• ベストアンサー

トンボ型の模型飛行機がよく飛ぶ理由

納豆の容器などの薄い発泡スチロール(?)を用いてトンボ型の小さな飛行機を作って重心をうまくとるときれいな飛び方をします。胴体も同じ薄い発泡スチロールを使うのでこれが垂直尾翼の役割をするのかもしれませんが、水平尾翼もない形なのにどうしてよく飛ぶのでしょうか。実物の飛行機でトンボの用に主翼が並列2枚の代わりに無尾翼のものなどはあるのでしょうか。

質問者が選んだベストアンサー

  • ベストアンサー
  • kagakusuki
  • ベストアンサー率51% (2610/5101)
回答No.1

 「串型翼機」或いは「タンデム翼機」と言います。 >水平尾翼もない形なのにどうしてよく飛ぶのでしょうか。  前の翼が生み出す揚力は仰角を増す方向に働くのに対し、後ろの翼が生み出す揚力は仰角を減らす方向に働きますから、2枚の翼の揚力はそれぞれ逆方向に機体を回転させようとする力となる訳です。  普通の翼型の固定翼機を正面から見た場合、左右の翼が生み出す揚力は互いに逆方向に機体をローリングさせようとする力となっていますが、左右の翼が生み出す揚力の大きさはどちらも同じ大きさで、空力中心位置も左右対称の位置関係になっておりますから、左右の翼の丁度真ん中の所に機体全体の重心があれば、左右の翼が生み出すロール方向の回転モーメントは釣り合うため、揚力が原因となって機体が引っ繰り返る事は避けられます。  それと同様に、串型翼機の場合も前後の翼が生み出すピッチ方向の回転モーメントが丁度釣り合う様な位置に重心がある様にすれば、機体が揚力自体によって引っ繰り返ってしまうという事態を避ける事が出来ます。  例えば、後ろの翼の揚力の大きさが、仮に前の翼の揚力の8割であるとした場合には、「重心位置から前の翼の空力中心までの距離」と「重心位置から後ろの翼の空力中心までの距離」の比が0.8対1になる様に重心位置が調整されていれば良い訳です。  但しこれはあくまで「揚力自体で機体が引っ繰り返る事は無い」というだけの事に過ぎず、外乱によって機体の姿勢が変化した際に、元の姿勢に戻る様にするにはもう少し工夫が必要です。  翼はある程度までなら仰角が増した方が揚力が大きくなります。  翼を胴体に取り付ける際の取付角を、前の方の翼はやや大きく、後ろの方の翼はやや小さくしますと、翼の仰角は常に前の翼の方が大きく、後ろの翼の方は小さくなります。  すると、もし何かの拍子に機首が少し下向きとなった場合でも、前の方の翼の仰角はプラス、後ろの方の翼の仰角はマイナスとなりますので、前の翼の揚力はプラス、後ろの翼の揚力はマイナスとなり、自然に機首が上がって、機尾が下がる事になり、自然に元の姿勢に戻る事になります。  逆に機首が上がり過ぎた場合には、最初から大き目の仰角が付いていた前の方の翼の揚力はあまり大きくはならない一方で、最初から余り仰角が付いていなかった後ろの方の翼の揚力は大きくなるため、自然に機尾が持ち上がり、機体の姿勢が元に戻る事になります。  翼が揚力を生み出す事が出来るのは、翼はその形状によって、その前方からやって来る気流の向きを少し下向きに曲げる働きがあり、気流の向きを下向きに曲げるという事は、気流の中の空気を下向きに加速するという事なのですから、翼は気流を曲げた事による反作用である上向きの力を受ける事になりますが、これが揚力と呼ばれる力です。  そして、前後の翼とも気流を下向きに曲げるという事は、後ろの方の翼が受ける気流は、前の方の翼によってやや下向きに曲げられた気流という事になりますから、後ろの方の翼は斜め上前方から斜め下後方に向かって吹き下ろす気流の中にあるという事になります。  つまり、後ろの方の翼の仰角は、胴体への取付角度よりも小さな値となってしまう訳ですから、後ろの方の翼は、面積や重量の割に揚力が小さな翼という事になってしまいます。  この様な事態による影響を軽減するために、実際に作られた「串型翼機」では、後ろの方の翼の取付位置を高くする事で、後ろの方の翼の位置が、前の方の翼が作り出した吹き下ろしの気流の外になる様にする場合が多い様です。 【参考URL】  タンデム翼機 - Wikipedia   https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%83%87%E3%83%A0%E7%BF%BC%E6%A9%9F

kaitara1
質問者

お礼

詳しくご説明いただきありがとうございました。強度の関係で翼は前後二枚分のの幅を持たせて、事実上一枚の広い翼なのですが、結構安定して滑空していくので驚いています。ご教示を参考にさせていただいてもう少し作ってみたいと思います。

関連するQ&A