「あるように見せかける」のはアウトです。最悪の場合は「引っ越し費用と誤認させて費用を出させた」という「詐欺罪」になります。
貸主に責任がある場合は、引っ越しにかかる費用(引っ越し業者の費用など)、住所を移動することによって発生する損害(通信関係の解約で発生する解約料や、住民票異動などで発生する休業補償など)、新たに賃貸を借りるために発生する費用と向こう何か月かの生活保障(敷金礼金、家賃など)、迷惑料(慰謝料に相当します)が請求できると考えられます。
一般的な賃貸を借り受ける場合、敷金礼金は当然発生しうるものですから、概算で要求するのであれば、これを盛り込んでいても構わないことになります。ただし、「家賃」に相当する部分は現在の家賃と同等額で考えてください。
敷金・礼金の相場はそれぞれ家賃2か月分が全国的な平均です。立ち退きに際して生活保障としての家賃保証は2~3か月分で計算すると、今の家賃相当で6~7ヶ月分が「立退料」(自分の敷金は返却されるので、それを考慮すれば4~5か月分といったところです)になります。
次に損害補償ですが、こちらは引っ越し費用実費、電気水道ガス通信などの契約変更にかかる費用がまず大家負担になります。何もなければ発生しなかった費用が「損害」に当たると考えてください。また、引っ越しによって仕事を休まなければならないならその休業補償も求めることができます。通常は発生するクリーニング代なども「借主に重責任のあるもの」以外は払う必要はありません。ぜひ出てってくれに必要以上の原状回復を求めるのが間違いということです。
そして難しいところにあるのが迷惑料です。「まともな教育を受けていない」という発言は侮辱ですし、配達物が多いかどうか自体は例え借主の事情があったとしても介入されるべきではないプライベートです。つまり、いわれのないことで居住権を脅かされたという慰謝料を請求できることになります。
敷金礼金相当についてはうそをつかないで、その金額で「迷惑料・慰謝料」で示談すればよいかと思われます。