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なぜ北極にはペンギンが、南極には白熊がいないの?
とくにペンギンなんて結構暖かいところにも移動してますよね? 北極に住み着いてもよさそうなものなのに。
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- kagakusuki
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次にペンギンに関してですが、ペンギンは陸上で子育てを行い、沖合の海でオキアミや魚を捕らえて餌としています。 海で餌を獲っているという事は、海に十分な餌がある所にしか棲息出来ないという事です。 ペンギンが主な餌としているオキアミや小魚は海中のプランクトンを餌にしています。 プランクトンには動物性プランクトンと、植物性プランクトンの2つに大別する事が出来、動物性プランクトンは植物性プランクトンを餌にしています。 その植物性プランクトンは光合成によって海水中の水分と養分から栄養を作り出す事で繁殖しています。 そして、植物プランクトンに取り込まれた養分は、食物連鎖によってオキアミや魚の体内に取り込まれますが、植物プランクトンが取り込んだ養分の全てが生態系で循環し続ける訳ではなく、養分の一部は動物の糞や生物の死骸となって深海へと沈降していく事で、海洋の表層から失われて行きます。 これにより赤道直下から少し外れた亜熱帯の暖かい海では海水中の養分が少なくなるため、幾ら温度と日光が豊富でも植物プランクトンの発生量が限られますから、その植物プランクトンを餌としている動 物プランクトンの量も少なくなり、プランクトンを餌としているオキアミや小魚も少なくなります。 【参考URL】 海 - Wikipedia > 5 海洋の生物生産 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B5%B7#.E6.B5.B7.E6.B4.8B.E3.81.AE.E7.94.9F.E7.89.A9.E7.94.9F.E7.94.A3 つまり、亜熱帯の海にはペンギンの餌が少ないため、ペンギンは北半球側の亜熱帯の海域を越えて分布域を拡大する事が出来ない訳です。 しかし南半球にも亜熱帯の海域は存在するというのに、赤道直下のガラパゴス諸島にもペンギンは分布していますが、それは深海へと沈んだ海の養分と関係があります。 深海に沈んだ養分の全てがいつまでも深海に留まっている訳ではありません。 南北両極では冬の間は低温によって海水が凍って海氷の量が増えます。 水に限った話ではないのですが、液体が固体の結晶となる際に、もし液体に溶け込んでいた不純物が結晶中に混じり合ってしまっては、結晶構造に歪みが生じて結晶として成り立たないため、液体が固体の結晶となる際には、不純物を含まない純粋に近い成分だけで結晶が形作られ、未だ固体となっていない液体の方に不純物が取り残されるため、固体となっていない液体の部分の不純物濃度が高くなります。 海水は塩類という不純物を含んだ水ですので、極地で海水が凍る際には、海氷の底部に塩分濃度の高い海水が生じる事になります。 塩分濃度が高い海水は密度が高いため、海底へと沈みこみ、丁度地表において雨水が川となって流れるのと同様に、海底の地形に沿って流れる様になります。 この流れの事を深層流又は深層海流と言い、養分が沈んでいる深海の海水を巻き込んで流れています。 【参考URL】 南極サイエンス基地 > 南極海の海氷の役割 / 海氷と海流 > 南極の海の仕事 http://polaris.nipr.ac.jp/~academy/science/kaihyo/kaihyo04.html 深層海流は何百年~何千年(平均すると約2千年)も掛けてゆっくりと世界中の深海を循環していき、最後にはアラスカのアリューシャン列島の南側で海底地形の斜面にぶつかって海の表層に湧昇しています。(一部にはインド洋北部でも湧昇しています) 【参考URL】 北海道大学 > 学部・大学院 > 環境科学院/ 地球環境科学研究院 > 地球圏科学専攻 > 大気海洋物理学・気候力学コース > よみもの > 「シリーズ:氷がつくる海洋大循環(1) 塩のさじ加減で決まる海洋大循環」 by 大島慶一郎 (2010年12月10日掲載) http://wwwoa.ees.hokudai.ac.jp/readings/2010/ohshima_ice-ocean01.html 又、南極海では表層の海水温が寒風によって冷やされて密度が高くなるためと、塩分濃度が高い海水層が比較的浅い所にまであるため、海洋の表層水と、養分の豊富な下層水が混ざり合いやすく、風や海流の影響によって養分の豊富な下層水が海洋の表層水と混合しています。 