よくSF映画やアニメに出てくるような宇宙船は、作り話であるので、宇宙船の仕組みを無視した動き方をします。
例えばスターウォーズに出てくるXファイターやファルコン号などは急旋回をしますが、このためには左右方向や上下方向へ向けたエンジンが必要になりますが、そのようなエンジンは映画の画像には見当たりません。
あり得ない仕組みの宇宙船であり得ない操縦をしています。
仕組みを考えたり操縦の仕方を考えたりすること自体が意味を成しません。
ハヤカワ文庫の「彷徨える艦隊」シリーズは、ここをかなりリアルに描いています。宇宙空間では敵の戦艦との相対速度が秒速数キロメートルから時には数百キロメートルになります。この速度で旋回してドッグファイトをしようとすると、Gにより人体がつぶれるか、戦艦そのものが破壊されてしまうかします。すれ違う一瞬しか戦うことができません。全長500mの宇宙戦艦同士が秒速50kmですれ違うと、すれ違う時間は1/100秒です。この1/100秒という短い時間に敵の戦艦に狙いをつけて、レーザーを打ったりミサイルを撃ち込んだりしなければなりません。これは人間には不可能なので、完全にコンピュータ制御になります。指令室でコンピュータに入力すると、あとは待つだけです。
すれ違う瞬間にコンピュータが敵戦艦を攻撃します。すれ違った後で、敵にどれだけの損害を与えることができたか、時間がどれだけ損害を被ったかを調べます。敵を打ち漏らしたときに、「急旋回」して追いすがるのには、半日程度かかります。通常の旋回は数日かけますから、5時間程度でUターンするのは急旋回なのです。でもそんなに時間がかかったら、敵は追いつけないくらい遠くに行ってしまいますから、急旋回して追いすがることはできません。戦闘は、すれ違う一瞬で終わってしまいます。ドッグファイトなんてものはなくて、コンピュータ任せの一瞬だけなのです。操縦の仕方なんてありません。
お礼
皆様ご回答ありがとうございます。とても参考になりました。