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冥王星の直径
ニュースでは ニューホラインズンズの観測により 「米航空宇宙局(NASA)は14日、探査機ニューホライズンズの接近観測で、冥王星の直径は地球の18.5%に相当する2370キロと分かったと発表した。これまでの大方の推定より若干大きい。」と報道されています。 私の手元にあるH25理科年表では 直径2390kmとなってますし、 科博のwebサイトでも2390kmとなってます。 https://www.kahaku.go.jp/exhibitions/vm/resource/tenmon/space/pluto/pluto03.html 一体、報道にある従来の直径とは幾つだったのでしょう?
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下のURLのNASAのJPL(ジェット推進研究所)のサイトにあるように、NASAが冥王星の大きさ(推定値)として採用している直径2300kmと比較しているのでしょう。 https://pds.jpl.nasa.gov/planets/special/pluto.htm 手持ちの「天文年鑑」で1980年版以降の冥王星の赤道半径を調べると、1980-83年:1500km、84-87年:1800km、88-96年:1180km、97-98年:1151km、99-2007年:1195kmとなっています。「理科年表」でも平成16年(2004年)版は赤道半径1137km(=直径2274Km)となっていますが、ご指摘の通り平成25年(2013年)版では直径2390kmとしています。いずれの数値もいくらかの不定性がある推定値のはずです。平成25年版の理科年表とJPLの一覧表を比較すると、直径以外でも平均密度などの数値が異なっています。 今は準惑星となった冥王星を含む太陽系の惑星の軌道は精密に計算されていますので、地球と冥王星までの距離も相当の精度まで正確にわかっています。火星や金星、木星のように見かけの大きさ(視直径)が角度の数十秒程度あれば、すぐに実際の大きさが視直径の観測の精度に相当する精度で容易に計算可能ですが、冥王星はあまりに遠くて小さく、視直径が0.1秒以下(これは最も地球に近い恒星の年周視差よりはるかに小さい)だとされてきたので、この方法では困難です。 その代りに昔から行われてきたのが、太陽の光を反射する割合(反射能)を適当に仮定して、見かけの明るさから実際の大きさを推定する方法です。ただしこの方法では、反射能を実際より過小に見積もれば、推定した直径は過大となってしまいます。 今から40年前の天文年鑑(1975年版)では、反射能:0.15、赤道半径2900kmとなっています。この数値が大きく変わったのが70年代の終わりです。冥王星の赤外線光度の測定から冥王星の表面がメタンの氷で覆われているとみられ、氷は反射能が高いため冥王星の半径はこれまで考えられていたよりも小さいと考えられました。(それまでは岩石だと考えられていたことになります)78年版の天文年鑑には「もし冥王星の反射能が0.4(地球の場合に同じ)なら半径は1650km、もし0.6(木星や土星の場合にほぼ同じ)なら半径は1400kmだ」とハワイ大学の研究者が述べたとあります。 さらに78年に冥王星の衛星カロンが発見されたため、冥王星の質量(厳密には冥王星と衛星の質量の和)がより正確に計算できるようになりました。またこの衛星が比較的大きいことがわかり、これまで「冥王星の明るさ」だと考えていたものは実際には「冥王星+衛星の明るさ」だったということもわかりました。 1985年から90年にかけて起きた冥王星とカロンが相互に隠し合う貴重な現象を活用して 冥王星の直径を精密に推定する試みも行われました。この方法は、反射能を仮定するような推定よりはずっと正確だと考えられますが、この方法による直径の推定値も研究者によって微妙に異なります。天文年鑑(88年版)には2300±100km(ダンバーとテデスコ)、2200±140km(ライシンとパカル)、2420km(ソレン)という数値が紹介されていました。 2370kmという今回のニューホライズンズの観測結果はこの3つの値のうちの2つよりは大きくなっています。
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- FEX2053
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どぞ。 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%86%A5%E7%8E%8B%E6%98%9F 冥王星の直径は「計るたびに小さくなる」ことで有名で、近似曲線を とると数百年後にはなくなる・・・という冗談が天文ファンの中でも ささやかれていたくらい、「正確な数値」は出てなかったんです。 なので、比較対象はNASAが計っていた数値だったはず。理科年表 などの数値とは違ってる可能性は十分にあります。
お礼
有難うございます。今回はWikipediaを確認しませんでした。Wikipediaでは数値が小さくなったという話はありましたが、残念ながら具体的な数値が無かったですね。「・・という冗談が天文ファンの中でもささやかれていたくらい、」、興味深い話を教えていただきありがとうございます。
- t_ohta
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共同通信の記事だと『これまでの推定は直径2280~2400キロと幅があり、多くの説は小さめだった』って事のようです。 http://news.livedoor.com/article/detail/10345447/
お礼
有難うございます。共同通信の元ネタは見てませんでした。諸説あるのは仕方がないとして、理科年表があの数字を採用した理由も知りたいとこですね。理科年表の数値と国際天文学連合の数値と違うようです。更に日本国内でも科博(2390km)とJAXA(2274km)と数値が異なり、行政府としても統一がとれていなかったようです。
- ggggggggggg hhhhhhhhhhh(@tasketeqq1)
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大体2300-2400なんでしょう。 まだ正確に測定する技術がないでしょう。
補足
>大体2300-2400なんでしょう。 そういうときは 2.3-2.4*10E3と記載するのが科学のお約束です。
お礼
有難うございます。すっきりしました。多分NASAの数値が2306kmなのでしょう。天文年鑑の数値変遷は興味深いものです。ちなみにNHKのwebニュースではNASAの発表の前日に約2400kmと言ってますので、「予想より大きかった」というニュースを流すといろいろ都合が悪そうです。