【参考URL】 JCCA 一般社団法人 建設コンサルタンツ協会 > Hot Consultant バックナンバー > Vol.251 <特集>海洋 ~海からの恵み~ > 海流のメカニズム/川邉正樹 http://www.jcca.or.jp/kaishi/251/251_toku3.pdf このため南極海の表層水は養分が豊富となり、植物プランクトンが良く繁殖し、オキアミや魚といったペンギンの餌となる生きものも豊富になる訳です。 南極以外にもペンギンはいますが、それは全て南極の近くから始まっている寒流が流れている領域です。 【参考URL】 ペンギン - Wikipedia > 1.1 分布 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9A%E3%83%B3%E3%82%AE%E3%83%B3#.E5.88.86.E5.B8.83 ペンギンが元々住んでいた場所を離れて未知の海域にまで分布を広げるとすれば、それは方向を見失って漂流した時くらいのものです。 幾らペンギンが泳げると言っても未知の海域ではどの方向へ向かえば餌のある所に辿り着くのかなど判る訳がありませんから、その場で餌を獲るしかない訳で、そうなりますと餌の少ない暖流の中では生き延びる事は難しいと思われます。 ですから、漂流ペンギンの中でも寒流の中に留まったものが、偶然にも繁殖可能な陸地(沿岸近くにまで寒流が流れていて、尚且つ、近場の海域で養分の豊富な深海水が湧昇している様な陸地)に流れ着いた場合にのみ分布を広げる事が出来る訳です。 南極以外でペンギンが生息しているのは、アフリカ南部、オーストラリア南部、ニュージーランド、南アメリカ大陸西岸の南半球側、ガラパゴス諸島等です。 アフリカ南部では南ないし南東の風が多く、海の表層にある水が沖合いに吹き流されてしまうため、失われた表層水と入れ替わりに、下層にあった深層水が海面にまで湧昇して来ますので、ペンギンの餌も豊富です。 【参考URL】 ベンゲラ海流 - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%99%E3%83%B3%E3%82%B2%E3%83%A9%E6%B5%B7%E6%B5%81 オーストラリアでは冬期において南東方向へ向かうモンスーンが吹くため、冬期間は表層の海水が沖合いに吹き流され、失われた表層水と入れ替わりに、下層にあった深層水が海面にまで湧昇して来ますので、ペンギンの餌も豊富です。 南アメリカ大陸西沿岸海域の表層には南の高緯度海域から北の低緯度海域に向かう海流が流れているのですが、南北方向に移動する物体にはコリオリ力が働くため、高緯度海域から低緯度海域に向かう海流の中の海水には流れの向きを西向きに変えようとする力が働きます。 【参考URL】 FNの高校物理 > 3.地学 > コリオリ力 http://fnorio.com/0003coliolis2/coriolis_force.htm そのため、表層の海水が沖合へと流れてしまい、失われた表層水と入れ替わりに、下層にあった深層水が海面にまで湧昇して来ますので、ペンギンの餌も豊富です。 【参考URL】 湧昇 - Wikipedia > 2.1.1 沿岸湧昇 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B9%A7%E6%98%87#.E6.B2.BF.E5.B2.B8.E6.B9.A7.E6.98.87 太平洋の赤道直下には赤道反流という養分が豊富な海流が流れており、ガラパゴス諸島はこの赤道反流を遮る位置に存在しているため、ペンギンの餌も豊富です。 【参考URL】 赤道反流 - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B5%A4%E9%81%93%E5%8F%8D%E6%B5%81 つまり、ペンギンは南極から流れてくる寒流内の海域で、しかも餌が豊富な場所にしか分布を広げる事しか出来ず、餌が乏しい亜熱帯の海を越えて北半球に到達する事など出来ない訳です。
- kagakusuki
