日本のケースで考えます。
取締役の議決権ということは、取締役会(取締役3名、監査役1名以上で構成)の議決のことと思います。
通常、取締役会を「開催」するのには、取締役会を構成する人員の過半数が出席していれば議決を取ることが可能です。
すなわち、1名が何らかの理由で取締役会に参加できなかったことろで、問題が起こることはありません。
みなし議決を取る(すでに議題が決まっており、事前に賛否を表明することを含める)以外に、誰かに議決権を委ねる「委任」はふつう行われません。なぜならば、委任を認めると「ある一人の取締役に2票以上の議決権を認めることになる」ため、本来平等であるはずの議決権に比重が発生してしまうためです。
おそらくは取締役会を設置するための定款に詳細を定めているはずですが、みなし議決以外で議決の委任というのはそこには書かれていないでしょう。
ただし、何らかの理由で「委任」を認めるケースもあります。委任を何らかの理由で認めて、その委任状が有効であるならば委任が成立します。すべてが無条件で排除されるわけではありません。
取締役欠席による会社の乗っ取り(この場合は解任動議や、代表権保有者の変更、敵対企業傘下になるための議決などでしょうか)は、その取締役会の有効性を民事で争うことは可能です。
誘拐されて、という特殊事情である場合は取締役会を延期するなどの配慮がされるかもしれませんが、基本は「過半数出席」ですから、一人が誘拐されたところで議決そのものには影響を与えられないでしょう。
複数人を誘拐されたとかであれば、そもそも過半数を超えられるのか?という話と、議決の「有効票数などの条件を満たす」(定款に定められているはずですが、「構成総数の過半数」とか「出席者の過半数」とか「賛成が出席者の2/3以上」とか条件はそれぞれに異なります)ことができるのかという別問題があります。
お礼
>基本は「過半数出席」ですから、一人が誘拐されたところで議決そのものには影響を与えられないでしょう。 9人の取締役のうち5人がA社、4人がB社派遣だと、A社の二人をなんらかの形で拘束したら取締役会の開催も可能ですし一時的に支配がひっくり返るように思えます。 通常の定款には委任を認める規定が存在しないと言うこと了解しました。 ありがとうございました。