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静圧の回復とは?
- 円形ダクトに送風機を取り付ける場合、静圧は異径胴を介して取り付ける場合と整流区間を設けて回復する場合で変わるのか?
- 静圧回復は圧損を対応するための方法で、整流区間を設ける方法がより大きな圧損対応が可能とされている。
- 空間を作る場合、どの基準で設計すれば良いかについてのアドバイスを求めています。
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まず、流体の運動エネルギーについて。 1つの流体分子の運動を考えたとき、以下の2つの運動に分けて考えます 1.マクロで見た平均的な並進運動(指向性あり)=一般的な流速V 2.ミクロで見ると他の流体分子と衝突しながらいろんな方向(無指向性)に運動している(高校物理の圧力の定義など参考) このとき、 1の運動に相当する運動エネルギーが動圧=1/2・ρ・V^2 2の運動に相当する運動エネルギーが静圧=P と考えると分かり易いです。(学問的にはあまり厳密ではない。為念。) ここで、ダクト断面積をA→B→Aと変化させた場合を考えます(ただしA>B) A→Bの変化では、流速Vが増加、すなわち、動圧が増加、このとき、この動圧の増加分は2の運動エネルギー(静圧)から変換されてきます。(ベルヌーイの定理、V増加→静圧降下) 次にB→Aの変化では、逆に、流速Vが低下、静圧が増加します。こときは、この静圧増加分は動圧から変換されてきます。 静圧回復とは、この流体運動エネルギー(動圧→静圧)の変換のことを意味します。 ただし、B→Aの運動エネルギー変換(静圧回復)を生じさせるのは現象的に非常に難しいです。急激な面積拡大では渦が発生してしまい、粘性で運動エネルギーが熱エネルギーに変換されてしまいます。参考までに、これが断面積変化の圧力損失(運動エネルギー損失)のメカニズムです。 静圧回復を生じさせる一般的な構造がディフューザです。ディフューザでは、少しづつ断面積を変化させ、渦が発生しないようにしています。(概ね、拡大角は5°くらいまで?) よって、今回のケースの場合、「適当な空間」をディフューザとして設計すれば、多少大きな圧損に対応が見込めるハズです。しかし、軸流ファンはもととも渦成分が多いせいか、私の経験では、ディフューザを設けても、10%程度の風量が増加すれば良いほうでした。 最後になりますが、よって、軸流ファンがダクト径より大きい場合は、そもそも静圧回復は生じません。為念。
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「静圧回復」の意味は、上流側で損失したエネルギー[静圧]が取り戻せると 言うことではありません。「適当な空間」とは他と比較すると明瞭に流速が小さくなるような断面積が大きい部分のことで、流速の差に相当するヘッドがその部分の静圧に転換[静圧上昇]されるだけで、下流側において断面積の減少に拠って再び流速が速くなるのであれば、「適当な空間」を設けたことで得をする訳では有りません。 1と2のダクト形状を比較して、どちらが経済的[最小圧力損失]かとの質問ですが、単に断面積が大きい部分を設けても、その部分から下流の400? ダクトとの接続の仕方[形状]に拠っては、かえって圧力損失が大きくなる 惧れが大きいと思います。1の方法を御奨めいたします。
お礼
chinheitsuomih 様 コメントありがとうございます。なるほど静圧の回復とは失われたものが元に戻るわけではないのですね。流路を広げるのは流速を落とし均一化を図るのが目的のようですね。大変参考になりました。お礼申し上げます。
お礼
NETSUYA 様 こんにちは。大変詳しい解説ありがとうございます。とても参考になり理解できました。ディフューザを設けるスペースはなさそうなので軸流ファン直付けで対応します。