引力は広義ではニュートンの発見した万有引力のことで、質量を持った物体同士の間にはすべてこの力が発生しています。
つまり、お茶碗とお箸の間にも生じているのです。ただ、実際には質量が小さいとそれによって生じる万有引力も小さくなり、お茶碗とお箸くらいでは無視できるほど小さいから普段意識しないだけです。
しかし、お茶碗を床に落としたりしない限りお茶碗の形を保っているのは、お茶碗を構成している分子同士の間に生じている分子間引力のためなのです。これはいくら質量が小さくても物体(この場合、お茶碗を構成している分子)同士の距離が非常に近ければ充分に大きな引力が生ずるからです。
で、重力というのは我々の住んでいる地球、あるいはその他の天体とその近くにある物体との間に生じる引力を特定して言ったもので、先ほどの万有引力と同じものです。
表現上の問題として、地球上の物が地面に向かって落ちるのは地球に重力があるからだ、というように表現するのです。
もちろん、地球と月、太陽、人工衛星の間にも重力(万有引力)は生じています。
ちなみに人工衛星が地球に落ちてこないのは、宇宙に重力がないからではなくて、地球に落っこちようとする重力と地球を猛スピードで周回することによって生じる遠心力のバランスが取れているからです。人工衛星やスペースシャトルは充分に地球の重力の影響を受ける位置に飛んでいます。
月が地球の周りを回っているのも同じ原理です。(ニュートンはりんごが地面に落ちるのに、月は何故落ちて来ないんだ?という疑問から「万有引力」の発見をしたのです。
)