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昔、小惑星は砕けた元惑星説を聞いたことがありますが
今の学説だと違うのでしょうか? 惑星の成りそこないと聞きました。
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確かに以前は今の小惑星帯(アステロイドベルト、火星と木星の間に存在)にはあまりにも小惑星が密集しており、そこには昔は惑星があったが、なんらかの理由で粉々に砕けて多数の小惑星となってしまったという説がありました。 そういう説が出てきた理由ですが、太陽系の惑星の配列について太陽からの距離がある規則によって定まるという説(ボーデの法則)があり、しかもその説が当時は未発見だった天王星の発見によって裏付けられました。もちろん、現在の知見ではボーデの法則は特に根拠はないと分かっています。しかし当時は未発見だった天王星を予言したとして信ぴょう性が高まり、ボーデの法則が小惑星帯の位置に惑星があるはずとしているため、小惑星は惑星が破壊された名残だろうと思われたわけです。 当時(18世紀終盤~19世紀)の知見では、太陽系がどうやってできたかも分かっておらず、そのため逆に理論的には何でも言えてしまうといったことがありました。接近しすぎた二つの惑星が潮汐力で崩壊したとか(1848年には天体の異常接近は天体の崩壊を招くという「ロシュの限界」が理論化されている)、惑星が巨大隕石の衝突で砕け飛んだとか、想像はいろいろ可能で、しかも想像したことが間違いかどうか確かめることは難しかったのです。 現在までに分かったことは、小惑星帯の天体全てを集めても月の質量に足りないくらいしかないということ(それだけ小さいとロシュの限界による崩壊が考えにくくなるし、月以下では予想されていた惑星より小さい)、小惑星帯の天体には惑星が崩壊したときに受けるはずの高温の影響が見られないこと(惑星クラスの天体の衝突があり得ない根拠になる)、理論的には木星の重力の影響で小惑星帯では微小天体が惑星まで成長しにくいこと(宇宙塵から現在の太陽系までの成長シミュレーションなどで確認できる)、などがあります。ですので、現在では小惑星帯の天体は惑星にまで成長できなかった微小天体群だと考えられています。
お礼
お詳しくありがとうございます! 科学は日進月歩ですね!