレーニンの後、スターリンがソビエト共産党の指導者となりましたが、ソビエト共産党の指導を批判するものを告発するために、密告が奨励され、結果、大変な粛清が行われ、国内に大変な混乱が生じました。 この後に登場したフルシチョフという書記長は、これを間違いであったとして有名なスターリン批判を行いました。 ところが、国家を指導する唯一の党であり絶対的権力を有するソビエト共産党が間違いを起こしたということを意味するフルシチョフによるスターリン批判によって、共産党の権威は崩れ、何を信じてよいのかわからないという不安感によって急性アノミーという社会病理を引き起こす結果となりました。 また、同じく中国建国の父である毛沢東は、自らの権威と権力が低下を恐れ、文化大革命という運動を起こし、すべての古い権威を破壊し、人心を一掃しようとします。 このため、数千万人単位の死者が出たといわれていますし、中国社会が大混乱になりました。 やがて毛沢東自身が死亡したことによって、この活動は終息していきます。 これに対して、鄧小平ら古参の共産党指導者がこの運動を先導した者たちを逮捕処刑し、毛沢東にも間違いがあったという批判が行われ、農村的精神性を重んじていた社会主義から、資本主義・自由主義経済のエッセンスを取り入れたモダンな社会へと変貌することになります。 このように、絶対権力は絶対に腐敗するのですが、これを一党独裁の社会主義・共産主義政党が内部から変革することはかなり難しいことであり、体制自身を変革することに等しいといわなければなりません。 社会主義国というのは、非常に強い体制なのですが、同時に一旦崩れだすととてももろいという構造的欠陥を持っています。 これが非常に大きな問題だと言えるのではないかと思います。 回答になっていますでしょうか。

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質問者

お礼

歴史的事実を含んだ丁寧なご説明ありがとうございます。 わかりやすかったです。

吉田 修(@osamucom0409) プロフィール

産業カウンセラー(日本産業カウンセラー協会) 吉田修(株式会社Dream・Giver) ■ご質問者・みなさまへ■ コーチング最新メソッドを使い、自分でできる、気持ちの切り替え方法をご提案しま...

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