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焼入れ温度時の焼入れ硬さ低下原因は?
- 0.2%炭素鋼の焼入れ時の加熱温度を上げると焼入れ硬度が低下することがあります。しかし、その低下の原因は脱炭や粒径粗大化のどれによるものなのか疑問が残ります。
- 脱炭は0.2%炭素鋼では影響が少ないため、焼入れ硬度の低下は主に粒径粗大化に起因していると考えられます。しかし、実際には硬さに粒径の影響が表れることもあります。
- この質問では、0.2%炭素鋼の焼入れ温度を高めると硬さが低下する現象について考えています。その原因としては脱炭よりも粒径粗大化が主な要因と考えられますが、硬さには粒径の影響が出ることもあるようです。
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その試験片の断面金属組織判定をすれば、硬さ低下の原因が確認されると思います。 硬さ低下のおもな原因は、 ?酸化雰囲気による表面の脱炭の影響 ⇒脱炭層深さが大きいほど硬さは低い ?残留オーステナイト(オーステナイト加熱温度の高すぎ)、フェライト(A3変態温度に加熱不足)または(肉厚が薄い為オーステナイト加熱後にA3変態温度以下になった)、微細パーラート(冷却スピードの遅れ) ?結晶粒度の確認 (微細なほど焼入れ性は低下、粗大化するほど焼入れ性は向上) 以上となります。
少し違う観点からの回答として。 気になったのは >加熱後すぐにバケツの水につけて水冷 >その温度のとき板厚中心ビッカース硬さは・・・ 加熱温度が高くなると冷却方法の問題も考えられる 水蒸気の発生により冷却効果が弱まる場合もあるので 流水での冷却方法に変更して、600℃位からのデータも欲しいところではある。 板の中心部なら一番影響を受けやすいだろう 冷却の状態は板の変形具合でも想像は出来そうに思う。 冷え方が均一で無いと変形も大きいはず コーナー付近の硬度も考慮すべきと考える
>0.2%炭素鋼 t2mm に焼入れ >加熱温度は(850℃)、950℃、1050℃、1150℃ あまりデータが無い領域。詳しいデータを収集する大冊子でも1000℃まで。 ご指摘の粒径粗大化があり、実用では禁忌とされるから。 >粒径粗大化による強度低下 http://www.daiwakg.co.jp/TECHHEAT.htm 4-2 焼入れ温度と硬さ S55CM http://www.taiyo-kinzoku.co.jp/freepage_29_3.html 表1.4 結晶粒度と諸特性の関係 靱性への影響大でも硬さへの影響小 とするのが定説だと思います。 >0.2%では脱炭の影響は少ない http://www.sanyo-steel.co.jp/technology/pdf/08-5.pdf Fig.3 0.55%Cの高温酸化実験 0.2%Cの酸化速度係数は0.55%Cより大きい。 温度は1200℃まで。データの時間軸がマッチしにくいが、それでも10min以内で急激に進行する様子。 実験条件から無視出来ない、こちらの方が大きく作用してるとも考えられる。 いずれにしろ、業務で試されるなら、衝撃試験の前段階として簡易な折曲試験ででも正常な焼入れ品と比較し、実用可否を検討されるべきでしょう。
焼入れ温度と硬度の関係は焼入れ曲線によって示されますが、 焼入れ温度が高くなってもそれほど硬度が低下していません。 たぶん、それは焼入れ試験方法に由来するものだと考えています。 つまり、2mm厚さ材料のように瞬間的に冷却されるものと、 そうでないものの違いだと思います。 <>は下のURL記載事項の一部をです。 この専門家の説明からすると、上記の解釈は間違っていないようです。 <焼入れ温度を高くし過ぎると、結晶粒が粗大化して「じん性」が低くなったり、焼き入れ組織が変化する(少し専門的ですが、残留オーステナイト量が増えて、硬さがでなくなる)ためで、特に、薄い刃先を持つ刃物などでは高い硬さを出すために高めの温度で加熱するときは注意が必要です>