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焼入れと焼きつきのちがいを物質の状態変化から説明して下さい
- 焼入れはオーステナイト状態にしてからマルテンサイトに変化させる高周波焼入れのことです。
- 焼きつきは、ボールベアリングをイメージしています。どのようなプロセスを経ていわゆる固着が起きるのでしょうか?
- 質問文章の焼入れと焼きつきの違いを説明します。焼入れはオーステナイト状態からマルテンサイトに変化させる高周波焼入れの一種であり、焼きつきはボールベアリングなどで起きる固着現象のことです。
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焼入れは、鉄鋼の場合記述されている通りです。無拡散変態で侵入型溶質原子を結晶格子内に閉じ込めたまま、格子を面心型から体心型に変化させるやり方です。 焼き付きは、表面に酸化物皮膜とか窒化皮膜とかが介在しない条件で、金属表面が高圧接触すると、金属結合を生じる為とされています。これを利用したのが異種の金属を接合したクラッド材を製造する目的で行う「爆着」があります。 ボールベアリングの場合でも、潤滑油が切れて加重が掛った状態で金属表面同士が接触すると、焼き付きを生じます。齧りとか毟れは一瞬固着した金属部が引き剥がされたため生じる現象で、二次的なものです。
其々をウィキペディア(Wikipedia)で確認しますと、 焼き入れは、 焼入れ(やきいれ、「焼き入れ」とも。quenching)とは、鋼をオーステナイト 組織の状態に加熱した後、水中または油中で急冷することによって、マルテン サイト組織の状態に変化させる熱処理である。日本刀を鍛える際に用いられる 手段でもある。(日本語名詞「刃(やいば)」の語源は、ヤキハ(焼入れをした 刃)である。)炭素量が0.3%以上でないと、焼入れ効果は期待できない。 焼きつきは、 焼き付き(やきつき)とは、 ◆ 内燃機関において、シリンダー又はピストンに傷が入る現象である。 ◆ 軸受、プレス金型が摩擦熱で過熱し、材質表面が変質(焼き戻し、焼入れ、 焼きなましなど)した状態、あるいは摩耗・溶解してしまう状態をいう。 等が書かれていますので、確認してみて下さい。(今後はその様に確認を) また、鋼の性質等を確認しますと、もっと判り易くなるので、その資料も 添付しておきます。 そして、無関係な液晶の焼きつき等で用いる用語も、追加しておきます。 以上のような確認方法で確認して、その後にもっと具体的な内容の質問を今後 しましょう。
焼き付きや凝着は接触面圧力や温度によって,接触部の分子間力(付着力)が 増大し材料のせん断強度を越えてしまい剥離やむしれが起こると思われま す。場合によっては材料分子の移行が起こることもあると思われ,局所の 組成変化が現れることもありえます。 参考論文を添付します。 http://gspsun1.gee.kyoto-u.ac.jp/JASCOME/denshi-journal/7-2/ACOME-N-02_F.pdf
金属学的な解説は他の回答者さんにお任せするとして、 先ずは機械保全的に申し上げます。 ベアリング球の転道面の潤滑不良(油切れ)により異常昇温が 発生し、内輪や外輪に溶着することが焼きつきです。 油切れには、過負荷や、高速回転によるベアリング球への遠心力 増大とかグリース攪拌とかによる発熱、潤滑油供給回路の異常、 など様々な要因があります。 ボールベアリングの焼きつきに注目するのであれば、日本精工さん などから技術資料を入手されては如何でしょう。