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アオダイショウと擬態
- アオダイショウとは、無毒な生物が有毒な生物に似せる「ベイツ型擬態」をする昆虫である。
- アオダイショウの写真を見ると、マムシに似ているように見えるが、実際にはアオダイショウがマムシに擬態していると考えられている。
- 日本には他にもベイツ型擬態をする生物が存在し、例えば○○や△△などが挙げられる。
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# A1: アオダイショウの幼蛇はベイツ型擬態か? アオダイショウの幼蛇の姿を指してこれを「ベイツ型擬態=警告色=マムシの模倣」とするかはちょっと疑問符が付きますね。と言うのもその擬態元とされる大本のマムシの模様は自身の毒を相手にアピールするために自らの存在を目立たさせるためのモノでは無く、明らかに草木に紛れて自身の存在を消失させ獲物の目を欺くための「隠蔽色(保護色)」だからです。 マムシはその獲物のほとんどがネズミであるのに対して、アオダイショウはトカゲやカエルの他にネズミに鳥の卵など様々なモノを獲物にします。なのでマムシは成蛇になっても藪の中に紛れやすい隠蔽色のままですが、アオダイショウはより汎用性のある体色に成熟して行く事で他の蛇類との獲物の競合を避けているのではないかと推測されます(水田のイネ草や森林の草木に紛れやすい様にしている?)。またマムシが夜行性なのに対し、アオダイショウは昼行性である事も関係していると思われます。 特に日本国内ではイヌワシは子育て中の獲物として好んでヘビ類を狩りますので、余りにも強大な天敵の前には為す術も無く、逆に精一杯に保護色で目立たなく隠れてやり過ごす様に進化したモノと推測されます。秋口になってネズミやウサギが減るとイヌワシの獲物のほとんどがアオダイショウになるらしいので、このイヌワシから逃れるために特に非力な幼蛇時代は目立たない隠蔽色で育ち、成蛇になったらその種独自の色模様になるのだと思われます。 また自然界でヘビ類を捕食する動物のほとんどがヘビを狙う時には一律に全てを毒蛇だと想定して襲います。頭上高くから襲いかかりヘビの頭を一撃して噛まれるのを防ぎます。その際にいちいち「え~っと、コイツは頭が三角形でエラが張ってるから毒蛇だな!」みたいに確認してたら間に合わないので、最初から「ニョロっとしたヤツは全部、毒蛇!」と想定して行動した方が合理的な訳です。実際、野生動物界では屈指の悪知恵を持つニホンザルでさえも、色模様や頭の形などでは無く一律に「ニョロっとした細長いモノ」を全て "危険な毒蛇" と見做して目に入った瞬間に反射的に飛び上がって逃げ出します。 以上の事を鑑みるに、アオダイショウの幼蛇の姿は必ずしも「毒蛇マムシの模倣をしたベイツ型擬態」とは言えないと思います。実際、野生のイヌワシの営巣観察例ではアオダイショウの比率が突出して多いですが、他にもシマヘビやマムシも獲物として狩られている事が確認されています。ヘビの天敵は圧倒的にイヌワシですから、このイヌワシがマムシを襲って食べる事から「マムシの真似をする」事は少なくともイヌワシ対策には余り効果が無いと思われます。またアオダイショウの比率が多いのは単純に日本最大のヘビであり、1回の狩りでのコストパフォーマンスが良いからなのではと推測します。 総論としては、「アオダイショウの幼蛇の姿が成蛇と違って斑模様なのは哺乳類のイノシシ等と同じく、弱い幼体時代を少しでも天敵の目を欺き生き残る確率を上げるための保護色(隠蔽色)であり、それがたまたまマムシ模様と似ているだけである」~と思います。実際問題、前述の様にこの「アオダイショウの幼蛇の擬態」は人間に対してしか役立って無いみたいですし、そのおかげでアオダイショウの幼蛇は逆に毒蛇マムシと間違われて打ち殺されたりしてる訳なので…少なくとも天敵イヌワシから身を護る目的としては全く機能していないと思われます…! # A2: 日本国内のベイツ型擬態の生物 いや~メチャメチャ数が多くてぱっと例を出せないくらいですね(笑)。 - アゲハモドキ(Epicopeia hainesii) → 「ジャコウアゲハ」への擬態 - セスジスカシバ(Pennisetia fixseni) → 「アシナガバチ/スズメバチ」への擬態 - マツムラナガハナアブ(Spilomyia permagna) → 「アシナガバチ/スズメバチ」への擬態 - シマウミヘビ(Myrichthys colubrinus) → 「ウミヘビ」への擬態 ぱっと思い付くのはこんな感じでしょうか。特に昆虫類の「ハチへの擬態」は非常に種類が多いですね。アブ類なんて種族全体でハチへ擬態してるとも言えます(一種のミューラー型擬態?)。 因みに上記例の「シマウミヘビ」てのは「ウミヘビ科ゴイシウミヘビ属シマウミヘビ」です。何を言ってるのか訳が分からないかとお思いでしょうが真面目な話です(笑)。正確に表記すると「条鰭綱新鰭亜綱カライワシ上目ウナギ目ウミヘビ科ゴイシウミヘビ属シマウミヘビ」の事です。要するに「ウナギの仲間」ですね。つまり人畜無害な魚のウナギが猛毒を持つ危険生物である海蛇に擬態してる訳です。 この他にも鱗翅目の幼虫(芋虫)の多くは有毒種の幼虫に擬態したり、或いはスズメガの幼虫はその姿形がヘビを模していると言われていますね。また成虫になった後も羽根の一部の模様を有毒種に酷似させたり、先端部分に目立つ目玉模様を出す事で天敵である鳥類に対してヘビの擬態をアピールしていると考えられています。 変わり種というかちょっと手が込んでるのはテントウムシ種が全般的に体全体を赤くして黒星模様を散らした姿形になっているのは、ナナホシテントウに擬態しているからだと考えられています。これはナナホシテントウが体内にアルカロイド系物質を持ち食べると非常に苦いため天敵である鳥類はこれを避けようとするため、忌避物質を持たない他のテントウムシ種もコレにあやかってナナホシテントウに擬態して少しでも難を逃れようとしているのだと推測されます。これも一種のミューラー型擬態とも言えるでしょうか。
