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高周波焼入れの組織違いによる硬さ変化
- 高周波焼入れする材料の前組織の違いによって同じ高周波の条件でも焼入れ硬さが変化することがある。
- 組織形態の違いによる溶け込み速度の異なりや溶け込み不足が、焼入れ硬度差を引き起こす可能性がある。
- 高周波焼入れの組織の違いによって実際に焼入れ硬さに変化が現れるのかは実証されていない。
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高周波焼入れでS45Cをやったことがあるわけではありませんが、通常の焼入れでも焼入れ前の組織で焼入れ硬さが変化するというのはよくあることなので、短時間焼入れとなる高周波焼入れでは前の組織で焼入れ硬さが変化するというのは、当然のことの様に思います。 確かに炭素が完全に固溶されるまで十分に温度、時間をかけることが出来れば、焼入硬さは「炭素量に比例」します。 しかし、炭化物から炭素が組織中に固溶、拡散が進んで、始めて焼入れ硬さに寄与するため、組織形態の違いで、特に炭化物が大きく凝集していた場合、炭化物の大きさがあり、炭化物間の距離が開いている分、固溶するため及び組織中に炭素が拡散移動するために時間が必要になって焼入れ不足になり易くなります。 また大きな加工歪は、変態、拡散を促進する働きがあるので、引抜加工などの塑性加工されたままの材料を高周波焼入した場合は、その影響を受ける場合もあるでしょう。
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おっしゃる事はまったくあっております。 硬さについては、C量により決定される事は実証もされていますが、加熱後の 冷却中の変体(あるいは加熱時に於いても)の容易さから焼きの入りやすさが 違ってきます。現場も経験(40年程度)して前処理の重要性についてはまったくそのとうりです。近年、非調質鋼の開発とコスト低減により高周波の 現場に於いては苦労が多くなってきております。混合組織の材料では必ず部品の経年変化等を考察の範囲に加えるべきですが、そうは現実的には開発側と 実際の処理に当たる側との差があり、焼きわれ、焼きひずみの後処理に無駄な 時間をさかれているのが現状かと思われます。まず、S45Cのみで話しますと磨き棒鋼(最近の主流材)と調質(焼きなまし程度も含め)後の材料では 現実にHRCで3~5の差が発生しております。前熱処理分の材料ではS45cであっても 58~60HRC迄、硬化させております。ご参考になれば幸いです。
お礼
ご回答ありがとうございます。貴重なコメントに感謝致します。 >S45Cのみで話しますと磨き棒鋼(最近の主流材)と調質(焼きなまし程 度も含め)後の材料では現実にHRCで3~5の差が発生しております。 これは大きな差ですね。
お礼
ご回答ありがとうございます。 小生は炭化物の形態と抽象的な表現をしましたが、「炭化物の大きさ」が ポイントになるのですね。 また、通常焼入れでも焼入れ前組織の影響があるというのは少し驚きですした。