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戦前の日本の農業の病虫害対策は
50年だか100年だか昔の日本には農薬とか化学肥料などがなくても農作物を自給できていただろうと思うのですが、その当時は病虫害でどのような苦労があったり、どのような対策がとられていたのでしょう。 あるいは、この時代は全国的に有機栽培しかなかったためエコシステムの乱れがなく、病虫害も今ほどではなかったのでしょうか。
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農薬や化学肥料が多く使われるようになったのは1960年代以降のことです。 それまでは日本のほとんどの農家が地元の落ち葉・牛糞・人糞・雑草などを活用して堆厩肥にして、肥料として利用していました。 作物の品種もそれにあった、地域にもともとあった伝統品種(固定種)で、病害虫にも強い品種でした。 また、大量生産をしていませんでした。 現代のいわゆる「近代農業」(農薬・化学肥料を多投し大量生産をめざす農業)では大量生産・販売のためにそれに似合った品種・・「多収量、見た目がよい、甘い」を使うため、必然的に虫もそれを好むわけで、薬が必要になってきます。 もうひとつ、大量生産(たとえば長野の高原野菜)の場合、必然的に畑では何年も同じ作物を作ることになります。(連作)田んぼの場合は水が栄養を運んでくるのと、水で病気のもとのカビが死ぬので連作してもよいのですが、畑の場合は連作すると、病気が出ます。ですから薬が必要となってきます。 さらに薬を使うと、虫の側も耐性がついてより強い薬を使うという悪循環も生じます。 つまりは、大量生産を目指すということが薬が必要な最大の要因と言えると思います。もちろん他にもいろいろ要因はあると思いますが。 それがなかった昔は、もちろんある程度の病害虫の発生はあったでしょうが、薬は必要なかったのだと思います。
- 参考URL:
- http://www.shimosato.com/
お礼
大局的な見地からのご解説をいただき感謝いたします。