で、解答のヒント
(1)
あるnが存在して、α≧α_n + 1/(10^n)だったとして矛盾をしめす。つまり、実数αと、αの小数点以下第n桁までの数α_nとの誤差が1/(10^n)以上あったとして、矛盾をしめす。何度も繰り返しますが、ここで『0.4999........ という表記は許さない』。
いま、(b)より、nより大きい自然数mで、p_mが9でないものが存在する。そのようなmの中で最小のものをMとする。(M>n)
p_Mは8以下(9でない)
lim_{n→∞} α_n = Sとすると、
S = lim_{n→∞} Σ_{1≦k≦n} p_k / (10^k)
= [ Σ_{1≦k≦n} p_k / (10^k) ] + [ Σ_{n≦k≦M-1} p_k / (10^k) ] + p_M / (10^M) + [ lim_{n→∞} Σ_{M+1≦k≦n}p_k / (10^k) ]
≦ [ α - 1/(10^n) ] + [ Σ_{n≦k≦M-1} 9 / (10^k) ] + 8/(10^M) + [ lim_{n→∞} Σ_{M+1≦k≦n} 9 / (10^k) ] (A)
(A)を計算し、S < α となって(c)と矛盾する事をしめす。
(2)
(1)から容易。αの小数展開が 2つ以上ある、として矛盾を示す。
今、{q_n}, {r_n}が、αの異なる小数展開だったとする。異なる、といっているのだから、q_m ≠ r_mとなる自然数mがあるが、このようなmの最小のものMを取る。
つまり、q_1, q_2, ..., q_{M-1}は全て対応するr_1, r_2, ..., r_{M-1}と一致するが、q_M ≠r_M
q_M > r_Mとして一般性を失わないのでそうすると、
α - Σ_{1≦k≦M} r_k / (10^k) = α - Σ_{1≦k≦M} q_k / (10^k) + (q_M - r_M) / (10^M)
ここで、
*{q_n}はαの小数展開だったから、Σ_{1≦k≦M} q_k / (10^k) ≦α (であることを示す:α = Σ_{1≦k≦M} q_k / (10^k) + lim_{n→∞}Σ_{M+1≦k≦n}q_k / (10^k) となる事に注意)
*q_M - r_M ≧ 1 (異なる整数の絶対値差は1以上)
であることから、α - Σ_{1≦k≦M} r_k / (10^k)≧ 1/(10^M)となる事を示し、(1)に矛盾する事を示す。
お礼
tmpname さん 問題の意味から解答のヒントまで大変丁寧に解説していただき、本当にありがとうございました。これで何とか解答作れそうです。