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いわゆる「ざる法」は法の温情精神なのでしょうか?
新しい法律ができるたびに、「これじゃザル法だ」と批判を浴びることが多いですよね。 それで、色々社会問題として深刻化してから罰則強化等改正されるような道筋が常ですが、こういう道筋、についての素朴な疑問です。 わざと抜け道だらけになっていることが容易に指摘される状態でいつも立法されている、ということは、なにか法学上の基本精神などで、初犯者には直接法を適用した違法→起訴処分とはせずに、注意警告を与えるだけにすべきである、等の温情のバックボーンがあってのことなのでしょうか?
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法律はそれまで無秩序のところに秩序をもたらそうという目的で作られます。そこで、法律を作り罰則を設けて、実態として法律が遵守される状態にするには、 1.その法律の適用範囲が明確なのか 2.その法律を受け入れる社会の準備が出来ているか 3.その法律自体がうまく目的とする秩序をもたらすように働くのか 4.その法律は社会に十分に周知されているか という現実の話とのすりあわせが必要になります。 この中で4番のみであれば、公布と施行の時期をずらせばよいだけですが、1~3が問題になります。 現実問題として遵守が容易で無い場合は、それに罰則を設けて強制するのはきわめて困難となるので、そのためいわゆるざる法として努力規定にとどめることが行われます。 たとえば運転中の携帯電話禁止であれば、ハンズフリーの道具が社会で容易に手に入る状態でなければ法に書かれたハンズフリー装置であれば認める条文は意味を成しませんので、法律によってそれが普及してから今回のように罰則追加ということも行われます。(もちろん2,4の意味もありますが) あと現状努力規定の法律では男女雇用均等法もそうですね。こちらは特に1の範囲が微妙というのも一つの問題であり、また2,3もいまだに議論があります。ただ、法律があるということはたとえ罰則がなくても、民法における不法行為に対する損害賠償請求の根拠にはなります。つまり一定の効果は期待できるわけです。 したがって確かに罰則による強制力が無いというのはざる法と言われるけれども、無意味というわけではないのです。 つまり色んな効果(1,2,3,4を満たすように社会が変わるなど)を期待することは出来ます。 だから単に温情というわけではないでしょう。
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- cazcater
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いわゆる「ざる法」というのは、深い解釈と理解が必要です。 つまり、法律の適用が自在にできると言うことです。 また、法律を作るべしという要求と作られては困ると言う人の着地点でもあります。 過去の法律はその運用状況に応じて追加されています。 ご質問のように「温情」でもあり「妥協」でもあり「執行者」に都合よく適用権の裁量があるものです。 よって、弁護士が跋扈する世の中になっています。
お礼
>また、法律を作るべしという要求と作られては困ると言う人の着地点でもあります。 そうですね。 そこで問題になるのが、「作られては困る人々への配慮?」を最大限に活用した「法の網をかいくぐった」悪質商法やら、悪質民事の罠にに庶民がはまってしまうことです。 これが、どろどろした立法府のセンセ達の人脈で意図的に作り出されたトンネルなのか、もともと学問的に近代の法学の根本精神として温情の余地を残すべき、という大前提があるのか、知りたかったのですが、その辺は法学部のみなさんが学ぶ最初の基本精神にそういうものはあるのでしょうか? >過去の法律はその運用状況に応じて追加されています。 >ご質問のように「温情」でもあり「妥協」でもあり「執行者」に都合よく適用権の裁量があるものです。 >よって、弁護士が跋扈する世の中になっています。 まったくそう思います。。。 悲しいけれど、法の網をかい潜った悪質民事など、悪徳業者や暴力団の顧問弁護士が腕によりをかけて法解釈技術にしのぎを削って研究を重ねている結果ですものね・・・
- a2gck3je
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国会議員そのものも犯罪を犯すかもしれないので、あまり厳しくしなかったり、もしくはその法律に関しての知識がない、時間がない、どうでもいいとかじゃないですか? あと、罰則強化でも具体的な年数をどうやって決めればいいのでしょうか!?なかなか難しいと思うんですよね。あと、1つだけ罰則を強化するとそれと似たような刑法についても罰則を強化しないといけないですよね。そうこうしているうちに、1年中刑法ばかりで終ってしまう可能性もあるかと思います。そうなると、国民の心情からすると「何をやってるんだ!もう選挙では投票しないぞ!」となってしまうでしょう。それを恐れているのかもしれないですね。
お礼
(^^)好意的に解釈してあげるとすれば、立法府である国会議員のセンセは、当選してからやっと付け焼き刃の猛勉強ですから、しょうがないですよね。。。 きびしく見ようと思えば、議員特権でやりたい放題のセンセが、さらに手抜かりなくやりたい放題が絶対犯罪にならないようにするための「慎重な検討」がなされた結果なのかもしれないですね・・・・ また、皮肉は抜きにしても、法整備を急ぐべきか、慎重を期するべきかは国民としてもジレンマに悩みますね・・・
お礼
明快で素人にもわかりやすくどうもありがとうございます。 >民法における不法行為に対する損害賠償請求の根拠にはなります。つまり一定の効果は期待できるわけです。 これが私達素人にとってみれば諸刃の剣で、専門家にざる法を「最大限上手に活用」されてしまうと、あとは弁護士の能力レベルや、弁護士報酬の問題でどうにでもなってしまう、というのが恨んでも恨みきれない我が国制度のくやしいところですよね。 >したがって確かに罰則による強制力が無いというのはざる法と言われるけれども、無意味というわけではないのです。 これをうまく正義のために機能させられる、「権力」(というと語弊ですが、実行力というか・・・うまくいえませんが)と、人を動かすための財力がなければ、弱い物はざる法に泣かされるのが世の中の常ですよね。。。