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農民10人はどれ位の人数を実質的に養えるの?

農業を価格本位で計算するのではなく、食糧自給という観点で計算するとどうなるのでしょうか。 その客観的な数値ってあると思うんですけど。(地域、産業、時代で変わりますが) 米農家10人、冬はハウス栽培。 野菜農家10人、冬はハウス栽培。 土地は無限に持っているとします。会社員として農業法人で勤務しているという前提で。 生産物は全て市場に回しません。果たして、どの程度の作物の量が得られるのでしょうか。 一点、農薬を使わないものの、比較的機械化されている状況にて。 どうでしょう?

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回答No.3

こんにちは。農家でアルバイトしています。 色々な条件が絡んでくるので、一概には言えないと思いますが、ざっくりと言うと、ご質問の条件では、一人で20~30人分、10人で200~300人分ぐらいでないかな、という感じを持ちました。(あくまで個人的な意見です)もちろん、機械化が進めば、この数字はかなり伸びると思います。 米はかなり機械化が進んでいて、家族で100ha近い面積をやっている人もいるそうです。1反歩(10a=0.1ha)で10俵もあがれば上出来と言われているそうなので、平均6~7俵ぐらい上がったとして、一人が一年に1俵の米を食べたとすれば、6~7000人分ぐらいの人の米を作れる計算になりますね。(ただ、問題はそれだけ条件の良い農地が、日本にはほとんどない、ということですが…) ただ、作物というのは、ある程度、植え付け時期、収穫時期が決まっていますので、面積が増えるということは、結局、時間との戦いになるということを意味しています。 当然、100haもやれば、相当の大型機械を使わねば、時間的に間に合いませんし、農薬や、除草剤なども、かける回数を減らすために、かなり強めのものを使うことになると思います。もし、無農薬でやるのであれば、すぐに水田が草ぼうぼうになってしまいますので、収量も落ちますし、病気も出ますし、かなり面倒になると思います。無農薬でやるのであれば、かなり規模を縮小する必要があります。 また、米は現在では、大型コンバインで刈り取ると同時に脱穀(籾を稲穂から引き離す作業)を済ませてしまい、その籾をトラックの荷台につけた、大きな袋に入れて、倉庫まで運ぶ、という方法が主流になっていますが、倉庫に保管する際に、水分が十分に抜けていないと、中で籾が腐ってしまう可能性があるため、いったんボイラーで灯油を燃やして乾燥させてから、倉庫にしまう、というのが、定番のやり方になっています。 その年の天候にもよるのですが、秋に雨が多い年などは、この乾燥に結構時間がかかったりするので、稲刈りが思うように進まないことがあるそうです。ですから、大きくやっている人は、大量の籾を乾燥させるための、大きな乾燥機を何台も持っているはずです。(小規模でやっている人などは、それほど時間に追われることもないので、もう少し乾燥してから刈ろうか、などと、時間をずらすこともできるわけです) また、機械は大型化すればするほど、値段も飛躍的に高くなっていくそうです。おそらく、数多く作らないため、部品を作るコストが高くつくのだと思います。故障したときの部品交換の値段なども、大型化すればするほど、びっくりするほど、高くなっていくそうです。ですから、大規模化すればするほど、コスト削減できるかと言えばそうでもなく、ある一定のラインからは、全く利益が上がらなくなるのではないか、と農家の友人がよく言っています。 米はかなり機械化に向いていて、省力化できる作物だと思いますが、野菜や果樹などは、まだまだ人間の手間がかなり必要で、なかなか簡単にはいかないと思います。 何が面倒かというと、結局、収穫が一番面倒なのです。だいたいの作物は、一つ一つ、人間の手で収穫するものですから、機械で土を耕し、化成肥料で必要な養分を補給し、農薬や除草剤で病気や害虫、雑草を抑えることができたとしても、結局、野菜や果樹をそれほど大規模化できないのは、この収穫の手間があるからです。 一つの作物が収穫期を迎えると、他の作業がほとんど手につかなくなるほど忙しくなってしまうので、ほとんどの農家は、この収穫時期が作物同士、かぶらないように、毎年頭を悩ませているのです。たいてい稼いでいる農家は、朝4時に起きて、夜10時まで箱詰め作業など、会社では絶対にありえないような時間まで働いています。 また、野菜には連作障害というものがあります。野菜によって必要とするミネラルなどの栄養素が異なっているため、同じ作物を何年も続けて栽培していると、必ずと言っていいほど、病気が発生するようになるのです。ですから、野菜農家は、作業時期がかぶらないよう、入念なタイムスケジュールを組まねばならない一方で、この連作障害による、土中の微量要素の欠乏にもまた、常に気を配っていなければならないのです。 また、化成肥料や農薬、除草剤などに頼ると、たしかに、一人で多くの圃場(ほじょう)を管理することが可能になるのですが、そういうものを多用すると、確実に、土が荒れていきます。 化成肥料には、硫酸や塩酸などの多くの塩基が含まれていて、畑の土を酸性に変えてしまうのです。田圃の場合は常に川の水が流れ込み、不純物を取り除いてくれるので、そういうことが起こらないそうですが、畑の場合、化成肥料を使うと、不純物がずっとその場に蓄積されていくため、土がどんどん酸性に傾いていき、作物が生長しづらい環境になっていくのだそうです。そのため、アルカリ性の石灰などをまいて中和するのですが、石灰というのは、もともと石灰石といって、固くなる性質を持っていますから、畑の土がどんどん固くなっていってしまうんですね。 また、農薬や除草剤を使うと、それまで畑に生息していた微生物や、昆虫などが姿を消してしまい、生態系が乱れることにより、植物が健全に成長することが難しくなっていきます。また、トラクターで毎年土を耕すことにより、何十年、何百年とその土地で蓄えられてきた有機物の層(腐植と呼ばれています)が破壊され、土からは柔軟性と生気が失われ、ホコホコとした黒土が、数十年で死んだような固い白土へと、変化していってしまうのです。 ですから、一概に、機械を利用したから生産量が伸びる、というわけでもないと僕は考えています。たしかに一時的には爆発的に生産量が伸びるはずですが、その後何十年もかかって、しだいに収量は減っていき、最終的には、費やしたエネルギーにも満たない量の収穫した得られないような、完全な赤字産業へと没落していってしまいます。(自然農の福岡正信さんの話では、現にアメリカはすでにそうなっているそうです) ただ、米に関しては、機械を使うことによって、何百人分もの食料を一人で生産することが可能になった、と言い切ってもいいように思います。ですから、野菜や果樹に関しても研究が進めば、そのようになっていく可能性はあると僕は思っています。現時点では、なかなかそうはならないでしょうね。 あくまで僕の個人的な意見ですが、何かのご参考になれば。

