黎明期というか発展史にご興味があるという事ですね。
航空機と流体力学は言うまでも無く切っても切れない関係です。ライト兄弟も簡単な風洞実験を行っていましたし、第一次世界大戦に搭乗した世界最初の戦闘機は今日のものと比べても遜色のない風洞実験によって生み出されました。
コンピュータは何をもってコンピュータと定義するかにもよるでしょうね。たとえば計算尺や手回し計算機だって広い意味で言えばコンピュータですから、航空工学の最初からコンピュータは利用されていたともいえます。
こういったことを網羅的に書籍にまとめたという事例は私も記憶にありません。
多くは専門書、学術書の中に挿話的に紹介されているのみだと思います。その意味ではポフや谷一郎の著書などは流体力学や航空工学の歴史の一部に触れることができると思います。
大正時代には既に『航空機講話』や『航空の知識』といった書籍、『東京帝国大学航空研究所雑録』などの研究所報などが出版されていますから、国会図書館で閲覧してみるといいかもしれません。またNASAの前身であるNACAのレポートやJAXAの前身であるNALの報告なども勉強になります。
私も20代の駆け出し技術者の頃によく国会図書館で流体力学の古い書籍を読み漁りましたし、NACAやNALの文献は弊社の顧客でもあるNALで手に入れて勉強しました。