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まず白熊(ホッキョクグマ)に関してですが、ホッキョクグマの主食はアザラシの類であり、それも海氷に空いた穴を使って息継ぎをしに来るアザラシを、待ち構えて捕獲するという狩りの仕方をしています。 【参考URL】 ホッキョクグマ - Wikipedia > 5 生態 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9B%E3%83%83%E3%82%AD%E3%83%A7%E3%82%AF%E3%82%B0%E3%83%9E#.E7.94.9F.E6.85.8B そのためホッキョクグマは海氷が無い所ではろくに狩りも出来ません。 普段は氷に被われている極地では、河川に魚がいる事は少ないと思われますから、ヒグマの様に川で魚を取る事は出来ませんし、植物質の食糧では身体を維持するのに十分とは言えません。(海藻類は摂取エネルギーと比較して、含まれている過剰なミネラル類を尿として排出するために要するエネルギーの割合が多くなりがちです) さりとて、海に潜って獲物を獲ろうにも、水中における運動能力でアザラシや魚と言った水棲生物に敵う筈もありません。 つまり、ホッキョクグマは海が氷で被われた環境でなければ十分な餌を得る事が 出来ないため、温暖な地域を越えて生息範囲を広げる事が出来ないのです。 それなら温暖な地域でも通用する仮の仕方を覚えれば良いと思われるかも知れませんが、温暖な地域には既に他の肉食獣が生息していますから、温暖な地域での仮が不得意なホッキョクグマでは生存競争で生き残る事は難しいと思われます。
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こんにちは。 ペンギンは飛ぶのが下手で地球の南半球で進化した鳥です。地球の北半球にまで生息地を拡大しようとしても、飛んですぐに北極に行けるわけでもなく、また高い海水温に阻まれて赤道を越えて北半球に移動することはできないのです。 北極の白熊は南極のペンギンと同じように、寒い地域に住んでいるという共通点を持っています。しかし、寒いと一言で言ってもその寒さは、南極と北極では天と地ほどの気温の差があります。南極の平均気温はマイナス30~50℃、北極の平均気温はマイナス20~30℃くらいです。 つまり、圧倒的に南極の方が寒いのです。さずがの白熊も南極は寒すぎて住むことができません。一方、ペンギンはというと、南極に住もうと思えば済むことができるし、実際に住んでいました。ところが大航海時代に人間に滅ぼされてしまったのです。 そのようなわけで、現在はペンギンは地球の南半球にしか残っていないのです。しかし、ペンギンが空を飛べたら生息地を地球の北半球や北極にまで広げることができると思います。 結論として、ペンギンはどこにでも住むことができるので北極でも生息することが可能です。それに対して、白熊は南極のような極端な寒さには耐えることができないので、おのすと南極で生息することができないということになります。 その他にもいろいろな諸説があるようですが、私が知っているのはここまでです。
- shintaro-2
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お礼
むかしむかし大陸が一つだった時まで遡るのですね。 ありがとうございます。
- trytobe
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陸続きじゃないし、流氷に乗っていっても赤道までには融けちゃうから。
お礼
ペンギンは泳げますからね。というか南極以外にも南アメリカとかにたくさんのペンギンは住んでます。その気になれば歩いて北極まで行けますね。
- yoruaru-q
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素人ですが、ペンギンやシロクマのように寒いところに適応した動物は、暑いと生きられない(必要な食べ物もつかまえられない)ので、赤道を超えての移動もでないのではと思います。 よって北極と南極は別々の生態系になっているのではないでしょうか。
お礼
赤道直下のガラパゴス諸島にたくさんのペンギンが住んでますよ。暑くても大丈夫です。(というか暑くても大丈夫なように進化したのかな) ・・・というか暑い地域でペンギンは生まれて寒いところでも生活できるように進化したのかも?
お礼
赤道直下の島にもペンギンは生息しています。これ以上泳いで北上するには人間が邪魔で無理なのでしょうね。ありがとうございます。