お礼
ありがとうございました。 以下、支離滅裂になると思いますので、「ご回答の趣旨は、私なりに理解できたような気がします。」と最初に御礼を申し上げます。 以下、「蛇(*^_^*)足」です。 マムシの模様は自身の毒を相手にアピールするために自らの存在を目立たさせるためのモノでは無く、明らかに草木に紛れて自身の存在を消失させ獲物の目を欺くための「隠蔽色(保護色)」だからです。……分かりました。人間の視点から考えるから、「誤解」が生じるのかも知れませんね。ただ、「マムシが毒を持っている」ということの「意味」というのは、単に、「隠蔽色(保護色)」ということでは説明しきれない、「何かがある。」様な気がしてきました。漠然として頭の中で整理できませんが。ヤマカガシも、……無毒ということだったので少年時代の遊び仲間でした。(*^_^*)……結構派手ですよね。やはり、「私は毒蛇なのだと。他のヘビが持っていない何かがある。」のではないかと。 マムシはその獲物のほとんどがネズミである、……知りませんでした。私の少年の頃の記憶では、結構、水田にいたような気がするので、蛙でも捕まえているのかと思っていました。もっとも、山にも居たのでしょうが、山では見る機会はなかったように記憶しています アオダイショウはトカゲやカエルの他にネズミに鳥の卵など様々なモノを獲物にします。……そのようですね。森林公園でも、一度、木に登っているのを見たことがあります。 マムシが夜行性なのに対し、アオダイショウは昼行性である事も関係していると思われます。……私自身が夜行性ではないので、マムシは見ません(そもそも、今住んでいるところにはマムシはいないということになっている(*^_^*))が、確かに、アオダイショウは、森林公園で時々見かけます。 このイヌワシから逃れるために特に非力な幼蛇時代は目立たない隠蔽色で育ち、成蛇になったらその種独自の色模様になるのだと思われます。……私の通っている森林公園にはイヌワシは居ませんが、エゾフクロウが居ますので、そちらの方が天敵になっているのかも知れません。 ヘビの頭を一撃して噛まれるのを防ぎます。……良く分かります。私も少年の頃、マムシを見つけたら、「まず、長い棒で、頭を押さえろ」と教えられました。他のヘビでもそうですが、頭を押さえて、尻尾を強く引っ張っぱると「骨抜き」になったような状態に陥り、動けなくなりました。(*^_^*)(*^_^*) 瞬間に反射的に飛び上がって逃げ出します。……いや~~、サルでなくても、あの長いのは苦手ですよね。私も、ヘビと雷と注射は今もって苦手です。今年に入ってから、地震も苦手になりました。(T_T)自慢にもなりませんが、公園を歩いていても、落ちている木の枝に驚いて、おもわず飛び退いてしまいます。(T_T)(T_T)(T_T)(T_T)(T_T) アオダイショウの比率が多いのは単純に日本最大のヘビであり、1回の狩りでのコストパフォーマンスが良いからなのではと推測します。……なんとなく分かります。 そのおかげでアオダイショウの幼蛇は逆に毒蛇マムシと間違われて打ち殺されたりしてる訳なので…少なくとも天敵イヌワシから身を護る目的としては全く機能していないと思われます…!……それじゃ、踏んだり、蹴ったりじゃないですか。(T_T)(T_T)(T_T)(T_T) いや~メチャメチャ数が多くてぱっと例を出せないくらいですね(笑)。……私も質問した後から、この質問、止めときゃよかったと、反省していました。(*^_^*) 因みに上記例の「シマウミヘビ」てのは「ウミヘビ科ゴイシウミヘビ属シマウミヘビ」です。何を言ってるのか訳が分からないかとお思いでしょうが真面目な話です(笑)。……はい、「何を言ってるのか訳が分からない(*^_^*)」のですが、昆虫だけの擬態スタイルではないということが知れました。ふと、近くの水族館に、定かではありませんが、「ニセゴイシウツボ???」というヘビみたいな魚がいたようなことを思い出しました。異なる仲間???でしょうね。孫が水族館、大好きなもので。(*^_^*) これはナナホシテントウが体内にアルカロイド系物質を持ち食べると非常に苦いため天敵である鳥類はこれを避けようとするため、忌避物質を持たない他のテントウムシ種もコレにあやかってナナホシテントウに擬態して少しでも難を逃れようとしているのだと推測されます。……興味深いですね。「アルカロイド系の毒物」というと、植物の専売特許かと思っていたのですが、そうではないのですね。 ナナホシテントウ……調べてみましたら、今年3回しかお目に掛かっていません。エゾアザミテントウや変化の多いナミテントウに比べるとあまり見ませんが、まさに「テントウムシの中のテントウムシ」なんですね。孫の絵本を覗いても、「ナナホシテントウ」ですものね。