ferra
質問者

お礼

赤の他人に、よくぞ神髄を教えて頂き、本当に、ありがとうございます。 ちょっと素人にはキャパオーバーですが、とても参考になると思います。 今回の自民党の件、そしてTPPのことで、経済論産業論的な観点で勉強しています。 産業的な観点で、農産物を市場に流さずに現物を分け合うことで、都会人と農業人の”絆”を作れないのかな、と思い質問させて頂きました。つまり価格を付与しない形で、流通をさせることで産業構造を見直す事ができないか、勉強中です。農業従事の1人が都会人をどの程度「実際に」喰わせれるかによって、支えられた人の労働力がどの程度自由になるかを計算したかったのです。 明治維新以降、政府は西側の仕組みをコピーして、労働人口を農業以外に振り分けたわけですが、これはモノが売れる時代には正しいですが、今モノが溢れた時代になると工業従事は減らければオカシイように思います。 ショーペンハウアーとかのドイツ人の感覚に戻ると、人口に対してどう労働力を配分するかが当時は問題でした。 自分も少し自然農法を手伝った事がありますが、今は岩澤信夫さんのような不耕作のような安心かつ多少機械効率的な農業で、成果のある方法に興味があります。(コンバインは要らないようです) 小人数や兼業でもゆったりとできて、多くの都会人を支えられる具体的なモデルを色んな人に考え出して欲しいと思っており、ベーシックインカムと掛け合わせられるような農作物の循環が都会人と農業人の「安心」を保証できる明るい未来が来ることを、祈っています☆ ありがとうございました。今は農業補助金とかあるようですが期待せず、自分もそういう世界に踏み込むかは分かりませんが、意識していたいと思っています!

その他の回答 (2)

  • goncici
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回答No.2

認定農業者で検索するといろいろ出てきますよ。 米だけなら1人で20haの方もいます。 平均収量は、農水省の平年収量からです。 URLは農水省の水田作経営の調査結果です。 参考になれば。

参考URL:
http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?lid=000001135835
ferra
質問者

お礼

ありがとうございました! ちょっと数字が多くてビックリしましたが、後日、北海道4分割(6分割)の件も気になり、北海道の資料を読み込むことで、少しだけはわかりました。 自民党は北海道の票を裏切って、今回のTPPで捨てたので、次の選挙の得票数を最大限に高める為に、分割しようとしてる気がします。ついでに北海道が成功すれば、本州も道州制に移行させ、どさくさで都合のいいように選挙区割りをするつもりでしょう。 自民党のやりたい放題ですが、農業人が日本を支えていることに敬意を表し、北海道の方も不満があるようなら、公正な区割りになるよう、監視してほしいです。メディア偏向も不正選挙(ムサシやネオナチ選挙手法)もあるようですが、日本の農業がF1栽培や利権農業にならないよう祈っています!

  • goncici
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回答No.1

米なら機械化で100ヘクタールいけるんじゃないでしょうか。 それ以上かな~ 10a当たり500kg、1ha5tとして500t 米食のみなら1人当たり120kgで4000人。 麦も同じ面積で10a当たり200kg、1ha2tとして200t 米と併せて6000人くらいでしょうか 野菜は品目で1人当たり面積が凄く違ってくるので不明。

ferra
質問者

お礼

大変ありがとうございます。何か参考となる資料はありますか?(勉強用) では1農民が600人の穀物自給+野菜、となりますよね。 驚きました。もっと検証してみたいです。 実際、今の農業法人もその位の生産力/効率性があるのですかね。。

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