これは流儀の問題です。
海苔の話題にしたいのであれば、横浜家系というラーメンの仕様はどういうものであるか知っていて言っていますか。
家系と名乗るためには豚骨のスープで、海苔を3枚載せなければいけないんです。で、家系のラーメンたべたことがあればわかりますが、この3枚は最後にほとんど濡れないように載せてあるだけですから、スープのためでないことは明確です。ただし、このパタンで出されたものが「ああ家系だ」と思う文化がすでにできているのです。
ラーメン屋というのは、師匠がいてのれんわけがおおいですが、海苔を入れて評判の店から出るなら「おれはこれこれの店の分家だ」というようにそののれん名をだします。そしたら、海苔をいれなければ「にせもんだ」ということになるわけです。そういうことをしたら「のれんを汚した」ということになります。
流儀で、いっさい海苔を入れず、そのかわりゆでたまごを載せるというのもありますし、モズクを入れるのもあります。師匠がそうだったらそうだろうし、独自で自分が初代のひとならそうでしょう。
豚骨の店で修行して開業したときに豚骨ラーメンの店だとやって閑古鳥が鳴いたので、初代になって煮干しだけのダシにしてやり直して当たったと言う店が赤坂にあったりします。
それは様式なんです。
ただ、味の話をしますと、ラーメンのダシがもし動物系なのであれば、つまり豚とか鶏なのであればこの中にあるうまみ成分はイノシン酸です。これをもっと豊かにするにはグルタミン酸が必要です。ここに味の素をいれれば済む話ではありますが、そういうことを嫌がる店主だったら、海苔を乗せてそこからグルタミン酸を舌に送り込もうという計画にするはずです。
お礼
みんなありがとう